98.ドロケイ
俺はなぜか学び舎にいた。
「はぁー。こいつら」
疾風の斧と雷虎の拳とゾーイが学び舎のダイニングで寝ていた。
授業を受けにきたみんなが学び舎に着くと、このような状態になっていたため、どうしていいかわからなく僕を呼びにきたらしい。
「カシム、厩舎からシモンとシモン軍を連れてきて。アカ・アオ・キー・ドリーの誰かがいたらその子も」
「わかった!」
「他のみんなは庭に出て、自主練ね。怪我しないように!俺はこのダメな大人達に罰を与えるから」
「「「「はーい!」」」」
カシムがシモンとシモン軍とアカ・アオを連れてきた。
「シモン達、ゾーイ以外の人を糸でぐるぐる巻にして。ヒューズさんとガッツさんは力強いから念入りにね」
チチチチチチチチチチ!
「アカとアオはぐるぐる巻にした人を外に運んで」
「「ワカッター」」
シモン達が糸でぐるぐる巻きにしても起きないバカ冒険者達。
アカ・アオが担いで外に連れて行く。
「小屋作成!カスタマイズ!」
俺は太いT字の支柱だけを立てた。
「シモン達、起こさないようにぶら下げておいて」
チチチチチチチチチチ!
T字の支柱にぶら下げられ、でかいミノムシのようなものが6つできてた。
「シモン隊とアカ・アオありがとう。シモンだけ残って。馬鹿達が起きたら教えて」
チチチチチチチチチチ!!!
シモン隊とアカとアオは帰って行った。
「ゴーレはアイザックさんの方に行ってるだろうから、俺がみんなの授業をやるか」
俺はみんなの元へ行った。
「今日は追いかけっこをやろう。庭のあのバカな大人がいないところ全部使っていいよ」
「「「「はい!」」」」
俺はみんなに鬼ごっこのルールを説明した。
「最初はカシムが追いかける人ね。よーい、はじめ!」
弟子達は、追いかけっこを始めた。
すると、俺の元に起きたゾーイが来た。
「ライル様!申し訳ございませんでした!」
「ゾーイ、今度から気をつけてね」
「は、はい」
「じゃあ、ゾーイも追いかけっこ参加で許してあげる」
「え?り、了解致しました」
「みんな、ゾーイも一緒にやるって」
「「「「「わかったーー!」」」」」
ゾーイは子供達の元に走り出した。
「ライル様」
振り返るとセフィーナさんとルーシーがいた。
「セフィーナさんをお連れ致しました」
「ありがとうルーシー。おはようセフィーナさん」
「おはようございます。ライル様。申し訳ございません。アイザック兄様がまだ寝てしまっていて」
セフィーナが俺に頭を下げた。
「大丈夫だよ、気にしないで。セフィーナさんも追いかけっこする?」
「追いかけっこですか?」
「授業の一環で身体を動かす練習みたいなものなんだけど、その服装じゃ難しいか」
「やってみたいです。でもこれでは走れませんわ」
「服作ります?」
「はい?」
「シモン、ごめん。家に戻ってキリーと一緒にセフィーナさんの服作ってもらえる?」
チチチチチチチチチチ!
シモンは家に向かって行った。先に行って準備をしてくれるんだろう。
「ルーシー、セフィーナさんをうちの3階に案内して。ついでにルーシーも服を作ってもらいな」
「了解致しました。ライル様、1つお伺いしたいことが」
「ん?」
「あそこで追いかけっこをしているゾーイと吊るされてる冒険者は一体」
「授業で子供達が来るのに、酔っ払って寝てしまったらだめだよね?一応罰かな?」
「なるほど。私も気を引き締めます」
「よろしくね」
ルーシーとセフィーナさんはうちに向かって行った。
▽ ▽ ▽
数分後、ルーシーとセフィーナさんとシモンが戻ってきた。
セフィーナさんとルーシーは、シモン布黒で使ったズボンとシモン布白で作ったTシャツのようなものを着ている。
「セフィーナさんも参加するから、ルーシーも参加する?」
「はい。身体を動かすのは得意です!」
「わかった」
追いかけっこの様子を見てみると、ゾーイがバテ始めていた。
「みんな!この2人も参加するよ。あとルールを変えます」
俺はみんなにドロケイのやり方を教えた。
牢屋の場所を決めて、ゾーイを追いかける人にした。
「ゾーイ、全員捕まえないと今後ビールは一生禁止ね」
「えっ!本当ですか?」
「頑張って全員捕まえようね」
「は、はい!がんばります」
ゾーイへの罰はこれでいいだろう。
「では、よーい始め!!」
▽ ▽ ▽
昼前になった。
ゾーイは捕まえては逃げられを繰り返して、全然終わらなかった。
「終わらなそうだから、ジョシュとルーシーは追いかける側になります」
「「はい!」」
追いかける人が3人になると終わるのは早かった。
ルーシーとジョシュは運動神経がいいからバンバン捕まえて行く。
「終了!!みんなお疲れ」
ゾーイはお酒禁止を逃れることができた。
「よかったねゾーイ。ルーシーとジョシュに感謝しなよ」
「はい!2人とも本当にありがとう」
ゾーイは心の底ら感謝を伝えていた。
「ゾーイは体力の限界みたいだから休んでて。他のみんなは追いかける人をみんなで相談して続けて」
「「「「はーい!」」」」
ゾーイは庭で倒れていた。だいぶ体力使ったのだろう。
 




