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第22話 : 尋問開始、伊藤壮馬と桃香への想い

「ちなみに、ぼくがその尋問を断るとどうなるの?」


「んー、そうだなー……」


 しばらく考えた後、前にいる男は答える。


「東京湾に沈んでもらう」


 どうやら、ぼくには拒否権はないようだ。


 ん……? 東京湾ってワードどこかで聞いたことあるな……どこだったかな?


 思い出せないまま、ぼくは彼の言葉を待つ。


 男は、切実な瞳でぼくを見つめ、こう言った。


「桃香ちゃんがどうしてあんなに悲しんでいるのか、教えてくれ」


『桃香』――その単語を聞いて、ぼくの脳裏にピーンと繋がった情報があった。


 そうだ。副会長の名前だ。そして、「東京湾に沈める」というワード。


 ――副会長の熱狂的なファンが、桃香アンチを東京湾に沈めた――そんな、この恋愛高校にまことしやかに流れる、恐ろしすぎる風の噂!


 あ、そういえばこいつ、さっきも「東京湾に沈める」って言ってたな。


 まさか、そっち方面の人間⁉


 この男、副会長のファンの可能性が非常に高い! 


 ここは怒らせないように言葉を選んで、慎重に対応しなければ……


 てか、アイツ、悲しんでるの? 全然知らないんだけど?


「えっと……ぼくも分からないんだ、副会長が悲しんでいる理由なんて」


「嘘はやめろ。桃香ちゃんはおまえとカップルになってから辛そうな顔をしていた。それは、おまえが苦しめているからじゃないのか?」


「苦しめてなんかいない。ホントなんだ」


 元々、自分と付き合うのは嫌がっていたし、それで辛そうにしているとは思う。一番の原因はたぶん、大好きな会長に嫌いなぼくと良い恋仲になれると思われているところだろう。たぶんね。


 だって、会長にそう思われている時から極力ぼくに会わないようにしていたからね。


 仮に、お付き合いしたい大好きな会長にぼくたちが良い恋仲になれると思われて辛そうにしているんだよーってこの人に言ったらどうなるのだろうか?


 ファンの人っぽいし、発狂してしまうんじゃないか?


 いや、待て。そもそも、こいつが本当に副会長のファンなのか、分からない。


 まずは、この男の正体を確認しておこうか。


「ところで、えーと、名前はなんだっけ?」


「伊藤壮馬だ」


「壮馬ね。聞きたいことがあるんだけど、副会長のファンの方?」


「違う」


 あれ? 違うんだ。


 じゃあ、副会長の悲しみとは無関係なのか? 


 それとも別の関係?


「あー、そうなんだ。じゃあ、友達とか?」


 それだったら、付き合いたい大好きな会長とか言っても問題は無さそうだな。


 ファンになんてこんな発言は言えないからなー。発狂しそうだし。


「違う」


 また違うのか。じゃあ何なんだ?


「俺は桃香ちゃんのガチ恋勢だ」


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