第42話 キラキラ副会長、登場
しばらく待つと、『ガラガラガラ』と、ドアの開く音がした。
どうやら、ぼくの心配は無用だったようだ。ちゃんと来てくれたみたい。
「おっはよ~、2人とも~♪」
満面の笑みで登場したのは、学園で一番可愛いと言われてる副会長。
このキラキラオーラは紛れもない、表向きバージョン、外面最高の副会長だ。
それは、そうか。腹黒本性を他の生徒の前では出さないもんな。
「おはよう、副会長」
「(コクリ)」
……一方、壮馬は、副会長を見た瞬間、顔が赤くなり、完全に固まってしまった。
ただ、無言で頭を下げるだけだ。
副会長は、トテトテと可愛くこちらに近寄り、ぼくたちの机の前に立った。
「副会長、座らなくていいの?」
「この後すぐに出ないといけないから、座らなくても大丈夫だよ~」
「そうなんだ。何分くらいここで話せそう?」
ぼくの問いに、副会長は顎に指を当てて考える仕草をする。
「う~ん、4、5分かな」
「お、そうなんだ。それは良かった。な、壮馬」
「(コクリ)」
話を振ってあげたのに、壮馬は相変わらず頷くだけ。
……頷くだけかよ! 名前を出してあげたのに! 副会長は目の前にいるのに! 話せよ!
「え~と、伊藤壮馬くんだよね」
副会長は、壮馬に視線を向けた。壮馬の顔がさらに赤くなる。
「いつもありがとうね」
副会長は、営業スマイルで、壮馬に感謝の言葉を述べた。
「(コクリ)」
いつもありがとう? どういう意味だ?
「まさか、わたしと話したい人が壮馬くんとは思わなかった、良かったよ~」
昨日壮馬と話すって面と向かって伝えてるからな。
それなのに、まるで今初めて知ったかのように振る舞うとか……
演技をしているのか……めちゃくちゃ上手いなコイツ。
「(コクリ)」
こいつの演技に乗っかって質問をしてみるか。
「副会長と壮馬は昔からの知り合い?」
「そうだよ~。中学2年生の時からの知り合いなのです。ふっふ~ん」
副会長は可愛く胸を張る。
表向きモード全開だな。本音でしゃべる時なんか、絶対こんな可愛いポーズを前面に出すことなんかしない。
「へぇ~、知り合いだったんだ。じゃー、さっき言っていた『いつもありがとう』っていうのは?」
「わたしのことをいつも見守ってくれてて、助けてくれるから優しい壮馬くんにお礼の一言ですね」




