表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

歴史

作者: 安岡 憙弘
掲載日:2015/10/08

歴史

 クローネという単位がある。私はこれはチョコレートクロワッサンのことかと思っていたが近年になってデンマークの通貨単位であることを知った。ドイツマルク、スイスフランに続いて単位というものはいつだって決まって何か歴史を感じさせるものであることは間違いなかったようであったのだった。私はイギリスのポンドがなにか重みを感じさせるのに対して、フランスのフランは軽さを感じさせるのがたのしく感じられた。私はルーブルというロシアの通貨単位は美しいと想って何故ルーブル美術館と同じ名前であるのか怪った。しかし貨幣にはその国の伝統が蓄積されているので、余計な詮索は辞めて只美しさを楽しめば良いと割り切っていたのであった。

デンマーク・クローネもこの様に文化と深いつながりがあるのかと思ってみたりした。ハムレットはデンマークの王子であるので、クローネとなにか関係があるのかと想っていると、かのハムレットの友人のホレイショーのことを想い出した。ホレイショーはバカな空回りを演じる役であった。父王に対しハムレットは愛と不甲斐なさの、アンビバレント、矛盾を抱えていた。そこにオフィーリアがしゃしゃり出てきてハムレットに近すぎず遠すぎずのアホな関係を演じたので悩めるデンマーク皇太子は発狂しそうになった。私はそのハムレットの転末に触れて、シェイクスピアは情がないと想ったものであった。バカな女は見別けられる。男はそうあるべきだ。デンマークは獅子の国と言われる。小さいが山椒は小粒でピリリと辛いような気高さを持った国だ。

その国の貨幣がクローネというのはおそらく、チョコクロワッサンのコロネという音が訛ってクローネとなったのではないかと私は思う。ポーランドの首都ワルシャワがナチスによって陥落した際コロネという音が海峡を越えて遥かデンマークにまで伝わり、国王がその言葉の持つ山椒式の雰囲気に呑まれて国の通貨単位をクローネとしたのではなかろうか。タイのバンコクやマレーシアシンガポールの貨幣はよく知らないが、同じ様に文化的伝統を一言で表したのが通貨単位というものではないだろうか。では吾が愛しき円はどうか。韓国のウォンはどうか。ペソは、私なら日本の通貨単位は、コンというものにする。これは冗談である。韓国はタム。チリはデクイマナ。私はいつだって決まってアジアの歴史は冗談としか思えない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ