目を瞑る
目をすこし逸らしただけで
君は二本の足で立ち上がり
よたよた歩くようになった
ちょっと瞬きをしただけで
君は制服に着られながら
小難しい勉強をするようになった
ふと、目を瞑っただけで
君はスーツを着て
堂々胸を張って歩き
お金を稼ぐようになった
目を閉じて
開くたびに
君は大きくなり
遠のいてゆく
次に瞑った目を開く頃には
君にも妻が
子供が
家族が
できるのだろうか
そうすれば
きっと分かるだろう
私の驚き
喜び
切なさ
書ききれない、思い全てが
私が最後に目を瞑る時
君は一体
何処にいるのだろう