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第28話 尾行開始と自転車の悩み

 ぞろぞろと生徒が下校していく中、ぼくは遠巻きに副会長の姿を追った。


 アイツは親衛隊を引き連れて校舎の出口へ向かっている。 


 ただ、校舎の出口で重大な問題点に気づく。


 副会長はどうやら徒歩通学をしているようだ。


 で、ぼくは、自転車通学。


 副会長の家が学校に近くて徒歩通学なら、自転車を押しながらゆっくり尾行すればいい。


 だけど、もし副会長が電車やバスといった交通機関を利用したら?


 自転車を押しながらじゃ、完全に、一瞬で見失ってしまう!


 普通の人だったら、ここで「今日は自転車を置いて、交通機関を使って尾行しよう」と即断即決するだろう。それが合理的な判断だ。


 だが、ぼくは違う。


 そんなに即断即決できないのだ。


 なぜかといえば——交通機関を利用したくないから!


 だって、お金がかかるじゃん‼


 それくらいにぼくはお金にシビアなのである。決して、ケチではないぞ。


 もしも、ぼくがケチだったら、カップルあみだ自体に参加なんかしなかっただろう。どんだけお金がかかっているか知っているか?


 すんごくだ!


 貯めたおこずかいを使ってまでぼくはつゆちゃんと付き合いたかったんだ。


 だから、カップルあみだに参加した。


 で、今回のお金の使い道は副会長と話すためのもの……


 お金を使いたくない!


 なんで、ぼくが副会長のためにお金を使わなければならないんだ。もちろん、壮馬との約束があるから、約束を守らなければ東京湾で沈められるかもしれない。


 だけど、副会長の家が学校に近かったらどうだ?


 無駄金になるだけだ。そんなの耐えられない!


 ……あれ、ちょっと待って、家に帰る途中で話しかけれなかったらどうすればいいの?


 めちゃくちゃピンポン押しまくる?


 そんなことを一人で悩んでいると副会長と距離を少し空けて歩いているそのファンたちがすでに校門付近まで到達していた。


 やばい、やばい、もうあんなところまで⁉


 早く決断しないと完全に見失う!



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