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三蔵島  作者: たま
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御神さま

どうもこのVチューバーは、この島のしきたりや因習を調べに来たようだ。

Vチューバーとはインフルエンサーの側面も持つらしく、彼らが取り上げると若い人がドッと集まるようだ。

「東京なのにイルカと触れ合えてアートも楽しめるとなると、一大観光地になる要素しかあらへん。

熱海みたいになるかもしれへんやろ?」メモりながら優が浮き浮きしてる。

この三蔵島は東京都なのだ。

だが、なげかイルカ達が島の周りに定住し、その数は100頭と推測されてる。

つまり島民300人にイルカ100頭の島なのだ。

島民は御神さまもイルカも大事にしてて、触らない眺めるだけとか細かく決まり事を決めてる。

イルカもそんな島だから、もっと南の八丈島でも三宅島、神津島でもなく、この三蔵島に定住してるのかもしれない。

少しおばあちゃんの顔がくもる。

「若い子に来ては欲しいけどね〜

この島の良さは残して行きたいんよ。」そう言い残しておばあちゃんは階下に降りていった。


「さあ、御神さまに挨拶行こう!」優が変なバンドを身体中に装着してカメラを淳に渡してきた。

「何これ?」淳が優の身体に付けたバンドを指差す。

「モコピやよ。モーションキャプチャーシステム。

これで撮影した画像だとVチューバーの皮が動かせるんよ。」と言いながら機材の入ったバッグを淳の身体にたすき掛けしてくる。

「なんで私が荷物持ちなのよ?」淳が文句を言う。

「そうしないと動きが変に映るから〜荷物は映らへんからね。」モコピを付けた姿でスタスタと民宿の玄関へ行く。

「オイッ!ちょっと!」と淳が追いかけると、

「カメラで撮りながら後ろ付いてきて〜」と優が言いながら先に進む。

仕事で手抜きできない体質の淳は、ブツブツ言いながら優を撮影しながら後を追った。

優はもう1台の小さなカメラで手元や前方を話しながら撮影してる。

その映像に後から淳の撮ってる映像をインサートさせてVチューバーが自ら現場で撮影した感じを演出するのだろう。

「Vログ」と呼ばれる分野でまだまだやってる人か少ないジャンルだ。

民宿前の道を山の方へ歩く優を後ろから撮影する淳。

しかし、民宿のおじさんがえらい勢いで走ってきた。


「やっと撮影らしき撮影始まった所やのに〜

まだ結局、船乗った所と船内の部屋しか撮影してないよ〜」優がブツブツ言う。

「この島の神様が暮らしてる所なんだからさ。

島の許可取りしないで撮影は無理だよ〜

許可貰って撮影してると思った。」淳が苦笑する。

「神社は公共のはずやで。今まで撮影許可とか言われへんかったけど。」優がむくれる。

「それは一般の場合だよ。

ココは特殊さ故に今まで開発が遅れた島なんだから〜」淳は優が怒られたのが面白くて脇腹を肘でクイクイしながら並んで山道を登る。

機材は没収されたので身軽だ。

携帯で写メるのは許された。

「あ〜あ、良い映像撮れると思ったのになあ〜」優がガッカリしてる。

「携帯でいっぱい撮ってあげるから!

後でガワは合成しなあ〜」と言いながら自分の携帯で優をパシャパシャ撮った。

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