魔法論文
「大丈夫ですか?」
「大丈夫な訳ない」
3人にボコボコにされてボロボロになった俺はリナに回復してもらっていた。
あいつらは満足したのか3人でどこかへ出かけた。
アシュルは工房を作ると言って庭に行き、リーシャもそれについていった。
「あいつら…いつか仕返ししてやる」
「まぁまぁ…そういえばカイトさん1番強くないですか?」
「3人に仕掛けられたら勝てないってことだ、暴力で世界征服はできない、安心したか?」
「十分捌けてたと思いますよ、それに逃げるばかりで反撃しなかったじゃないですか」
それは反撃する余裕が無かっただけだ。
カトラスの聖剣カリバーン。刃のない大剣、自由に取り出せる撲殺専用の剣。
マヤの反。
なんか知らんが会得したと本人は言っている。
衝撃を任意の方向に受け流すことができる、が一度衝撃は受けなきゃいけないらしい。
ミヤはこれといって特殊な力は持っていない。
使う武器はトンファー、攻防自在の安定したスタイルで隙が無い、正直1番相手なしたく無い。
「ちなみに俺はアリシアに勝ったことは一度もない、今は勝てるかもしれないが」
「妹さんそんなに強いんですか?」
「未来予知が出来る」
「それは…魔法を超えてませんか?」
「時間に干渉する魔法は存在が確認されてないからなそうかもしれないな」
「ギルドの魔法研究会に所属しているんですけどいろんな理論が聞けて楽しいですよ、時間に干渉する魔法を研究している人もいますし」
一度論文を見たことがある。
理解はできなかったし、立証もされていなかったから軽く流していたが。
「魔法のプラスマイナスの性質とエネルギー蓄積による時間の歪みウンタラカンタラの論文なら閲覧したが意味がわからなかった」
「それです!カイトさん勉強もするんですね、理論はわからなくもないんですが、実行が不可能と言いますか…」
わかるのか。
アシュルは興味ないと言って読んですらくれなかったからいい機会だ。
「簡単に説明できるか?」
「そうですね…右を見ながら左を見てその状態を維持するで分かりますか?」
「さっぱりわからん」
「ええとじゃあ…魔法の融合ならどうですか?」
「そんなことできるのか?」
「同時に複数の魔法を使用することが出来ないので不可能だと思います、2人でやったとしても魔法の理論と解釈は人によって違うので融合は無理かと」
「もうちょい詳しく?」
「例えるなら火の壁がプラスの性質、氷の壁がマイナスの性質だとします。その二つを融合させ維持することができれば時間魔法に繋がる、そんな所ですね」
「実際できないのか?」
「論文が事実だとしてどれくらい難しいか試してみますか?」
俺は魔法が使えないができるのか?
「じゃあ…試してみるか」
「数字を思い浮かべてください」
「あ?ん?1だ」
「私は0を思い浮かべました、もう融合は無理ですね」
「そういうこと?」
「はい、火を想像してください」
俺は燭台に灯された火を想像した。
「私は焚き火の火を想像しました、薪が4つ、火の大きさは約30センチです、風がありほのかに揺れる火の揺れ方は言葉では説明できませんがイメージはあります」
「なるほどな、解釈の一致ってのは寸分の狂いもないものが求められると」
「はい、だからその人の理論は不可能だと思っています」
こう言った話をできる相手がいなかったからすごく嬉しい。
「ためになったよ、ありがとう」
「いえ、私も楽しかったです、今度一緒に魔法研究会に顔を出してみますか?リーシャも多分くると思いますよ」
「ぜひ頼む、何かのやつに立ちそうだからな」
「ちなみに私は魔法の発生速度について、使用魔力の削減、規模の効率化に興味があって研究しています」
「実用的だな、というかみんな研究とかするんだな」
「リーシャもしてますよ、魔法陣についてですがあまり詳しくはないです」
「機会があるば聞きたいな」
すっかり話し込んでしまった。
明日はダンジョンでリナとリーシャをパーティに加えて初の実戦をする予定だ。
今日は早めに寝るか…。




