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75.チェスター親子とベラとララ

獣人は差別されることは少なくなったが、奴隷にされることは多い。


この国では犯罪を犯すか借金をしない限り獣人が奴隷になることはない。

表向きでは。


拉致されて違法奴隷にさせられた獣人は大勢いる。

だから獣王国以外の国にいるときは気を張っていたつもりだった。



俺は犬獣人のチェスター。

死んだ親友の娘がこの国に売られたと知り、息子とともにこの国にやってきた。


親友の娘はすぐに見つけられた。

獣人の奴隷が欲しくて情報を求めていたが、最近それがめっきり無くなった貴族がいた。

その貴族を調べてみると、親友の娘2人が捕まっていることがわかった。


2人を助けようと、貴族の屋敷に侵入したが、逆に捕まって奴隷になってしまった。


俺を捕まえた貴族は高齢で、獣人を愛玩動物として扱った。


酷い扱いではなかったが、獣人としてのプライドが許せないのと子供達の環境として悪いので、

いつも逃げ出すことはできないかと考えていた。


ある日主人である貴族が死に、私達はフリーの奴隷となった。

チャンスだと思い屋敷から逃げ出したが、逃げてる道中で奴隷商に捕まってしまった。



それから色々あった。

今はライル様にお仕えしている。

息子のジョシュと親友の娘のベラとララも一緒に。

獣王国に帰ることも考えたが、ライル様をみたら帰らない方が子供達のためになると思った。



子供とは思えない言動。

子供とは思えないほどの能力。

それを持っていたライル様の近くにいたら、子供達も素晴らしい大人になるのではないかと思った。



ライル様と村に行く道中話すことがあった。

「チェスターさん。学び舎の話なんだけど、算術と冒険者の知識、あとは魔法とか武器の扱いを教えるつもりなんだけど、なんか獣人としてこれはダメみたいなのある?」

「ライル様、いまのところ思いつくようなことはないです。お気遣いありがとうございます」

「硬いなー。チェスターさんは農業と疾風の斧と稽古になると思うから。子供達は基本学び舎で遊びながら学ぶって感じかな」

「わかりました。ありがとうございます」

「いつまでチェスターさん達がいてくれるかわからないけど、子供達にかかるお金は気にしないでね。俺が払うから!

あと男一人で子供3人は大変だと思うから、ハーマン夫妻とか頼りなよ。俺からも言っておくから」



息子より年下のライル様の気遣いに驚愕した。

私が不安に思ってたことをズバズバ解決していき、

私達が故郷に帰るかもしれないということも理解している。

獣人のプライドとして、この人に恩を返さないと国には帰れない。

今後恩が増えるかもしれない、俺は子供達とこの人のために働くと決めた。




▽ ▽ ▽



私はベラ!

私はララ!



最近とってもたのしい!

ご飯も美味しい!

チェスターおじさんもいる!

ジョシュくんもいる!


そして、ライル様がいる!

私達を助けてくれたの!

ライル様がお勉強頑張ろうって言ってくれたから、

がんばる!!


ライル様は私達を仲間で家族って言ってくれた!

とってもうれしかった!!



だからベラもララもがんばるー!


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