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第13話:ゲロと遭遇とすれ違う想い

「本当のことだから仕方がないで——うっぷ」


「やばい、ゲロの第二弾が来る!」


 その場で騒いでいると、思わぬ人物が声をかけてきた。


「大丈夫でしょうか?」


「ん? だいじょう——ぶーーー‼」


 振り向くと、そこには生徒会長とつゆちゃんがいて、思わず吹き出してしまった。


 つゆちゃんたちがいるんだけどー⁉ さっきの話聞かれていた?


「どうされましたか、体調がすぐれないのでしょうか?」


 心配そうに副会長に声をかけるつゆちゃん。


 黒髪天使つゆちゃんが目の前にいる……


 言葉遣いを少しでも良くしないと。


「ああ、大丈夫ですよ。こちらにいる副生徒会長が嘔吐を——痛い‼」


 会長が死角になる位置で副会長はぼくの横腹を強くつねる


「何をするんだ!」


 つゆちゃんと会長には聞こえないように小声で話しかける。


「アンタねー、会長の前でなんてことを言おうとしたのよ!」


「え? 副会長が嘔吐したって」


「乙女が嘔吐なんてするわけないでしょ!」


「いや、さっきバリバリに吐いてたじゃん」


「気のせいよ! 百歩譲って吐いたとして、そのことを会長に知られたらドン引きされるじゃない!」


「あの会長にドン引きされるなら幸せのことじゃないかー。つゆちゃんと付き合う悪者なんだから」


「はぁ?」


「はぁ? やんのか、副会長?」


「望むところじゃないの——ッは!」


 視線を会長たちに向けると、二人は苦笑いをしていた。


 いつの間にか、ぼくたちの言い合いの声が大きくなって会長とつゆちゃんにも見苦しい話の内容が聞こえてしまっていたようだ。


 そして、気を使ったのだろうか、会長は笑顔で答えた。


「桃香副生徒会長もあなたも仲良しですね。素晴らしい恋仲になれると思います」


 副会長はその言葉にショックを受け、ただ茫然と立ち尽くす。


 ぼくもショックではあったものの、つゆちゃんが信じてくれるだけで強くなれる。


 ぼくたちは仲良くないんだよ、つゆちゃん。


 信じてくれるよね?


 ぼくは訴えかけるような目でつゆちゃんに視線を送る。


「えっと……さとしさん!」


「え?」


 つゆちゃんが話しかけてくれた⁉


 同じクラスのつゆちゃんはぼくに声をかけてくれることなんて滅多にない。


 そんなつゆちゃんが話しかけてくれた!


 今日はなんて嬉しい日なんだ!


「さとしさんと桃香さんはお似合いだと思います! だから、お幸せに過ごしてください!」


「ぐは——!」


 ぼくの精神にクリティカルヒットをした。


 幸せな気分が一瞬にして崩壊。


 めちゃくちゃ勘違いされてるー‼


 違うんだ、つゆちゃん!


 ぼくとコイツは犬猿の仲なんだ。


 超絶に仲が悪いんだ。


 誤解をしないでくれー。


『キーンコーンカーンコーン』


「予鈴が鳴りましたね。そろそろ、教室に戻らないといけません。では、みなさん、私とつゆ書記は失礼します」


「失礼します」


「「……」」


 会長とつゆちゃんはぼくたちにお辞儀してから校舎に向かう。


 つゆちゃんに勘違いされて、相当ショックを受けたぼくはそのあとの記憶はあまりなく、すべての授業を終えた。



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