第59話 新たなる扉と理不尽な追いかけっこ
『桃香様があんなことを言うなんて』
副会長に幻滅してんじゃん。
あーあ、これで票が入るか分からなくなったなー。
『桃香様があんな汚物を見るような目でこっちを……あんなの初めてだ』
おうおう、反省しろよ。二度とあんなことをするんじゃないぞ。
自分の考えは口にはださない。『おまえごときがー、話しかけてくるんじゃね!』と言ってきそうだから。
だから、このコメントは脳内だけに留めておく。
『桃香様、あの桃香様も良い! はぅ‼』
ん?
『もっと俺たちをあんな目で見てくれないかな?』
『あんな目で見られながらしごかれたい!』
どうやら奴らは危ない何かに目覚めてしまったようだ……
さぁ、静かにこの場を去るか。
自分の教室に足を進めようとしたその時——
『おい、おまえ』
呼ばれたので振り返ると、何十人もの男が怒りに震えていた。
え、どうしたんだろう?
とりあえず、なんか怖いので下手に出ておこう。
「どうされましたか?」
『このあと桃香様に会って、蔑まれて、しごかれたりするのだろ?』
いや、されないけど!
『うらやましい限りだぜ!』
『これは焼肉の刑だな』
「いや、なんでそうなんの⁉」
『『『羨ましいからだよ‼』』』
そんなこんなでまたいつものようにぼくは追い回されていたのだ。
「理不尽だー‼」




