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第24話 : 交渉成立、命の代償

 どうだ、ぼくのプレゼンは?


 これで、ぼくの命は助かるか?


「てなわけで、ぼくのロープを外してもらってもいいですか? 新しいルール作りに勤しまないといけないので」


 壮馬は再び沈黙した。期待の眼差しで見つめるぼくに対し、彼はポツリと呟いた。


「俺は桃香ちゃんのファンと違って、桃香ちゃん一筋で恋しているから、他の人が別れられるかは関係がないんだよなー」


 壮馬君は、ぼくのプレゼンをあっさり切り捨てる。


 ガチ恋勢、恐るべし! 思考の対象が副会長以外に向かない!


「東京湾に沈めても桃香ちゃんは一人になる。そして、俺がルール作りの手伝いをしても問題は無さそうだな」 


 人を東京湾に沈めることに躊躇ないところがさすがは恋愛高校の生徒だと言えよう。


 どうしたら、この危機的な状況から脱出できるのか……


 命の危機となると、頭の回転がものすごく早くなるらしい。ぼくの脳みそは、ありえない速度で思考を巡らせ、突然と良い案を思いつく。


「ぼくを生かしておけば副会長と話せる機械が増えると思うがいかがだろうか?」


「ほう?」


 目の前の男は興味ありげにこちらを見やる。


 ぼくの仮説が正しければ、こいつは……


「ちなみに、副会長と話したことはある?」


「ちょっとだけなら」


 やはりそうか。


「ぼくが仮にいなくなったとして、壮馬は副会長と会話ができるのかな?」


「それは……」


「今まで副会長に話しかけたことは?」


「……」


 渋い顔をしているのを見ると、たぶんないと思う。


「分かった。なら、副会長とおしゃべりするチャンスを提供するよ。ぼくを生かしておけば副会長といられるチャンスが何回か訪れる。それは、とってもいいことではないだろうか?」


「……」


 腕を組んで考えているようだ。


 もう一押しだ。


「1対1で話すのが難しいのであれば、もちろん、ぼくも一緒にいて会話のサポートをする」


 壮馬の眉毛がピクリと動いて、視線をこっちに向ける。


「いつ桃香ちゃんとお話しできる?」


「1週間以内にはできると思う」


「思う?」


「1週間以内には副会長と話ができるように提供する」


「その話乗った」


 よし!


「交渉成立」


 そういうわけで、ぼくはあっさり椅子から解放された。


 まさか、拉致されて東京湾行きになりかけた挙句、命の代償に「副会長との会話提供」という新たなミッションが加わるとは……


 新学年初日から、本当に面倒ごとが増えた。


 とはいえ、命の代償に副会長との会話の場を提供するのは安いもんだ。


 副会長との会話提供と、選挙の話。やらなきゃいけないことが山積みだ。


 まずは副会長を探しに行くか。 


 今の時間は何時だろうか?


 自分のスマホを取り出して、時間を確認する。画面には、13時30分と表示されていた。


 もうこんなに時間が経っていたのか。


「おい、何かあった時ようにLIME交換しようぜ」


 という壮馬からの申し出があったので受け入れてLIMEを交換した。


 目の前にいる壮馬に、「じゃあ、副会長を探して話してくるから」と告げ、空き教室を出て別れた。 もちろん、とっくに下校時間は過ぎているので副会長はいなかった。


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