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復讐者  作者: 安慶
勇者と魔族とモフモフ
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59.ペガルダンジョン1階層

 町の門が開くと同時に、レイたちはペガルダンジョンを目指して走り出した。

ダンジョンにたどり着くと、門番にレイの冒険者証を見せ中に入る

「ぶっつけ本番でやるんだね。」

ミナがレイに話しかける。

「サクソウが心配だ。今日攻略出来なくても良い。行けるとこまで行く。」

「OK」

暗闇を抜けて1階層へと進む。

「陣形を組んでくれ。」

スミスの合図と同時にレイたちを囲んで奴隷たちが剣や槍を構えた。

1階層のポイズンフライは奴隷たちだけで戦う。

集団で空から迫りくる魔物を弓で射落とし、地面に落ちたところを剣でトドメをさす。

約1週間毎日戦っていたからか、順調に魔物を仕留めながら中心部へと向かっていく。

索敵できる奴隷のおかげで罠の回避も出来ていた。

 4時間ほどかけてゆっくり前進し、1階層中心部にあるボス部屋の前にして、スミスはレイたちの方に振り返って言った。

「ボス戦も奴隷たちで戦うからな。」

「危険になったら加勢する。」

レイが応えた。

中心部には重厚な扉があり、そこを開くとボス戦が始まる。

スミスは奴隷たちの疲労や矢の残数を見て細かく配置を組み替えていく。

円形から扇形の陣形になり、スミスは気合を入れた。

「よし、いいだろ。入るぞ。」

『おう。』

僅かに疲れがみえるが、まだ勢いのある奴隷たちが声を上げる。

中に全員が入ると自動的に扉が閉まり、1階層のボスが動き出した。

通常の3倍はあるキングポイズンフライが、耳障りな羽音を立てて襲い掛かってくる。

すかさず3列目で構えていた弓部隊が一斉に矢を放った。

羽根や体に容赦なく矢を当てていく。

矢には特殊な液体を塗っており、羽根や体に当たるとくっついて重さが増すようになっている。

液体自体が重いため普通は持ち運びが不便なのだが、奴隷全員が魔法袋を持つレイたちにとっては何の不便も無かった。

 キングポイズンフライの羽ばたきがゆっくりとなり、徐々に高度が下がっていくのを見計らい、前衛が突撃を始めた。

鱗粉を吸い込まないように口を布で覆っており、一撃を食らわせては後退するを繰り返す。

とうとう地面に伏せるようになったキングポイズンフライに四方八方から攻撃を浴びせる。

30分ほど攻撃を続けていたところ、突然光が放たれたかと思うとキングポイズンフライの体が消え、大きな魔石と顎骨が残された。

奴隷たちが歓声を上げる中、

「おしっ。」

とスミスが一言叫び振り返った。

「次行くか。未だ時間はある。」

どうやら今の勢いのまま2階層に進みたいようだ。

だがレイは首を横に振る。

「いや、止めとこう。明日の朝2階層目に行く。」

「そうか。大分慎重だな。」

「ワイバーンは一撃が重いからな。疲れがわずかでもあると厳しい。」

ボスがリスポーンするまで丸2日あるため、レイたちはボス部屋で夜を明かすことにする。

当たり前のようにレイがトイレと風呂を土魔法で作った。

奴隷たちが一斉にトイレに駆け込む。緊張が緩んだからか急にもよおしたらしい。

「ダンジョンで風呂入れるとはね。」

ミナが呆れたように言った。

「疲れ溜めちゃダメですしね。風呂入って飯食って寝ましょうや。」

トムがウキウキとご飯の準備をしながら言った。

「全然暇だったにゃ。」

「寝てた。」

タックとフクンはレイとトムの背中でスヤスヤ寝ていたらしい。

全員で車座になりご飯を食べた後、明日のための話し合いと練習を行い、風呂に入って早めに寝ることにする。

「明日も順調に進めるといいな。」

「そうですね。明日は自分も戦いたいです。」

レイとトムは話しながら、ゆっくりと眠りについた。

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