巨大な幽霊の真正面で
キャラクター達&作者の最近のお悩み紹介コーナー
黒崎スダチ:街中でたまに男にナンパされること...ですかね。週2回くらいあります。肩幅とか、顔つきとか...よく女の子っぽいって言われるんです。
伊藤カヅタカ:幽霊って死んでも葬儀とかできないから相棒の供養があんまできねえんだよなあ。墓でも建ててやりたいんだが...。
黒崎コトノハ:もうすぐ健康診断だからさ...お酒控えないといけないのが辛い...。
市川アオイ:ハンターになったら高学歴高収入高身長のワイルドなイケメンがいると思ったのに...1ヶ月の訓練って何よ!
一条カオル:大学出て就職したのはいいんだけども...寮入って自由になれると思うんだけどふとしたときに実家に帰りたくなりそう...でも無理言って上京しちゃったし、合わせる顔が無いんだよなあ...。絶対父ちゃんに殴られるよ...。
望月コウタロウ:ストーリー展開が難しいよお...。読んでくれてる人がやっぱ評価とかレビューしたくなるような作品作るためにも、面白い展開作らないとだよなあ...。ストーリー全然進んでないもんなあ...。
ヘリコプターからの狙撃。さっき平山が呼んだ応援が来たのだ。ぬりかべの腕はどこかへ飛んでいったが、腕は少し経つうちに再生していた。しかし腕に攻撃が通るというのはありがたい事だろう。いくら体が硬くても腕をどんどん削って相手の霊気を削げば再生するうちに体を守る硬さも弱くなっていく。ただ、ライフルは装填に時間がかかる。遠距離からの一方的な攻撃は望めないだろう。こちらが近距離でヤツを攻撃していくしかない。今のこちら3人の手持ちの武器は、槍2本、刀3丁のみ。腕を破壊するなら刀だろうが、間合いを詰めれば相手の腕の餌食。槍なら間合いをとりながら確実に攻撃はできるだろうが、大きな腕へのダメージはあまり期待できない。"アレ"を使うか...?いや、ダメだ。使えば確実にあのぬりかべを殺せるだろうが、周囲の安全を保証できない以上、後で上が許可しない。1度唾を飲み込み、僕は刀を1丁手に取り、倒れているバスの陰から姿を見せる。「やめろ!刀じゃすぐにやられる!さっき見てて分かっただろ!」
一条が僕を止める。平山が丁度また槍で応戦しているところだ。あの様子じゃジリ貧でやられる。ヘリコプターからは狙撃が続くが、やはり体にダメージは通らないし、平山に当たる可能性がある以上乱発はできない。僕は鞘から刀を抜き、ぬりかべの方へと走っていく。まずは平山に攻撃を繰り出そうとしている右手から、ぬりかべの足元で高く跳び上がりそのまま右腕を両断。やはり腕の方が格段に脆い。着地した直後、左腕が僕に襲いかかる。平山が左腕を槍で下から突き、攻撃は上に逸れて僕に当たらない。僕と平山は思わずお互いを向き合い、同時に頷き合った。お互いがお互いをかばい会い、相手にできた隙に攻撃をして更に隙を作り削っていく。これなら倒せる。しばらく攻防が続き、5分程経った頃、一条が刀、市川が槍を持ち前に出てきた。相手がかなり削られているのを見て、こちらの疲労を案じたのか、素早く倒すために来たのだろう。
「スイッチ!」
一条の合図で、前後を交代し、一条と市川が先ほどの僕たちの動きをする。平山は少し距離を取り、前2人の攻撃で両腕が切断され、再生する隙に、助走をつけ跳び上がり、体重をのせた一撃をヤツの顔面に見舞う。
「馬鹿な!?」
しかし、一番長く戦っていたせいか、平山の槍は砕け、空中で大きな隙を晒してしまう。ヤツが宙に浮く。そして体を前に倒して、避けられる僕らを無視する如く、身動きの取れない平山1人を巨体で潰した。僕の顔に、血の飛沫が飛んでくる。ヤツの起き上がる隙に、ヘリコプターのハンターがライフルで腕を撃ち抜く。事はかなわず、スナイパーの焦りのせいか、弾丸はアスファルトに埋め込まれた。絶望的。パワーバランスが崩れた。4人でなら確実にダメージを与えられるというのが僕の計算だったが、3人とスナイパーでは、疲弊していけば先にこちらがやられるだろう。市川と一条はぬりかべの背中側に回避し、ヤツにダメージを望めるのは僕とスナイパーだけ。スナイパーがライフルの装填に気を取られていて、ヘリコプターの操縦士も焦りが見える。それをヤツは見透かしたように、今までにない腕の伸びで、ヘリコプターは手のひらに掴まれ、地面に叩きつけられた。ヘリコプターのエンジンから爆炎と煙が上がる。これで残ったのは遂に僕ら3人だけ。最後の足掻きをするように、僕はたった1人で腕への攻撃を続け、武器が折れても槍を使う。遂にその槍も折れ、ここにあった全ての武器はもう使えない。詰みだ。僕はヤツの目の前に立ち尽くし、大きな手に握られる。ヤツは勝ち誇ったように僕を握った手を大きく振り上げ、その瞬間僕は、死なないにも関わらず、死を悟った。そのまま先ほどのヘリコプターのように叩きつけ...、られることはなく、僕を握っていた腕は破壊されていた。僕の右手には、3ヶ月前成人式で大量の人の命を奪った鎌が握られていた。無意識に、しかし確実に僕の意思で、僕の死にたくないという思いが鎌を、僕の体を動かしていた。ヤツがすかさず左腕を振るも、こちらの鎌一振で腕は破壊される。成人式の日のあの時は、気持ち悪さを感じていて、使っていいと言われても中々使う気には無かったが、今は頼もしさを感じている。ヤツは怯えたような顔を見せ、素早く再生を繰り返しながら腕で攻撃するが、今までよりはるかに雑で、破壊は容易だ。僕が鎌を右手に構えながらヤツに歩いて近づくと、ヤツは後退りをする。巨体は歩くのには不便なのか、ほとんど動けていない。遂にその巨体は僕の目の前にある。僕は鎌を下から両手で構えなおし、跳びながら振り上げ、巨体は切り裂かれ、真っ二つになった。死んだ幽霊の霊気が、血のように大きな飛沫をあげ体は消滅していく。僕はただそれを眺めていたが、向こう側の2人は僕に視線を向けていた。
「あなた...、その鎌は...。」
「その鎌...、今年の成人式の日に、大量虐殺をした幽霊が持っていた鎌だ...。なんでお前が...?」
「ああ。報道ではそういう風になってましたっけ。」
2人が唾を飲み込み、僕は顔についた血を上着の袖で拭き取る。
「僕がその、幽霊と報じられた人間、いや、"死神"ですよ。まあ、何らかの力で体操られてああなったんですがね。」
突然に死神という言葉が頭に浮かんだ。ヘリコプターの炎を背後に、僕は鎌をしまい、夕空を見上げた。
「この事、他の人には内緒ですよ。僕がそうだってこと。」
「わ、分かった。言わない。」
言葉に嘘は見られない。まあ信用していいだろう。そしてしばらくして、道路から車での応援が駆けつけた。僕らは保護され、2人は寮に、僕はコトノハの所へ行った。
「災難だったね。大型の仮想幽霊に襲われるなんて。どうやって倒したの?」
「...使った。」
「ごめん、なんて?」
「鎌...、使いました。」
「それで...、鎌では誰も死んでないの?」
「うん。多分ですけど、鎌を使ってもまた操られるとかはないと思います。」
「1歩進展だね。君の事は...、まだ全然分かんないけど。その力が人の為に使えるなら、今日人を助けられなかったとしても、明日助けられる。そう思ってね。まあ、新入社員100人と幹部1人居なくなっちゃったのはキツいね。頑張ってよ。100人分さ。」
「100人...ね。ちょっと無理しないとですかね。」
もうしばらくコトノハと話し、僕は寮に戻る。
「うわ、お前ら部屋隣かよ。」
「あ、一条さん。怪我とか平気ですか?」
"うわ"って言ったよな...。
「私のが嫌なんですけど。なんで同期が男2人だけなのよ。マジで最悪。」
「黒崎部屋きれいだなあ。今日ここで飯食おうぜ。」
「人の部屋勝手に覗かないでください。てか勝手に決めないでください。まあいいですけど。」
「何にする?私ウマウマー(人気デリバリーサービス)頼むけど、あんたには助けてもらったし、私金あるから今日は奢るわ。」
「マジで?市川最高!」
「何喜んでんだよ一条、あんたは金払え。今日あんた私らに何したか覚えてねえのか。」
「アッハハ、いやあれはサーセン。許して!黒崎!」
「いやもういいじゃないですか。あのでかいのも一条さんたち居なきゃ倒せなかったんですし。僕ハンバーガーがいいです。」
「あー、丁度肉食いたい気分だったし良いわね。バーガークイーンで良いわよね。」
「「意義なーし。」」
こうして、長い4月1日が終わった。翌日に改めて上層部から僕たちに今後の説明があり、GWまでここの訓練施設で3人揃ってカヅタカに訓練をしてもらうということになった。そしてGWも終わり5月7日、新たな死神の伝説が始まる。
氏名:平山ユキオ
生年月日:1988年3月28日
身長:173.4cm
体重:74kg
好きなもの:一昔前のロボットアニメ
苦手なもの:ジェネレーションギャップというものが他人事じゃなくなってきている事実




