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第50話 ノーマルカードで好感度アップ!?

「それと、カレーみそ汁は郷土料理じゃないぞ。俺たちが昨日あみ出したものだ」


「昨日あみ出したの⁉」


「うん、そうだぞ。それがなにか?」


「いや、カレーみそ汁をご存じでないとかいうから、日常的に食しているものだと思ってしまったわ!」


「そんなこと言ったか?」


「言ったわ!」


 一丸に壮馬となって一緒に言ったよね、と聞いたら『覚えていないんだよ』と言われ、なんとももどかしい思いをした。


「はぁー。さとしはカレーみそ汁でさえも交換ができないって言ってるから、だし巻き玉子は諦めるしかないな、一丸」


「どうしても、そのだし巻き玉子が欲しんだよ。ただ、ぼくちんの弁当に割に合いそうな食べ物がないんだよ」


「いや、そんなことはないよ」


 恨めしそうにしている一丸にぼくは優しく答えた。


「本当に?」


「うん、その肉じゃがとなら交換してもいいよ」


「「ええええええええええーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」


「ええ? こっちが『ええ!』なんだけど! なんで2人ともそんなに驚いてんの?」


「そりゃー、カレーみそ汁を蹴っておいて、肉じゃがと交換してもいいって言うから」


「うんだよ」


「いや、カレーみそ汁にどんな認識持ってんの⁉ カレーみそ汁に対しての認識がめっちゃすごいものになってるじゃん! 肉じゃがとカレーみそ汁にそんなに差は感じられないけど?」


「全然違う。肉じゃがとカレーみそ汁にはものすごい差がある。例えると、カレーみそ汁はSSRカードで、肉じゃがはノーマルカード」


 カレーみそ汁ってSSR並みなの⁉ 


 確かに、ある意味、SSRカードだよ。だって人生で一度も聞いたものが無いから。


 いまいち、SSR基準が分からない。


 SSRカードの食べ物って何があるんだろう?


「他にSSRカードの食べ物って何かある?」


「神戸和牛とかだな」


「カレーみそ汁って神戸和牛並みだったの⁉」


 え、まって、カレーみそ汁に対して神戸和牛並みの認識を持ってるの、コイツら⁉


 カレーみそ汁に対しての認識が良すぎて驚きだわ‼


 めちゃくちゃ高級じゃん‼


 ぼく的にカレーみそ汁はノーマルカードに部類に入るんだけど。


 いや、ノーマルではないな。でも、SSRではないと断言できる。


「そうだぞ。だから、SSRを要らないと蹴っておいて、ノーマルカードと交換しようと言ってるから俺たち、驚いたぞ」


「いや、むしろ、ぼくの方がもっと驚いてるわ」


「さとしちん、肉じゃがと交換してくれるなんて、とっても良い人なんだよ」


「さとしがこんなにも良い奴だなんて知らなかったな」


 まさか、こんなことで好感度が上がるとはこれっぽっちも考えになかった。


「ありがとうなんだよ、ありがとうなんだよ、ありがとうなんだよ」


 ものすごい感謝された。


 ……ん~、なんか複雑な気分なんだけど。


 だし巻き玉子と肉じゃが交換しただけでこんなにも感謝されると思わなかった。


 それに、だし巻き玉子なんて、ぼくからしたらノーマルカードだからね?


 ノーマルカード同士を交換したところでって話なんだけど……


 まぁ、こんなにお礼されると嬉しいことは確か。


「どういたしまして」


「じゃー、これ、肉じゃがなんだよ」


「肉じゃがを全部くれなくていいからね。ちょっとでいいからね」


「うん、分かったんだよ」


 すべての肉じゃがを渡そうとしていたが、それを止めて、一部だけもらって、一つだし巻き玉子を渡す。


 お互いの食べ物を無事に交換した。


 一丸はすぐさまだし巻き玉子を口にする。


 そして、小さい両手を頬に当てて、ものすごく幸せそうに食べていた。


「ん~、とっても美味しんだよ。さすが、だし巻き玉子なんだよ」


「そんなに喜んでくれて、ぼくも嬉しいよ」


「えへへ、ぼくちん、だし巻き玉子が一番好きなんだ。交換してくれてありがとうだよ」


「どういたしまして」


 では、ぼくの方は肉じゃがを食べてみよう。


 和風の香りを出し、食欲をそそるジャガイモを一つ、箸で口に運ぶ。


『もぐもぐ』


「うまい」


「伝説の寮母さんが作ったから、当然なんだよ」


「一丸、こちらこそ、こんなにも美味しい肉じゃがを交換してくれてありがとう」


「どういたしましてなんだよ!」


 ニコニコと純粋無垢スマイルをしていた。


 なんか、その笑顔を見ていると、こっちも嬉しくなってくる。


 いつもより静かめなクラスでそんなことを考えていると、厄介な人物が来て、騒がしくなった。


『ガラガラガラ』


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