第60話 絶望的状況での作戦会議
追いかけ回された後、副会長にはすぐには会わなかった。
なぜかといえば、ブチ切れているだろうから会ったら会ったで何をされるか分からなかったから、怖くて会いに行けなかったのだ。
副会長の怒りは放課後には治まっているだろうと思い、とある休み時間に副会長のクラスに行って、放課後に話したいことがある、と伝えると、表向きモードでいいよと言われた。
それで、放課後になって空き教室で待った。
「さすがに怒りはだいぶ治まっているだろう」
そんなことを考えながら待っていたら『ガラガラガラ』とドアが開き、副会長が入室した入った瞬間——
「もうなんなのアイツら‼」
——ものすごく不満を漏らし、散々と愚痴を聴かされるはめになった。
いつの間にか、床に正座をしているぼくと机の上に膝を立てている副会長。
頃合いを見て、ぼくは選挙の話をしてみた。
「それで? この先どうするの?」
「なにがよ?」
「あの男たちの票がもらえなかったら、選挙に確実に勝てない」
「分かっているわよ。そんなこと……」
悔しそうに親指を咥えている副会長はイライラを隠せずにいた。
「あいつらの票が手に入ったら、ぼくたちは別れることができて、副会長は会長と付き合うことができるんだぞ」
「そうね……」
「だから、もう一度あいつらと話そうよ」
「うっ……」
とてつもなく嫌そうな顔をしていた。
「だからさ、あいつらの願いを聞きいれてキスなりお風呂入るなりしたらいいよ」
「は?」
さきほどの男たちに見せていた目をこっちに向けた。
「そんな目でこっちを見ないで」
「ふん、そりゃー、アンタが気持ち悪いことを言うからでしょ。それに、蔑んだ目で見ておけば仲が悪いと思ってあんたは焼肉にされない。ウィンウィンじゃない」
「それは断じて違う。ぼくは焼肉にされてしまう」
「どうしてよ?」
「うらやましがられているからだよー‼」
「は? それでなんで焼肉にされるのよ?」
「おまえに蔑んで見られてるぼくがうらやましいから嫉妬で焼肉にするって」
なぜかわからないが汚物を見るような目でこっちを見ている。
「——そんな目で見ないでくれ。ぼくが殺されてしまう」
「アンタがいきなり意味の分からないことを言うからでしょ。さっきのあいつらを思い出してしまったわ」
「あいつらと一緒にしないで」
「だったら、ちゃんと説明して」
さっきあった男たちが危ない何かに目覚めた話を聴かせた。
すると、ゴミを見るような目でこちらを見てくる。
「なんで⁉ なんでそんな目をしてるの⁉」
「あんたも気持ち悪いのに目覚めたんじゃ……」
「やめろ、あいつらと同じにするな」
「……」
「ぼくは変なのに目覚めていないからね! 黙ってそんな目を向けるなー!」
ぼくを疑っている副会長に色々と弁明をして、なんとかしてぼくがいつも通りだと分かってもらった。




