死神のいる世界で
ついに主人公が登場します。1話にネームドすらいないのはごめんって。
2001年元日の惨劇、通称「GP21」から24年。2025年1月。幽霊の存在こそ忘れられてはいないものの、国家までをも揺るがすような脅威とは感じられていなかった。本来幽霊は幽霊にしか倒せないが、幽霊の力を人間のが使える特殊な武具や装備が開発され、訓練をすれば誰でも幽霊に対抗できる時代となった。ゴーストハンターは公務員として1職業となり、幽霊に対し人間側は友好的な幽霊のおかげで力を増していった。誰もが幽霊が出現することを、火事と同じ程度にしか思っていた。
だがそんな日常も、24年前を思い出させる、いや、それ以上の惨劇が幕を開ける。
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2025/1/11 東京某所 成人式会場
「久しぶりー!」「うお、バッチリキメてんねー」「えーその振り袖ちょーかわいい」「こっちで写真撮ろー」
成人式の集まりが人をはしゃぎさせる。24年前の惨劇を親や教師での話にしか聞いていない人間たち。そのうちほとんどが幽霊を実際には見たことがない。そんなことは関係ない。言ってしまえば、彼らは全員生きて帰れないのだから。そして幽霊を見たことがないものは生きる間に幽霊を見ていない者となるのだから。
式も終わり、人々がかつての友人たちと思い出に浸っている最中、すぐ近くの高層ビルの屋上から、黒い人影が落ちている。すぐに気がついた人らが受け止めようとするも、落下の勢いで潰されてしまうと言われ止められる。そんなことをしているうちに、人影は地面に激突する。地面のコンクリートは衝撃で砕け、土ぼこりが舞う。
「救急車!救急車をよべ!」「助かってるわけね/」
土ぼこりの中、喋っていた近くの人間が突然黙る。「...?なんだこれ、急に顔/」
人々が次々と黙っていく。土ぼこりが少しずつ消えていく。薄くなった土ぼこりに見える多くの人の影。そのうち全部が次々と真っ二つになり血を噴射して倒れていく。足元を見れば、目の前には屍という屍。そして間もなく自分もその屍となる。ついにすべての土ぼこりが消え、何が起きたのかが分かる。そこには、地面に激突してグチャグチャになるはずの黒い人影、真っ黒のローブを纏った160cmくらいの小さな得体の知れない者が、軽快に跳び回りながら大鎌を振るい周囲の人間を貫き切付けなぎ倒している。様子を見ていた遠くの人間がすぐに警察に通報。ゴーストハンターを出動させた。しばらくして20人程の人間のハンターと数人の幽霊のハンターが到着。その時には周辺の人間は全員地面に伏して死んでいた。足の踏み場はないどころか屍で地面そのものを形成している。逃げる者か、はたまたそこにたたずんでいる黒ローブのヤツか。踏まれつぶされ見るも無惨な形である。刀や槍をかまえヤツに近づくハンターたち。少し離れたところに、ライフルをかまえた者もいる。最近の幽霊についての研究では、知能の高い幽霊ほど人に近い姿をしているという。ヤツの姿はもはや人間そのもの。真っ黒で長い髪のせいで顔はほとんど見えない。ローブはボロボロで中に着ているような物も穴だらけ。血で汚れている。取り囲まれたヤツは抵抗する様子はない。最前列のハンターがだんだんと距離を詰めていく。
「武器を捨てろ!降伏するんだ!」
呼び掛けるとヤツは声を発したハンターの方へ少しだけ顔を向ける。顔を隠している髪の間から少し顔が見える。肌は透き通るほど白く、ツヤがある。無表情で不気味。瞳は赤くハンターたちは自分の事が全て見透かされているような気分になる。ハンター達全員が一斉に唾を呑んだ瞬間、前列のハンターほとんどが瞬く間に首を飛ばされていた。次いで後列のハンター達。ライフルで応戦するも何発か当たるだけで止まらない。後列全員がやられた。残ったのは人間のハンターと幽霊のハンター1人ずつ。この集団では精鋭の2人。大鎌の斬激を食らわないため素早く距離を詰める。片方が鎌を受け、その間にもう片方が攻撃を入れる。その繰り返しでダメージを与える。だが深い傷にはならない。ヤツが後退する。距離をとられた。低い姿勢でかまえている。大技がくる。突進攻撃。間一髪で鎌を刀で弾き隙ができた。2人がすかさず猛攻を入れる。胴を真っ二つ。仰向けで倒れた。よし、これで消滅する。2人は深く息を吐いた。ヤツは動かない。2人とも1度ヤツの状態を確認して、車まで戻ろうとする。背を向けてしばらく歩いたら、突然人間のハンターの横に血飛沫。幽霊のハンターが頭を貫かれやられた。幽霊でも人間の致命傷レベルの傷をあたれられればまず消滅する。あり得ない。切り落とした下半身が再生している。ヤツが鎌を抜こうとしたその時、最後の抵抗で幽霊のハンターは両手で鎌の刃を握り抑える。そうしてできた隙に彼は刀でヤツの頭部をズタズタに切り刻んだ。ヤツは今度こそ動きを止めた。だが消滅しない。消滅するのは幽霊のハンターの体だけだ。彼らは仲のいいバディだった。
「早く...コイツを...拘束しろ...」
幽霊のハンターの最後の言葉だった。彼は友人の消滅を最後まで見届けることなく、車から拘束具を持ってきてヤツ......
いや、僕の体を拘束。再生する頭をよそに気を失った僕をハンター管轄本部まで持っていった。
はい。ということで主人公はこの成人式荒らし君です。どうでしたか次回からメインストーリーなので更新したら読んであげてください。不定期ですけど。




