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三蔵島  作者: たま
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コンセプト

一応「設定」があるらしい。

「う〜ん、つまりコリン星みたいな事?」淳が無邪気に聞く。

「あのさ〜こうやって一般人に話すと自分がかなり変な奴やと自覚するから、やめて!刺すの!」優がへこむ。

どうしょう…可愛い!

男性を可愛いとか思ったことなかったが。

「ごめんね。身元隠せるしネット世界なんて怖いから

それくらいで良いと思うよ。」言いながら笑いがこみ上げてくる。

今時の若い人の流行りが分かって勉強になる。

「それより淳ちゃんの仕事は、どうなの?」もう見送りが終わり太平洋に出たデッキに人はまばらになった。

空を見上げる。

「もっと星空見えると思ったけど、甲板明るいから見えないね〜」

淳は仕事場を思い出す。

館長を筆頭に誰も学芸員資格持ってない。

美術館は学芸員がいないと美術館や博物館と名乗れないのだ。

コネ入社の子も大学中退組が多くて誰も学芸員取ってない。皆、淳に対外的な仕事を振ってくる。

都会はそんな半端な人だと生き残れないが、田舎は実家がしっかりしてれば、適当に生きれるのだ。

田舎の金持ちが趣味で集めた刀剣や壺を並べてあるだけの美術館だ。

ただし、現館長のお祖父様の骨董品なのでそれ相応の価値がある、見る人が見ると良いものなのだ。

世界のロックスターなどが図録を頼りに見に来たりする。

田舎だから淳も学芸員の仕事できてるのだ。

国立や市立美術館では欠員がなかなか出なくて10年待ちが当たり前だ。

「壺も嫌いじゃないんだけどね〜刀剣も。

出来れば、有名画家さんの絵も取り扱いたいなあ〜」

淳は言いながら、まだ自分が仕事に意欲を持ってることに気付く。

でも、本当に学芸員を定着させて欲しい!

セクハラしないで育てて欲しい。

愚痴も聞いてあげるんだが、淳にはしない目撃しないので助けられないのだ。

話だけ聞いて注意しても「もう女じゃないからって、やっかまない!」とジジイに一笑される。

田舎じゃ通用するからタチが悪いのだ。

まだ30なのに、なんで倍以上あるクソジジイ共におばちゃん扱いされるのか?

「田舎って、そういうのがイヤなんだよね〜」

と優の顔を見るが、東京で一線で働いてる彼には分からない話だ。

コンプライアンスにも所属事務所がうるさいらしく教育が徹底してる。

「でも田舎って言っても関東なんでしょ?」関西出身の彼から見たら関東は一括りなのだ。

が、違う!

着信に溜まってる電話はブッチしてる。

どうせ外部とのやり取りが、現場のジジイとコネ入社の子じゃ分からないのだ。

「知るか!学芸員をちゃんと育てろよ!ボケカス!」

真っ暗な海に叫んだ。

「おっ、イイね!本音は海に叫んで解消するのが1番や!吐け吐け〜」ずっと心配そうに見てた優がやっと安心したようだ。

『そんなにストレス抱えた顔してたのかな?私?』

「優くんも吐いちゃえば?旅の恥はかき捨てと言うし。」優にも勧める。

「おっ、イイね!じゃあ〜」とリスナーや会社へのグチを叫んだ。

「おっ、もう12時や!寝よ寝よ〜

明日は6時には着くらしいしな。」慌てて機材をまとめて席を立つ。

船内に入ると同じように上へ行く。付いてきてるわけではないようだ。

「ねえ、もしかして特等室にした?」優に聞く。

「うん、船の一般室はプライベート無いって言うから

ベッド2つも要らないけど…奮発した。」とうとう客室の最上階に向かい合う特等室の前へ。

「2人一緒なら1室で良かったのになあ〜もったいないな。」優が笑ったが、淳は素面になる。

「なんで軽口でそんなにキツい顔すんの?

冗談の分からんやっちゃなあ〜」優に文句を言われたが、セクハラ三昧から来た淳には全然面白くない。

「じゃ、どの島で降りるのか知らないけど、さようなら」と2度と会うことないだろうと手を降って部屋に入った。


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