歴史
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クローネという単位がある。私はこれはチョコレートクロワッサンのことかと思っていたが近年になってデンマークの通貨単位であることを知った。ドイツマルク、スイスフランに続いて単位というものはいつだって決まって何か歴史を感じさせるものであることは間違いなかったようであったのだった。私はイギリスのポンドがなにか重みを感じさせるのに対して、フランスのフランは軽さを感じさせるのがたのしく感じられた。私はルーブルというロシアの通貨単位は美しいと想って何故ルーブル美術館と同じ名前であるのか怪った。しかし貨幣にはその国の伝統が蓄積されているので、余計な詮索は辞めて只美しさを楽しめば良いと割り切っていたのであった。
デンマーク・クローネもこの様に文化と深いつながりがあるのかと思ってみたりした。ハムレットはデンマークの王子であるので、クローネとなにか関係があるのかと想っていると、かのハムレットの友人のホレイショーのことを想い出した。ホレイショーはバカな空回りを演じる役であった。父王に対しハムレットは愛と不甲斐なさの、アンビバレント、矛盾を抱えていた。そこにオフィーリアがしゃしゃり出てきてハムレットに近すぎず遠すぎずのアホな関係を演じたので悩めるデンマーク皇太子は発狂しそうになった。私はそのハムレットの転末に触れて、シェイクスピアは情がないと想ったものであった。バカな女は見別けられる。男はそうあるべきだ。デンマークは獅子の国と言われる。小さいが山椒は小粒でピリリと辛いような気高さを持った国だ。
その国の貨幣がクローネというのはおそらく、チョコクロワッサンのコロネという音が訛ってクローネとなったのではないかと私は思う。ポーランドの首都ワルシャワがナチスによって陥落した際コロネという音が海峡を越えて遥かデンマークにまで伝わり、国王がその言葉の持つ山椒式の雰囲気に呑まれて国の通貨単位をクローネとしたのではなかろうか。タイのバンコクやマレーシアシンガポールの貨幣はよく知らないが、同じ様に文化的伝統を一言で表したのが通貨単位というものではないだろうか。では吾が愛しき円はどうか。韓国のウォンはどうか。ペソは、私なら日本の通貨単位は、根というものにする。これは冗談である。韓国はタム。チリはデクイマナ。私はいつだって決まってアジアの歴史は冗談としか思えない。




