イチ
私ナナは中学2年生の女の子。ある日の事だった。私は学校の帰り道だった。
途中の道で友達と別れて夕日を背にゆっくりと家に向かって歩いていた。
住宅街のアスファルトの道を少し肌寒く感じる時間だった。
突然気づいたら私は知らない場所にいた。さっきまで少し寒く感じていたのに寒さは無くなっていた。
そこは草が一面に広がる草むらに私は1人ポッツンと立っていた。
私はどうしてここにいるかわからなくて困っていた。
ただ気持ちの良い風が吹いているのを感じながらどこでもなく眺めてボーっとしていた。ただ風に揺れる草を揺れるのを見るのではなく感じていた。
よく見ると揺れる草むらの中で引っかかっているようにモゾモゾと動いている物がある。同じ所でモゾモゾと揺れるように動いている。
なんだろうと見てみると透明なゼリーみたいな生き物?が動いてた。
大きな石が邪魔で思うように動けないゼリーの固まりが可哀想になって石を退かしたらその子は自由に動けるようになってどこかに行ってしまった。
よく考えたらさっき見たゼリーの固まりの生き物はゲームで見るスライムみたいだった。あのモゾモゾと揺れる動きがスライムぽかった。
あんなスライムみたいな生き物なんて普通はいない。これは夢なのだろうか。ちょっと手の甲をつねってみた。痛い。夢じゃない。きっと。
ここは日本のどこかじゃなくてゲームのような世界なのかもしれない。
なんて考えているとさっきのスライムが小ぶりのリンゴみたいな木の実を転がしながらこっちに寄って来る。
自分が転がりそうになってもリンゴにぶつかって動くのが可愛い。
スライムがぶつかって進むのが大変そうなのでスライムの方に行くと転がしているリンゴを私が持って聞いてみた。
「どこかに運ぶの?向こう?」私は自分の後ろの草むらを指差した。
するとスライムは横にプルプルと震えている。ふと思いついて
「もしかして私にくれるの。」と聞くと縦にプルプルと揺れた。
「縦揺れがハイで横揺れがイイエということ。」と聞くとスライムは縦に揺れた。私はスライムに話しかけた。
「ありがとう。もらっていいの。」ともう一度確認して聞くとスライムは縦に揺れた。私にリンゴをくれるらしい。やった。
「ありがとう。」もう一度言うとスライムが縦揺れして小さくジャンプして元来た方に行って縦揺れをする。もう少し進んでまた、縦揺れをする。
呼んでいるみたいと思って私は近くに行って聞いてみた。
「もしかしてついて来て欲しいの。」と聞くと少し大きく縦揺れした。
スライムについて行くとそこには先程もらったリンゴの木があった。
スライムがぴょんぴょんと跳ねて進んでリンゴの木にぶつかるとリンゴが落ちてコロコロと転がる。スライムはぴょんぴょんとリンゴに跳ねて進んでリンゴを包み込む。
リンゴを包み込みスライムの体の形が変わってちょっと長い耳みたいなのが2つぴょんって出ている。
「このスライム可愛いぴょんぴょんしてウサギみたい。ウサギといったらお兄ちゃんだ。カズー。」と私がお兄ちゃんを思い浮かべて言った。
するとぴょんぴょんしていたウサギみたいなスライムが光った。
「僕カズー。名前ありがとう。君は?」とスライムの意思みたいなのが私に伝わってきた。
「えっー。どういうこと。私このぴょんぴょんするスライムに名前を付けたのー?」
私は混乱してよくわからない。知らないうちにぴょんぴょんするスライム略してぴょんスラにカズーと名付けていたみたい。
「この赤いの美味しい。君もっと食べる?美味しいよ。」と私に伝えてぴょんぴょん跳ねてぴょんスラはリンゴの木にぶつかって行った。ぶつかるとリンゴが落ちてコロコロとリンゴが転がってきた。ぴょんスラが私に寄って来た。
「食べて。食べて。美味しいよ。」と伝えてきた。私は
「私ナナ。ありがとう。」と言ってリンゴを拾った。ぴょんスラは擦り寄って伝えてきた。
「僕の名前を呼んでよ。名前ができて嬉しいんだ。」私は言った。
「カズーありがとう。」ぴょんスラに名前呼びを催促されました。
私は持っていた鞄、通称サブバにリンゴを入れた。私もリンゴの木を揺らしてみた。このリンゴの木硬くて揺れない。少し後ろに下がって勢いよく木にぶつかる。
「痛い。この木硬い。」私は木に体ごとぶつかって当たった腕がかなり痛い。
「僕が赤いの落とすから大丈夫。僕あんまり痛く感じないんだ。」とぴょんスラは伝えてくるとぴょんぴょんと跳ねて木にぶつかることを何回もしてリンゴがたくさん転がっていた。私は痛くないぴょんスラに心配そうに言った。
「本当に痛くないの。ごめんね。でもいっぱいありがとう。」と伝えてサブバにリンゴを拾って入れた。
このリンゴの木の周りにさっきから他のスライムも来ないし安全そう。今日はここで過ごして今後の事を考えたい。
はじめまして岩城です(*´ω`*)
読んでくださりありがとうございます♪
家族でほのぼのやっていきますので、どうぞよろしくお願いします(^^)/~~
他にも書いている作品があるので、そちらもぜひ!(宣伝)
作品裏話☆彡
この作品の中には家族をモデルにしているキャラがいたり…?
これからどんどん賑やかになっていきますのでお楽しみに(*´∀`)♪