”恋に恋焦がれていた僕が好きになった女の子は?“
”恋に恋焦がれていた僕が好きになった女の子は?“
僕はクラスの女の子に恋をした。
凄く品があるお嬢様みたいな女の子。
黒い髪が長くキレイに風に靡いている姿に僕は恋をしたのだ。
スタイルも良くスラッとした手足に顔も凄く整っておりキレイな
顔をしている彼女。
特に僕は彼女の横顔が好きだ。
少し寂し気な顔で、授業中教室の外を眺めている彼女にキュンとする。
ただこういう女の子はめちゃめちゃモテるというか?
結構、僕以外にもたくさんライバルがいて、この恋を片想いで
終わらせたくない僕は、彼女の事を誰よりも知りたい感情が湧いてきて、
彼女の身の回りを調べ始める事にした。
・・・そうすると?
彼女の事が少しづつ分かるようになって、”この恋“を本当に実らせる
事に躊躇する。
【ドン!】
【イタタタタッ】
『”あのさ? 三上君って、私の事調べてない?“』
『えぇ!?』
『バレてるんだけど。』
『・・・ご、ごめん、』
『”ごめん“ って何の為に私の事、調べてるの?』
『”好きだから、僕は君が好きだから! 君の事を知りたいと思ったんだ!“』
『でもさ、これって? ストーカー行為だよ、もうやめてくれない?』
『・・・ううん、』
『”そんな事しなくても、私と仲良くしたいんでしょ? 仲良くしてもいいよ、
だからもうコソコソ私の事、調べないで!“』
『わ、分かったよ。』
『”約束だからね!“』
『うん。』
キッカケはどうあれ、僕はスキな彼女と仲良くなった。
ただ学校に居る間は、お互い話しかけないようにしする事が
条件だった。
確かに、”学校で彼女と仲良く話していたら? 周りの奴らから冷やかさ
れるだけだし、何にも僕らにとっていい事はないと思ったからだ。“
僕は彼女の言う通り、学校では仲良くする事なく、、、。
学校が終わった後に、二人で会う約束をして一緒に遊ぶ事が増えていく。
ただ彼女は僕が思っているような、”お嬢様みたいな女の子ではなく。“
積極的に何でも自分からする女の子だった。
僕はそんな彼女に引っ張られる形で着いていく。
『”三上君って、学校で見てる感じと本当に一緒なんだね。“』
『えぇ!? ひょっとして、ガッカリした?』
『そうじゃなくて、凄く良かった! 想ってた通りの人って感じで、
凄く付き合いやすいよ。』
『”そんな風に言われたの初めてだな。“』
『”私は学校での印象と随分違うでしょ!“』
『・・・ううん、』
『”ガッカリした?“』
『それはないよ、ガッカリなんかしてないよ!』
『良かった、三上君で、、、!』
『えぇ!?』
『私って、学校だと凄く物静かで話しかけづらいでしょ!』
『・・・まあ、そうだね、』
『だから、男の子と話すの苦手なんだ~!』
『そうなの?』
『うん!』
僕はあまり”表裏がないタイプ“だからあんまり分からなかったんだけど?
彼女は、”学校で見せる顔と今、僕に見せてる顔は随分と違うと感じる。“
そういう子も居るんだなと僕は思った。
僕と仲がいいクラスの男子も僕みたいなタイプだから気にならないというか?
なんでも隠さず相談や悪いところもズケズケ言うし、それが普通だと思って
いたから、彼女が学校では自分らしくいられてないんじゃないかと思って
いろいろ考えてしまった。
『”鳩部さんって、学校楽しい?“』
『何? なんでそんな事聞くの!』
『”い、いや? 楽しいのかなって、無理して学校で別の自分を作っているなら、
しんどいだろうなって。“』
『ああ~もう慣れたわ! だから無理してるって感じは私にはないのよ。』
『そうなんだ、それなら良かった。』
『”ひょっとして? 私の事、三上君心配してくれてた?“』
『・・・あぁ、ま、まあね、』
『ありがとう、凄く嬉しい! そんな風に心配してくれる人が私の周りには
居なかったから、本当に嬉しいわ。“』
『・・・じゃあ、良かった!』
『三上君と友達になって良かった!』
『”えぇ!? 友達なの?“』
『友達でしょ! ずっと私の友達でいてね!』
『・・・な、なんだよ、僕は鳩部さんと付き合たかったんだけどな。』
『”恋人はいつか別れて居なくなっちゃうかもしれないけど、友達ならずっと
一緒に居れるでしょ! 私は三上君にはずっと傍に居てほしいの。“』
『・・・ううん、』
『”納得してない顔してるよ!“』
『ごめん、今はまだ子供だしちゃんと理解できてないのかもしれない!』
『”いつか分かってくれればいいわ。“』
『・・・ううん。』
僕の”恋“は、始まる前から終わっていたのかもしれない。
でも? 彼女とは仲良くなったし、いつでも会える友達になった。
何でも話せる仲が良い一番の友達!
今の僕はそれでいいのかなと思う。
”僕は彼女に恋に恋焦がれていただけで、本当の彼女を僕は見てい
なかったような気がするから。“
勝手に僕が【彼女を美化】して見ていただけ。
本当の彼女は僕が想像していた女の子じゃなかったけど、
それ以上に凄く良かったと僕はそう想っている。
だからね? 今は僕は彼女の友達で十分だよ。
これからも末永く長く付き合える友達であればいいなと
僕はそんな風に思っているんだ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




