1.始まり ①小さな姉弟
後日編集
王城下の貧民街に住む二人の姉弟は息を潜めて生活していた。母親は大きな火傷の痕があり、表に出る仕事はできなかった。あるいは、隠れてひっそりとできる仕事を好んだのかもしれない。
母の髪は美しい金髪だった。この国では金髪は忌まわしく、差別を受けていた。子供たちにも遺伝し、姉のピァは父譲りの茶色だった。問題は弟のシノァで、彼の髪は母親以上に美しく人目を引いた。母と子は髪を布できつく縛り、決して見られることのないように過ごしていた。
「シノァ、しっかりついてきてね。」
ピァはまだ七つだったが、苦しい生活を支えるために母の代わりを率先して担っていた。買い物はもちろん、食事の準備や洗濯も懸命にこなした。家族が過ごすには少ないお金と睨めっこをしながらクズ野菜を買い、古くなった硬いパンを譲ってもらっていた。幼いシノァの仕事は姉から決して離れず、一人で行動しないことだった。しかし、齢五つのシノァにとって行動力のある姉から離れないことは至難の技だった。家で母と待っていることもできたが、甘えたい盛りのシノァは仕事を邪魔してしまうので、結局姉についていくしかなかった。
幼いながらも、危ない目に遭った時のことをしっかりと覚えている。一人で歩いていて、この髪が見つかった時、シノァは怖くて泣きそうになった。
金の髪を持つだけで、皆からいじめられる。子どもからの揶揄いならまだしも、大人までもが酷い言葉を投げつけ、暴力を振るう。
「お前は生きていてはいけないのだ。」
「お前は、社会のクズだ。」
と。
優しい母と姉。シノァはそれだけで十分だった。
しかし、そんな小さな幸せは母の死によって簡単に壊れてしまう。寒さの中三人で布団に包まって、暖かいねと言い合った尊い時間は去り、姉の力強い手のひらだけが残った。
後日




