クレートエンジン
いままで、気にもしてなかったガレージの隅にある木箱
急な存在感と期待で大きく見える。
埃まみれだが、バールで開けてみる。
ぎーぎっぎっ、ばこん!
えっほ、えほえほ!ホコリがすごい。
見えたのは銀色のインタークーラーと“レビック”と書いてある箱
そして、汚れないように透明な袋に入った封筒
バールを床に置き、革手を外す。
封筒の中に爺ちゃんの手紙が入ってる。
「リュウ、こいつを見てるってことはエンジン、逝ったんだな。
お前がくだらないことで無理しないのは解かってる。
“なにか”を守るためだったんだろ。
それでいいんだ。」
やばい、シンシアが隣にいるのに耐えられるだろうか。
一緒に読んでるシンシアも固まってる。
でも続きを読まないわけにいかない。
「もうしわけないが、これが最後のおかわりだ。
俺はな、こいつを直して、長く乗ってほしい。」
「じゃあな、シンシアを守れよ」
天井を見て、必死に耐える俺、シンシアを見れないが彼女も動かない。
が、シンシアが俺の手を握る。
俺も握り返す。
シンシアが涙目で俺をみた。
「お爺ちゃん、最後までやさしい」
「そうだな」
俺も涙目で返事する。
手紙を折りたたんで封筒に入れるシンシア
そして爺ちゃんの写真の前に置く
俺も写真の前に“ラッキーストライク”を置くとシンシアが、
「“3人”で今日もらったクッキーとパウンドケーキ食べましょう」
「それはいいな」
折りたたみのテーブルとパイプ椅子を出す。
「ちょっと待ってて、リュウはお湯沸かしといて」
シンシアが隣の自宅へ戻るがちょっとして帰ってきた。
「ケーキ切ってきたよ」
「おーありがとう」
「このお皿の分はお爺ちゃんのだから」
そう言ってシンシアは爺ちゃんの写真の前に置いた。
「リュウ、ランサー直そうね。私、手伝うから」
少し笑いながら言うシンシア
「ああ、もちろんだ」
俺も少し笑いながら答える。




