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復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
12/421

12.トムの家族

 トムはよろず屋の中に入ると、

「ただいま。」

と店番をしている老婆に声をかけた。

老婆はぴょんと椅子から立ち上がると、全力でトムに向かって飛び蹴りを食らわせた。

小さな弾丸のような老婆の飛び蹴りに、トムは「ふんがっ。」と声を出し、後ろによろける。

「なーにしとるね。あーた!兵士になったんじゃなかったん?」

「色々あって。村長には今挨拶してきた。兵士辞めてきて今冒険者。」

「ほーん。その割には装備なんもないね。」

「言うなよ。今から稼ぐ。俺の部屋まだある?」

「あるね。誰も住んどらんよ。そいで後ろのめんこい女の子は彼女かい?」

「男です。」

レイはあっけにとられていたが、女の子と言われて慌てて否定した。

「そうかね。ゆっくりするがええ。食い物余分なものなくってね。夜は食堂でツケで食べてくれ。」

「そうする。」

トムはそう言った後、金を稼ぐためにギルドの出先機関に行くことを提案した。

2人はギルドへと赴き、明日の朝からやる仕事を紹介してもらった。

仕事をもらった後、家に帰りながら、レイは言った。

「お前のばあさんすげえな。」

「そうですね。親も爺さんも死んでしまって。唯一の家族なんです。頭上がらないっす。」

「そのようだね。」

先程の強烈な飛び蹴りを思い出しながら、レイは頷いた。

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