92.卵と大楯
昨日の飲み会はすごかった。
ビールとコーラが大人気だった。
「今日は何やるかなー。あのビールとコーラと牛乳あれば、この村に人来そうだからよかった―。そういえば卵をニーナにあげるの忘れてた」
卵をニーナにあげることを決め、ゴーレに呼んできてもらうことにしたが、ゴーレはすぐ戻ってきた。
「どうしたの?」
「ゾーイさんに行かせました」
「あーなるほど。そういえば2人はどう?」
「何かお願いすることが今までなかったので、基本畑の作業をやってもらっていました。解体の際は率先して周りのケアをしていたので大きな仕事をお願いしてもいいと思います」
「なるほど。アイザックさんがきたらあのログハウスで過ごすことになるから、お世話担当お願いしようかな」
「それはいいと思います」
数分すると、ニーナとゾーイが俺の部屋に来た。
「ありがとうゾーイ」
「いえ、またなんかあったら言ってください」
そう言うとゾーイは部屋から出ていった。
「ニーナにお願いというか提案があるんだけど」
「なに?」
「最近モンスターの大量発生が起きてるでしょ?あの原因がモンスターの卵なんだ。モンスターの卵に誰かが魔力を注いでいろんなところに置いてるせいでモンスターの大量発生が各地で起きてるみたいなんだ」
「トサカとルビーも?」
「そう。トサカとルビーはその卵から生まれた可能性が高い」
「そうなんだ」
「俺が前にラビット型大量発生で見つけた卵があるんだけどそれ育ててみない?」
「あーやっぱり師匠達じゃなく、ライルくんが倒したんだ。その卵を育てたらみんなのためになる?」
「うーん。ニーナが今足りないものを生まれたモンスターをテイムしたら解決できる可能性がある。あくまで可能性だけど」
「やってみる!」
「グーちゃんに温めてもらうのがいいと思うんだけど、どう?」
「いいと思う。厩舎に行こ!」
ニーナとゴーレと厩舎に向かう。
▽ ▽ ▽
「グーちゃーーん!」
ニーナはグーちゃんに飛びつく。
「じゃあニーナこれが卵だよ。自分でグーちゃんにお願いしようか」
俺はニーナに卵を渡す。
「グーちゃん。これを孵化したいから温めることできる?」
グォーー!
「ありがとう。グーちゃん」
ニーナはグーちゃんに卵を渡した。
ヒヒーーン!
「どうしたフリード」
フリードは自分がいたところから動き、頭でグーちゃんを今まで自分がいたところに押す。
「あーベッド使っていいってこと?」
ヒヒーーン!
グォーー!
「ありがとうフリード」
フリードとグーちゃんの微笑ましいやり取りを見て、俺とニーナとゴーレは学び舎へ向かった。
▽ ▽ ▽
学び舎ではいつも通り授業が行われてた。
「ライルくん。授業行ってきてもいい?」
「いいよ!」
ニーナは本当に真面目だ。
ニーナと入れ違いになるように、チャールズ兄がやってきた。
「ライル師匠。お願いがあるんだけど」
「どうしたの?チャールズ兄」
「今度モンスターと戦う時、僕も連れていってほしい」
「うーん。チャールズ兄って接近戦の武器は何が使いやすい?」
「ヒューズ師匠との模擬戦では動き回るのが得意じゃないから、メイスと小盾を使った時はほめられたかな」
「料理の時より厳しく行くけどいい?」
「がんばる!」
「じゃあ、数日以内に連れて行くよ」
「ありがとう」
「これ、扱うの練習しといて!」
反撃の大楯をチャールズ兄に渡す。
「身体の使い方はヒューズさんに聞いてね」
「わかった。ありがとう」
▽ ▽ ▽
「ゴーレ、チャールズ兄の特訓のために大量発生探しに行こう」
「了解しました。フリードを連れて参ります。他のメンバーは?」
「うーん。ノコとシモンとキリーもかな?」
「承知致しました」
ゴーレがみんなを連れてくるのを待ちながら、
授業を眺めていた。
 




