① 少年
① 少年
しかしながら、海辺の孤児院から数キロ離れた王城下街は別でした。
そこには当たり前のように金髪狩りが行われ、特に騎士'ゲス.ダェイ'は執拗にシノァを追いかけて来るのです。
ゲス.ダェイは王城下街の隣に大きな城を持っていました。
この国は、王城を中心に5つの城がこれを守っていました。
ダェイ家はその一つになります。
彼もまたどちらかというとダークブロンドに近い髪をしているのですが、自分より金に近い髪のシノァを見つけた時の彼の目の輝きときたら恐ろしいほどで、それ以来シノァを探しては追いかけて捕まえようとするという厄介なことを繰り返すのです。
「シノァは孤児院に残っていてね」
ある冬の寒い日、姉のピァは王城下街に向かいました。寒さを凌ぐ為の布を仕入れてくるというのです。
「ダェイ家裏路地にゴミ捨て場があって、そこはたくさんの良い物でいっぱいだから。見に行ってくる。」
姉はこう言ってちょくちょく一人でこっそり王城下街へ出かけるので、シノァは大変心配そうな顔で見つめます。
しかし、自分がついて行っても邪魔になることは分かっていますし、何よりダェイに見つかればただではすみません。
シノァは姉が一番仲良くしている少女、マニノの所に黙って預けられるしかないのです。
マニノは赤髪の女の子で姉より一つ二つ年下でした。彼女は右足が不自由な為、孤児院では主に家事をしたり小さい子たちの面倒を見ていました。
かと言って弱々しいわけではなく、字の読み書きができたり、医療に詳しかったりと知的でしっかりしている印象です。
マニノはシノァを心配させないよう、両腕で抱きしめて背中をトントンと優しく叩きます。
「大丈夫、シノァのお姉ちゃんは強いんだから。」
① 少年に続く




