第17話 : 真実の行方と可愛いは正義!?
「いやいやいや、ぼくはやっていません! ぼくは今来たばっかりです! こいつがカバンぶつけて割ったんです!」
さらに、ぼくは必死に訴える。
「先生! 誰がやったかは、このクラスにいた他の人たちが目撃しているはずです! あの窓ガラスのそばにいたのは、こいつだけです!」
ぼくの反論に、先生はクラスメイトたちに視線を向けた。
「誰か、窓ガラスが割れた時のことを見ていましたか? 何があったか知っている人は手を挙げてください」
すると、何人かの生徒がおずおずと手を挙げた。先生は彼らに尋ねた。
「では、教えてください。何があったのですか?」
「えっと…あの…あのチビ…じゃなくて、古賀が、窓ガラスのそばにいました…」
「古賀が、カバンを持って、バランスを崩しているような…」
「『うわっ』って声を出して、窓にぶつかったのは見ました…」
クラスメイトたちの証言は、ぼくの主張を裏付けた。
逃げ場を失った一丸は、再び俯き、小さな声で呟いた。
「…ごめんなさいなんだよ…」
「ごめんなさい? 何に対してですか?」
先生は諭すように尋ねた。
一丸は、震える声で、真実を語り始めた。
「ぼくちんが…ぼくちんが、カバンをぶつけて、窓ガラスを割ってしまいました…さとしちんは…何もしていません…ぼくちんが…嘘をつきました…ごめんなさい…」
ついに自白したか! 可愛い顔して、とんでもない嘘つき野郎め!
先生は、一丸の自白を聞き、厳しい顔つきになった。
「古賀君…自分の過ちを隠すために、他人に罪をなすりつけるなんて…これは、指導室に行かなくてはなりませんね」
指導室という単語を聞いた瞬間、一丸の顔色が真っ青になった!
さっきまでの童顔から、一気に怯えきった子供の顔に変わる。
「そ、それだけは…それだけは勘弁なんだよ…先生…お願いします…」
一丸は、ウルウルと涙を浮かべ、上目遣いで先生に懇願し始めた。その姿は、まるで捨てられた子犬のようだ。
そして!
クラスメイトの女子生徒たちが、その姿を見て…!
「キャー♡ かわいー! 古賀くーん♡」
「ロリ男子最高♡ そんな怯えた顔もキュートすぎる!」
「あんなに可愛い子が指導室なんて可哀そう!」
「古賀君は悪くない! 可愛いから仕方ないんです!」
周りから、一丸を擁護する大合唱が始まった! 可愛いから仕方ない? 罪を擦り付けたんだぞ⁉
先生は、一丸の愛らしい顔とウルウル攻撃に、心が動かされたようだった。
困った顔をしながらも、眼鏡の奥の目を細める。
「……まあ、その可愛さに免じて許します」
許したあああああああああああああ⁉⁉!
はあああああああああああああああ⁉!
「そんな理由で許すなーーーーッ!!」
ぼくは思わず叫んだ!
罪を擦り付けた行為を「可愛さ」という理由で許すなんて、あっていいのか⁉
それを「当然の結果、ね」と、言って容認する周りの女子生徒もどうかしてるぞ!
ロリ男子最高、じゃないんだよ!
罪を憎め! ロリは関係ない!




