午後の紅茶 ベッドフォード公爵婦人
悪役令嬢の舞台となる中世の豪華絢爛な貴族社会。
その一つ、実家にある公爵ゆかりのペンダントを飾りながら執筆したのを思い出しエッセイにてご紹介。午後の紅茶のルーツの公爵家ですよ!
みなさんが時々目にする美味しい紅茶、『午後の紅茶』ってあるじゃないですか?
このブランド品のルーツを、悪役令嬢の物語を書いた際に、私は頭の中に置いていました。それは何か、自宅で所蔵しているペンダントです(下部に画像)。これは1860年~1890年ごろの作品です。ケースには羊とケセラセラの文字が金無垢のプレートに刻まれています。ケセラセラというのは「何とかなるさ」という意味だそうです。
元々の所有者は、ベッドフォード公爵家の子息女だったと思われます。化粧箱と共に自宅の倉庫にありました。初めて手に取った時は「ケセラセラってよく聞くけど何だったっけ?」という私の無知さ加減でしたね。
悪役令嬢を書くにあたって、当時の貴族の実物を飾って目の前で執筆をしていました。初めて書くのでイメージもイマイチですし、テンプレも知りませんでした。まぁそんな風に書いた物が公開後に結構なPV数を頂いて私も感激していました。
ベッドフォード公爵はラッセル家がメインになってから大きくなり、アンナ・マリア・ラッセル公爵婦人が始めた「午後に紅茶を飲みましょう」という社交界の楽しみが広がり、現在のペットボトルの『午後の紅茶』に繋がってきます。
まぁ、雑談ネタで使えるのですが、調べてみると知的好奇心が満たされるかもしれません。
↓ ベットフォード公爵ゆかりの家訓『ケセラセラ』が金無垢プレートに彫ってあるペンダント。公爵家象徴の羊もいます。たぶん、娘さんの持ち物だったと思われます(日用品の懐中時計なので)。貴族の紋章は勝手に真似して使うことが許されていません。管理する公的機関があります。我が家所蔵。
ルクルト製(現ジャガー・ルクルト)の特注品です。小さいのに機械は高品質、現在でもなお、正確な時を刻み続けています。100年以上経っているとは思えないほど金無垢の彫りが摩耗していません。
↓ 公爵家の紋章。一番上に羊がいます。
↓ ベットフォード公爵邸内部
↓午後の紅茶の一場面。悪役令嬢も楽しんでいたのでしょうか?
↓ 全く同じ羊さん(ラッセル家の家訓ケセラセラ)
ベットフォード公爵邸というのは観光地になっていまして広大な敷地に立派な建物が現存しています。そこにはメイドさんたちや公爵家騎士団などの別宅、豪華な紋章をあつらえた屋根、等々、是非ググって写真を眺めてみてください。令嬢モノや中世の異世界勇者ものが楽しくなること請け合いです。
公爵の上は王族しかいません。逆に言えば王族の誰かが独立して公爵や侯爵になります。悪役令嬢モノでも良く出てきますが、準王族である公爵家に対して気軽に話しかけたりはありえないのですね。ですから、通常の物語では侯爵の下の伯爵家がメインになります。
異世界スローライフなどでよく出てくる辺境伯(伯爵)という位は、特別に国境付近を守るという重要な地位なので、一つ上の侯爵相当の扱いになっています。武器も豊富にそろえることが可能な地位です。
ちなみに伯爵の下は子爵、そして男爵、準貴族として騎士爵があります。簡単にでも覚えておかれると令嬢モノも分かりやすくなります。あまりにも貴族が増えた国では、準男爵、準騎士爵という間を埋めるものもあります。新参だとまずは準男爵や準騎士爵位を拝命してから貴族の道を歩むんですね。
陛下、王太子、皇太子、殿下、猊下、閣下などの呼び方も厳格です。王様には子供が多いので次期王位継承権第一位の王子を特に王太子と呼びます。継承権第10位の王子様とかいらっしゃいますものね。現代でも普通に国会やメディアで、英国エリザベス女王陛下の崩御の際も使われていますので知識として押さえられておくと物語が楽しくなると思います。
短い解説ですが、こんなことを思い出しながら、実物のペンダントを飾りながら悪役令嬢四作を執筆したというお話でした。
小説を書き始めて6か月、色んな工夫をして、苦労をして今を迎えています。
今日からあなたも午後の紅茶を飲むときはベットフォード公爵夫人の事を思い出され、羊のケセラセラが頭から離れない事で人生の楽しみが増えるかもしれません。




