第17話 最終話
お昼美味しかった?あっそう。
カレーの匂いするね。
なに凹みだしてんの。
あっそうか。加齢じゃないって。
気にしてんの?めんどくさいなー。
ところで不思議だったんだけど
なんで毎回スーツなの。
休日出勤を装ってたって?
あー、迷惑かけてたんだね。
休日出勤の言葉が刺さるわー。
休日出勤なのに給料増えてないって
そりゃもめますよねー。
転職したらって言われてるの?
良かったじゃない家族に心配されて。
有給使いまくりの場合もあったかもだし、
結局一度も使わなかったんだよね。
浮気とかは疑われてないんでしょ?
そうだよねー、おっさんと、一緒に
週一過ごしたいって人、見てみたいわー。
さてと、まあ、区切りにするには良い時期かもね。
良かったねー、本採用の前の見習いで済んで。
そろそろ時間だね。
ごめんね漫画喫茶の代金、経費で落ちなくって。
領収書、出したんだけどね。
勤務実績のところで、空欄で居ない扱いに
なっちゃっててさー。
ホントごめんなさい。わたしだけ、なんか、
東京の東の交番の漫画、
バンバン読んじゃって楽しんで、ごめんなさい。
おっさんだけ努力させちゃったね。
うん、コスチュームの代金は資産の金額まで
届いてないから大丈夫。
税金上、あげてもいいって。
タンクトップとかシャツとかネクタイとか
記念にもらって。
えっ猫さんパーカーは使ってないから私のだよ。
あらたまって、言いたい事があるの。
真剣な話。
うん。今度こそ。気づいちゃったの。
気づいたのつい最近。
言える機会最後だからって思ったら
止まらないの。
マジ恥ずかしいからしっかり聞いて。
一度しか言わないんだからね。
何度も言わせないでね。
今度こそって何? リベンジ?
なにそれ、何喜んでんの?顔赤いよ。
言うね。深呼吸させて。ドキドキする。
告白って、こんな感じなのね。
何言っても受け入れてくれるって?
ありがとう。涙でちゃった。
思いきって言うよ。
2枚目のTシャツで神聖力足したやつ。
男物に神聖力足せば何もあの後、
女装すること無かったって。
うん。パーカー使わなければ最初もそう。
こちらも男物で良かったって。
だって後から気づいたの。
最近気づいたの。
なに絶望した顔してるの?
だから謝ってるじゃない。
大丈夫?あれ、倒れた。戻ってこーい。
・・・
良かったー。うん。もう後少しだから。
結局さー、なんか申し訳なくって。
おっさんに結局お金と時間を使わせて
漫画喫茶で意味ない女装させてただけって。
これだけ引っ張って、あまりに、
ひどすぎる内容で人に話せないじゃん。
あっ気づいた。そうだ、全部悪いやつのせいだ。
あいつらのせい。
全部は言わないで。
言いたいことがあるのってわかるよ。
私にだってあるもの。
今回、珍しく見習い終了の通知、紙で来たの。
上が書いたみたい。
うんありがとう。
おっさんのこと忘れないよ。
こんな楽な仕事ってなかったもの。
じゃあ、けじめだからしっかり言うね。
お仕事だから。こういうの大事なの。
私、戦の守巫女が最後に宣言する。
故合って、行き先が違っても、
この星の為に努力した事、永遠に記録する。
勇者見習い、、、、よ。
あれ、おっさんの名前ってなんだっけ。
あっ身バレ防止。
いやー
終わったって感じ?
えっ。空中にウインドウ?
唐突過ぎない?
例のステータスウインドウじゃないわよね。
初めてみる。なになにー。
「%#}#%^]~$$ 拒否に対する
執行プログラムが発動しました。
##%*^{ 解除には
下の分岐のボタンを押してください。」かー。
黒に赤文字、2箇所文字化けしてるわね。
————-
あれ、何この分岐って。
ボタンが2つ
ルートA 、ルートB、
私はとりあえず押す派。
[ルートA ]
「居たの」って何?
なにこれ。
おっさんにも見えてるの?
私達ここに居るって。
散々話して来たわよね。
『『自己申告だけ?』』
『『客観的に居た事を示した
証拠は』』って?
『『直接的な事象は?反応は?』』
くどいわねー
わかった。おっさんを召喚した
とこから、振り返って、
おさらいするね。
あれ?
・・・
漫画喫茶の後ろの小さな祠の前に
茶色くなったソフトクリームの
スプーンの袋が落ちている。
片方のくたびれた革靴を咥えた猫が歩いている。
猫は、革靴を置いて悲しそうに
ひと鳴きして落ちていた箱に入った。
猫が居るのか居ないのか、ここからではもう見えない。
バス停の横の横断歩道。 ガードレールの
横に萎れた花束、錆たコーヒーの缶
風雨にさられた古い片方の革靴がある。
誰かわからないけど
それぞれに、「ホントに居たの?」と
書かれた
顔を塗り潰された
写真が二枚、落ちている。
おしまい。
—————-
あれ、何この分岐って。
ボタンが2つ
ルートA 、ルートB、私はとりあえず押す派。
[ルートB]
漫画喫茶の後ろの小さな祠の前に
ソフトクリームのスプーンの袋が落ちている。
片方の革靴を咥えた猫が歩いている。
猫は革靴を咥えたまま走りだした。
どこに行ったかもう見えない。
バス停の横の横断歩道。
ガードレールの横に花束、
ジュース片方の革靴がある。
誰かわからないけど
一枚の二人の男女の笑顔の写真が落ちている。
おしまい。
————-
あれ、何この分岐って。
ボタンが2つ
ルートA ルートB
はっはーん。ポチ。
何騒いでんの。社会人でしよ。
怪しいの出て来たら、
右上のバッテンで
閉じるに決まってるでしょ。
『『バッテン、ポチしたら
ウインドウ消えた』』わよ。
ピコーンってなんの音かしら。
何よ、テンプレって
ルート選ばなくて良いのかって?
は?何言ってるの?完璧素敵仕事女子が
今時、こんな得体の知れないの押す訳ないでしょ
これダウンロードとかに繋がってて、
個人情報とかが、一発で抜かれて
アウトになるやつでしょ
あと、よくわかんないけど
『ユーザー情報消す』とか
『メモリー全部消されて、まっさらで再起動かかる』
とかって脅してくるやつ。
一応、上に確認しなくてもいいのかって?
そんなめんどくさい事する訳ないじゃない。
必要ならわーわー言って来るって
あ、システムとの接続切れた。。。
まっいっか。
だいたいねー
この私に未来を選ばせようなんて百万年早いのよ
おっさん、なに呆れた顔してんの。
焦ってなんか無いわよ。
だからー
だいたいねー、覚えてる?
『戦の守巫女』ってー
選ばずに自分で決めたの
これでも、私だって自分の人生や運命と戦ってるの。
おっさんも守ったでしょ。
感謝しなさいよ。
私の名前は巫女でしょ
お告げをする人よ
上のお告げ?知らないわよ。
『この先の未来とお告げは、私が決めるの』
『つづく』
物語は以上です。
ありがとうございました。




