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97.ネギ塩ホルモン

チャールズ兄とキッチンに向かった。


「とりあえずチャールズ兄はサラダとハンバーグをお願い。あと家のパンを持ってきてほしいな」

「わかった。サラダはポテトサラダ付ける?」

「余裕あるなら付けて」

「わかった!」


チャールズ兄がマジックボックスから材料を取り出していく。

「あれ?マヨネーズいっぱいあるよ?」

「毎回作るのめんどくさいから、この前いっぱい作っておいた」

「これ使って平気?」

「いいよ」

チャールズ兄は料理の準備に取り掛かった。


「よーしおれはヒューズさんが楽しみにしてたやつを作るか」

俺はマジックボックスからクリーミーカウの大腸と小腸らしきものを出した。


「多分クリーンだけじゃ下処理の代わりにはならないよな。とりあえず小麦粉と塩で洗うはず」

水洗いをし、小麦粉と塩をまぶして揉み、水洗いで小麦粉を流した。

「これって1回?何回かやる?とりあえずもう1回やるか」


その様子をみて、チャールズ兄が

「ライル師匠、それ食べるの?」

「多分うまいよ!楽しみにしてて」

「ライル師匠が作る料理は全部美味しいから心配はしてないけど、それは見た目がね」

俺は黙々とホルモンを洗った。


「ここってシマチョウとかマルチョウって言うんだよな?ややこいからマルチョウホルモンって言って出そう」

やっとホルモンを洗い終わった。


ネギをみじん切りにし、ホルモンを一口サイズに切り、塩と一緒に混ぜて出来上がり。


「硬くなっちゃうからみんなが来てから焼くか。あとなんか作るか?チャールズ兄、何食べさせたらアイザックさん喜ぶかな?」

「うーん。なんでも喜ぶと思うけどマヨネーズが合う唐揚げじゃないかな?」

「じゃあ唐揚げにするか」


俺は唐揚げを作り始めた。



▽ ▽ ▽



アイザックさんとゴーレが早めに学び舎にきた。

「ライルさん。あの家、凄すぎますよ!トイレもお風呂もついてるなんて!」

「あれは俺のエクストラスキルなんですよ」

「そうなんですか。いやーすごかった!」

「アイザックさん、今回食器とかって売るためにもってきてたりしてます?」

「一応村の人用に結構持ってきましたけど」

「購入させてもらえます?」


この村は圧倒的に食器が足りないと気づいた。

アイザックさんが売る用で持ってきてくれたコップや皿(大・中・小)が結構な数あったので、それを全部買った。

「ありがとうございます。助かりました」

カスタマイズで食器棚を作っているのをみて、アイザックさんは驚いていた。


「すごいですねライルさん」

「一応これもエクストラスキルなんで」

「今日はあの野菜を食べさせてもらえるんですか?」

「野菜もありますが、メインは肉料理です」

「ほぉー肉ですか」

辺境にある村にどんな肉があるのか、アイザックさんには想像がつかないのだろう。


セフィーナさんと雷虎の拳のみなさんも到着した。


キッチンには、俺とゴーレとチャールズ兄とゾーイとルーシー。

席にはアイザックさんとセフィーナさんと雷虎の拳と疾風の斧が座っている。

ガッツとヒューズは楽しそうに話していた。本当に知り合いだったようだ。


「みなさん、お待たせしました。アイザック御一行様、本日はヤルク村に来てくださりありがとうございます。数日間滞在していただく、アイザック御一行様の歓迎会をしたいと思います」


パチパチパチパチ


ゴーレ達がドリンクを配り始めた。

「今ゴーレ達が運んでいる飲み物はライル商会の新商品のコーラとビールです。

黄色のビールはエールのようなお酒です。黒のコーラはパチパチする甘い飲み物です。

今回は好きなだけ飲んでいただいて結構ですので、お食事と一緒に楽しんでください。では、乾杯!」

「「「「乾杯!!」」」」


みんなが飲み物に口をつけたタイミングで、ゴーレ達がサラダとハンバーグと唐揚げを机に並べた。


ホルモンを焼こうと思ったらアイザックさんが飛んできた。

「ライルさん!このビールってなんですか!美味しすぎますよ!いままでそこそこなお酒を嗜みましたが1番美味しい!しかも冷たいのがいい!これ売って下さい!」

「アイザックさん、仕事の話は明日しましょう。今日は料理と飲み物を楽しんでください。あと残念ですが、ビールは運搬に向いていないので売ることはできないんです」

アイザックさんは少し落ち込んだ表情で、

「そうですか、それは残念です。食事中にすみませんでした。今は食事とこのビールを楽しむことにします」

と言い、席に戻って行った。


俺はバッグから高級フライパンを出し、漬け込んでいたマルチョウを焼き始めた。


「油がすごいな。全体に火が通ればオッケーかな」

焼いたネギ塩マルチョウを大皿2つに盛り、

「ヒューズさん、ちょっと」

ヒューズさんを呼んだ。


「なんだライル。ん?これは、内臓か?」

「ご要望でしたよね?」

「いやー絶対ビールに合う。ありがとなライル」

「テーブルに運んでくださいね」

ヒューズさんは皿を持って席に戻って行った。


「じゃあ、僕らも食べますか」

そういうと配膳をしていたチャールズ・ゾーイ・ルーシーも席について食事を始めた。

最近知ったが、この国の飲酒可能な年齢は15歳らしい。

ゾーイはお酒を飲むが、ルーシーはコーラを飲んでいた。



▽ ▽ ▽



歓迎会が進み、アイザックさんといろいろと話すことができた。

料理はレシピが売れるとか、グリモスがしっかり犯罪奴隷になったこと、大量の紙が手に入って持ってきてくれたこと。


「ひやー、もくはライルはんのたんほうになれてほんほうによかっは!」

アイザックさんは完全に酔っぱらって、ろれつが回らなくなっていた。

「すみませんライル様。兄はお酒が弱くないはずですが、ビールが美味しかったようでいつもより早く多く飲んでしまったようです」

「気にしないでください。セフィーナさんはお食事と飲み物いかがでしたか?」

「とても美味しかったです。家でもこんな美味しい料理食べたことがありません」

「それはよかったです」

「ハイルはん!きいてまふか?」

「ゴーレ、アイザックさんを宿に」

「私も一緒に戻りますわ。美味しいお食事ありがとうございます。明日は私も見学について行きたいのですがよろしいですか?」

「構いませんよ。じゃあゴーレあとはよろしく」

「了解致しました」

「では明日」

「おやすみなさい」

ゴーレにルーシーもしっかりついていった。


「チャールズ兄もありがとう。今日は帰っても平気だよ」

「そろそろ帰ろうかな。明日の授業は大丈夫かな?」

チャールズ兄は大盛り上がりしている冒険者達を見て言う。


「うーん。無理そうなら、自主練で。小さい子達の面倒はお願いね」

「わかったよ。まあライル師匠が1番小さいんだけどね」

「あと、明日は新作作るから、明日も手伝ってね」

「楽しみ!」

そう言い、チャールズ兄は帰って行った。


酔っ払い冒険者を見ていると、ゾーイが近づいてきた。

「ライル様、ここは私がやっておくのでお休みになられても平気ですよ」

「ほんと?お酒飲みたいだけじゃない?」

「それもあります!」

「正直でよろしい!アイザックさん達が来ている間はゾーイとルーシーに頼ることが多くなるからね。今回は許そう」

「ライル様ありがとー!」

「もしあいつらが暴れそうになったら、負ける覚悟で全勢力で攻撃するって俺が言ってたって言っといて」

「わかりました!」

「最悪、明日の授業始まる前までならここで寝かせててもいいから。弟子達に無様な姿は見せない様にって伝えておいて」

「了解です」

「じゃあお先に寝るよ、おやすみ」

「ライル様、おやすみなさい」


俺はその場をゾーイに任せて家に帰った。




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