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第52話 手作り弁当と反撃の狼煙

「壮馬くん、ちょっとだけわたしの弁当を置かせてね」


 顔を真っ赤にしながらもコクリと頷く。


 それから、副会長はすぐ近くにいた男子生徒に机とイスを借りて、ぼくらのグループに加わった。


 副会長は可愛い弁当の蓋を開けて、手を合わせて、いただきますと言った後で家庭的な食材を箸でつつき始めた。


「桃香ちんの弁当がとっても美味しそうなんだよ」


 確かに、チーズハンバーグに可愛らしいミニトマト、ひじきと玉子焼きとバラエティー豊かなご飯で香りもとても良かった。


「えへへ、ありがとう~。これね、今日の朝、わたしが作ったんだ~♪」


 まじかよ……


 副会長にそんな料理スキルがあったとは……


「桃香ちん、とってもすごいんだよ‼」


「(コクリ)」


「でしょ~? いつも料理を作ってますからね、えっへん」


 ドヤ~、可愛らしい顔つきになって周りの男どもをメロメロにしていた。


「そんなこと言っても、副会長の料理は見た目が良いだけで味は美味しいとは限らないのでは?」


 そのぼくの質問に対して、頬膨らませるプンスカ可愛く怒る。


「そんなことないもん! さとしくんにこのご飯は絶対にあげないからー」


「ごめん、ごめん、副会長。謝るからそのご飯をください」


「分かればよろしい。けど、ご飯はあげな~い」


「それは残念」


「ぼくちんに少しだけちょうだいだよ」


「いいよ~」


 周りの男共も今の発言を聞いて、副会長にご飯をねだる。


 副会長は当然のように断り、一丸にだけご飯をあげた。


 そして、一丸は頬に両手を当てて、『おいしいんだよー』とすごく美味しそうに食べていた。


 優しいな、あの副会長……あれ?


 ぼくはとあることに気が付いた。


 今の副会長の表向きモードなら、どんなことを言っても怒られないのではないか?


 そう思ったぼくは副会長との過去の出来事について話し始めた。


「そういえばさー、副会長の話でヤバい話があるんだけどさー」


 みんなは興味を抱いたのかこちらに注目する。


「最近、学園アイドルの副会長に『勝手に死になさいよ』って酷いこと言われたんだ」


「え、桃香ちんがそんな酷い言葉を⁉」


 一丸と周りにいる他の人も驚いていた。


「もう、さとしくん、ひどい~、わたしがそんなことを言うわけないよ~」


 ほら! いつもと違う感じで優しい対応で答えてくれる。


 もしも、これが表向きじゃなかったら、『アンタよくもみんなの前でNGな話をしてくれたわねー‼』と言っていただろう。


 ぼくの理論は合っていて、ギリギリアウトゾーンでも話せるのだ。


「あとさー、2月15日だったかな? 昼休みの時に副会長と中庭にいて、色々と話し合ってたんだけどさー、そしたら急に口を抑え始めて、なにしてるんだろーって思って見てたら、副会長がゲロをビシャーって吐いてたんだよー。それが辺り一面ゲロまみれになって、きったねーって思ってたら、会長とつゆちゃんが現れて——」


 話をしている途中、副会長の顔を見ると、みんなには分からないだろうが、ここから見たらうっすら微笑んでる顔の目は猫が怒った時のように瞳孔が開いていた。


 あれは、切れているな。


 まぁ、副会長の表向きモードの場合、ゲロ程度の話なら何も言ってこないだろう。


 たぶん……


 ぼくは開き直って、この話の続きを言おうと思う。


 だって、周りのみんなが興味津々になってこっちに耳を傾けているから。


 あと、コイツのヤバい一面を知らせれるからね。


 どんなにぼくが気苦労しているか、共有したい!


 ということで続きを言っちゃいまーす。



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