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三蔵島  作者: たま
7/25

謎の男

ヘリポートには三宅島から日帰り観光の団体が降りて

有名現代作家のモニュメントが5つくらいヘリポートを囲んでるので海をバックに皆撮影している。

淳と優は、お参りを済ませてそれを山の頂から眺める。

「淳ちゃんもあっちが良かったんとちゃう?」優が指さす。

「確かに!でも、何よりリラックスしたかったからね〜もう目的は済んだよ。」淳は笑う。

「ええ顔や。船で見かけた時は、この人海に飛び込みはるかも?と思ったけど。」やはり優は心配してたのだ。

船のデッキでしっかり腰を掴んでいたのは、急に海に飛び込むかも?と思われていたのだ。

思い詰めてるつもりは無かったが、病院で医師もすぐに診断書書いてくれたし、もし会社がそれでも休ませなかったら電話で医師が話すと言っていた。

かなり重症だったのかも?

優が歯に衣着しない話し方なので、思いっきり人の頭に爪立てたり首絞めたりしてたら…短パンでガードル履かないでも「だらしない、男誘ってる」とか陰口気にしなくても良い環境に居ると…

何だかスッキリした。

腹を感じないこの人柄が、淳には助かるようだ。

だが、目的がイマイチ分からない男だ。

民宿の人には島の宣伝に来たみたいに話してたが、どっちかと言うと探ってる?調べてるような気がする。

まあ、だから民宿のおじさんも警戒して機材を取り上げたのかもしれない。

島に着いたら、また山のような電話やメールが履歴に着いたが、

「知るか!自分らの美術館だろ!何とかしろよ!」と相変わらずガン無視した。


今、1番身近な男が何者かが分からない…

部屋に戻るといの一番に動画を漁る。

優に教えてもらった名前でVチューバーを探す。

ビックリした。

歌って踊ってるのだ。確かに声は優だが、キラキラの金髪のロン毛の…オスカルみたいな美麗な騎士だった。

黒髪黒目のど日本人だし、ど陰キャな前髪だけ鬱陶しい怪しいお兄さんだぞ!

あまりの現実との隔たりに唖然とした。

船で彼が活動を説明する時照れていたのは、このせいかと納得した。

身バレした時、これは嫌だろうなあ〜と思う。

プリクラの盛り機能どころの騒ぎじゃない!

全くの別人なんだから。

「今時の若者の流行りはスゴいわ。もう私にはついていけない…」と呟きながら頓挫しかけた。

と、その時雑談動画でそのキラキラ騎士は友人の画家が自殺した話をしだした。

騎士の祖国で学友だった画家が、とあるアーティスト村へ移住し絵描きをしていたが、騎士に「ゴメン」と遺言を残して海に身投げして亡くなったのだと。

これだ!と気付いた。

イヤホンしてるので見てる事は隣の部屋にバレてないと思う。

三蔵島にアーティスト村があるかどうか?

ネットで探した。

この民宿のちょうど反対側に絵描き村があった!

アートの島として売り出した頃にその絵描き村もリゾート会社主催で起こされていた。

若手の無名作家達に無償でアトリエを提供する村だ。

だが、定期的に個展が開催されるはずだが、イベントはインスタグラムでも全然流れてない。

まず、このアート島に絵描き村が存在する事がインスタグラムでも全く知られてないのだ。

インスタグラマーでその村に触れてる人は1人も居なかった。

ただ役所のホームページで常時募集が掛かってるのみだ。


優が離岸して揺れる船の上で、どうしても淳を船べりから引き剥がそうとしたのは亡くなった友達が重なったからかもしれない。

走る船から飛ばれたら夜の海で探すのも難航する。

多分助からない。

優はそんなことを想像していたのかも?

考えるとババアと言おうが年増と言われようが、「良い奴じゃないか?」と思えてきた。

爪に血が付いてるから確実に頭皮を掻きむしってるが。


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