キュウ
村から草原を超えてリンゴの木に向かってゆっくりと歩いた。
暖かい日差しを浴びてちょうど良く膨れたお腹とほど良い運動で頭の中は和んだところでリンゴの木の下にいるぺんスラとぱんスラの所に向かった。
姿がはっきりと見えるようになり近くに行くとぱんスラが
「パン。パン。パン。」と寄って私の方に突進して来た。
危ないと思って見切って避けた。
ぱんスラは少し先に進んで戻って来た。
ぺんスラが何か頭に乗せてゆっくり揺れながら?来た。
よく見ると石みたいだけど楕円形でユラユラと揺れている。
楕円形?卵型?の物体からピキピキピキと音がして割れた。
上の部分を帽子のように被った黄色い鳥がいた。自分で頭についた殻?を落とす鳥はどう見ても黄色いひよこにしか見えない。
この子ピヨピヨと言ってる。可愛い
「黄色いピヨコでピヨちゃん?ピヨちゃん。キヨちゃん!」とつい声に出して言ってしまった。すると
「わーい♪名前がついた。キヨちゃんだ。」
「えっ、ピヨちゃん?キヨちゃん?どっち!」と私は聞いてしまった。
「私、キヨちゃんだよ。よろしくね。」と黄色いひよこは卵の殻から出た。そしてぺんスラの頭にまだ乗っていた。
えっ私この子としゃべってる。普通のヒヨコはしゃべらない。
わぁー。またやってしまった。つい名前言っちゃた。
テイムしたかも。わ〜、誰か違うと言って。
あっ誰もいない。言ってくれる人がそもそもいない。
はぁー。
私が落ち込んでいる間ににゃんスラとぺんスラがキヨちゃんと話していた。
キヨちゃんの過ごし方やご飯に成長したらどうなるのとかをわかっているのか?なんかそのへんを聞いた。
これからどうするのかをキヨちゃんに聞いて決めていた。
キヨちゃんは基本的に雑種だけど大きい物は食べれない。
普通のヒヨコのように草や虫とかも食べれるそうだ。
木の近くで本当は親とかいたかも?と言う話だった。
キヨちゃんを拾った木の近くで様子を見ておくことになりました。
ぺんスラとぱんスラで返しに行きました。
にゃんスラに
「元の場所に返してきなさい。」と怒られたかもしれないけど私が落ち込んでいる間に移動してました。
よかったのだろうか?
でも親がいるかも?ということなので何か問題があれば戻ってくるだろう。
ぴょんスラが私を揺らしてきます。
「ナナ、起きて。ナナ、起きて。」ちょっと静かにしてただけです。
寝てないよ。静かにしてたから心配したのかなぁ。
「起きてるよ。どうしたのカズー。」と私が言うとぴょんスラが
「村に行ってどうだった。教会は怖かった。でも門番さんはいい人。ご飯くれる人はいい人だよ。」と伝えてくる。ぴょんスラは食べ物をくれる人はいい人認定なのでしょうか。ちょっと大丈夫か心配です。
私が教会にいる時に門番さんが門で薬草を採取しながらぴょんスラとお話もしてくれたみたい。
門番さんの独り言みたいになっちゃってたけどぴょんスラもときどきは揺れてお返事をしていたそうだ。
その時の話をぴょんスラが伝えてきた感じだと門番さんの亡くなった妹さんに私は似ているらしいです。妹さんは門番さんが目を離したすきに神殿の人に連れてかれて元々あった病気が原因で亡くなったそうです。
妹さんは神殿に行く途中の町で村人と分かると置いてかれてしまった。
途中に出逢った商人さんが村に連れて来てくれたけど、帰って来てすぐに容態が悪くなったという話だった。
門番さんが言っていた神殿の話では巫女さんが異世界人を召喚して国に良いように使っているそうだ。利用されている?
召喚されて来た人はみんななんらかの特別な力を持っているとの噂です。
決まった地点に呼べなかった召喚した人を召喚した町の近隣を教会関係者で探してそれらしい人を保護と言って拐って行くそうだ。
間違って連れて行かれる人もいて迷惑しているそうだ。
とんでもないやらかし案件です。
私は異世界に召喚されて巫女さんとか国に良いように使われていたかもしれないということだった。
巫女さん、召喚場所を失敗してくれてありがとう。
私は自由に生きます。貴女と関わらない。
今のところ特別な力はなさそうです。
これからは村人のふりをして暮らすしかない。ということがわかった。
門番さんとギルドの受付の女の人とはもっと仲良くしよう。
この世界のことを教えてもらわないとわからないことだらけです。
キヨちゃんは元の場所に返すことになりましたね(・ω・`)
何でもかんでも拾うのは良くないよ、ナナ!すぐ名前言っちゃうんだから(笑)
キュウ話裏話☆彡
この話を作っている時、机に向かい合う家族のやりとりが作家と編集者みたいでした(笑)