第47話 三人での昼食とおかず交換
てなことがあって、一緒に食べられないと一丸に言った。
それにしても、あんな噓丸出しな発言を信じていたなんて、子供並みにピュアか!
だけど、今は壮馬に副会長と会話の場を与えたから、脅威には感じなくなった。
隣の席なんか見ると、睨んでないもんね。
のほほ~ん、としているもんね。
今日の朝、副会長と会ったことで浮かれているのだろう。
だから、自分の教室で昼食を食べられるというわけだ。
「一丸、ぼくは今日、一人で食べたら死んでしまう病が治ったみたい」
「それはよかったんだよ」
改めて、2段弁当を開けて、『いただきます』と言おうとしたら、
「ちょっと待って欲しいんだよ。3人で食べようだよ」
と言って、壮馬とぼくを交互に見る。
壮馬はまだのほほ~ん、としていて一丸が言ったことが聞こえてなかったみたいだ。
「うん、まぁ、一緒に食べようか」
いつも一人で昼食をとっていたから、人を誘うって言うこと自体が頭に思い浮かばなかった。
まぁ、これはぼっちの習性だから仕方が無いよね。
とりあえず、隣の壮馬を揺すって、3人で食べることを伝える。
壮馬とぼくとで机をくっつけて、一丸は椅子だけこっち側に向け、真ん中に弁当箱を置く。
で、壮馬はコンビニのパン2つをだして、食べる準備が全員完了。
「手を合わせて!」
「「「いただきます」」」
壮馬はごまつきうぐいすパンの袋をパカッと開け、一丸は弁当箱を開けて野菜とみそ汁、肉じゃが、ご飯とか健康に良いメニューが並ぶ。
ぼくのは、上段は、だし巻き玉子、ひじきの炒り煮、ウインナーとかで、ありふれた昼食メニューだ。
「あ、さとしちんのご飯美味しそうなんだよ」
箸を口に入れて物欲しそうに一丸はぼくの弁当を見ていた。
「ありがとう。でも、一丸の方が美味しそうだけどね」
「そう? 昨日の夜ごはんと今日の朝ごはんの余り物なんだよ」
「へぇ~、そうなんだ」
「うん、ぼくちんは寮暮らしなんだよ。食堂で余ったご飯をいつももらってるんだよ」
「え、寮暮らしだったの?」
「うん、そうなんだよ」
じーとぼくの弁当を除き続ける一丸はぼくの弁当にある食べ物に指さす。
「そのだし巻き玉子とぼくちんの食べ物と交換したいんだよ。いいかな?」
「あ、別にいいよ」
「どの食べ物が対等か分かんないんだよ……」
ん~、どの食べ物と交換してもらおうかな~。
ぼくが品定めをしていると前のめりになりながら一丸は情熱的に説明をし始める。
「この野菜サラダはとっても美味しいんだよ‼ いい感じなんだよ‼ すんごいんだよ‼ この野菜と交換をしようだよ‼」
ものすごく野菜を勧めてきた。
野菜とだし巻き玉子は見合わないよなー。
「いや、いい」
ぼくが断ると、隣にいる壮馬は意味の分からないことを言い始める。
「一丸、そんなんじゃダメだ。さとしは色が明るいから断ったんだ。その野菜には緑色が足らないんだ。こうしたら、さとしも気に入ってくれるはずだ」
と言って、壮馬が食べていたうぐいすパンの中身をサラダの上に載せようとしていた。
「色が気に食わなかったってことじゃないからね!」
「ごまか? ゴマが必要なんだな」
うぐいすパンの上についていたゴマをさっさと取って、サラダにかけた。
「これで見栄え良し! はい、おまち!」
ゴマがかかって、見た目が少しよくなったのかもしれない
「いや、見た目が気に入らなかったから、サラダと交換しないんじゃないから! ただ単に、だし巻き玉子とサラダの交換が嫌だっただけだから。しかも、見てみ——」
ぼくは自分の弁当箱に指を向ける。
「——すでにぼくの弁当箱にサラダあるから!」




