2/2
第一話:誕生
「おぎゃあ、おぎゃあ...」
かわいい赤ちゃんの声...
ん、でもこんなに近いってことは、もしかして私の声?
試しに口を閉じてみる。
うーん、間違いなく私の声のようです。
神様ったらいきなり赤ちゃんスタートで私を送り込んだようです。
もう少し説明してほしかったのですがお忙しい方ですから仕方ありません。
一応、不自然にならないように泣き続けながら、周りを見てみるとかわいいメイド服を着たメイドさんが駆け寄ってくるのが見えました。
「お嬢様、遅くなって申し訳ございません。」
優しく抱き上げてくれたメイドさんにまずは手を出してニッコリごあいさつ。
「ああ、なんて天使のよう...」
目を潤ませたメイドさんにキュッと抱きしめられる。
うっ、早くも見破られそうになるとは。これは危険です。
ちょっと全開天使スマイルは強力過ぎだったようなのでパワーを少し控えめに落とします。
メイドさんがいるってことは、それなりに裕福なお家に生まれたってことでしょうか?