70.魔力適性検査
「緊張するね、ライルくん」
「師匠!俺も魔法使いたい」
「そうだね。俺は風魔法のスキルあるから、風以外がいいかな」
俺達3人は魔力適性検査で元奴隷組はステータスプレートの再発行で教会に来ている。
カラッカの街の教会は想像よりも大きくなくこじんまりした歴史がありそうな建物だった。
魔力適性検査もステータスプレートの再発行も基本無料だ。
だか、お布施という形でいくらでもいいが払うのがマナーとなっている。
「お待たせいたしました。ステータスプレートの再発行の方はこちらのシスターについて行ってください。
魔力適性検査の方は、私についてきてください」
神父について行くと、大きな水晶がある部屋に連れて行かれた。
「ではカシムくん、こちらの水晶に触れてください」
「はい」
カシムが水晶に触れると、水晶が光った。
「カシムくんの魔力適性は風属性です。こちらのステータスプレートをお持ちください」
「やった。師匠と同じだ」
カシムはステータスプレートを持って戻ってきた。
「続いて、ニーナさんこちらの水晶に触れてください」
「はい!」
ニーナが水晶に触れると、水晶が光る。
「ニーナさんの魔力適性は火・土属性です。こちらのステータスプレートをお持ちください」
「二つもある!リリアン師匠に伝えなきゃ」
「では、ライルくん水晶に触れてください」
水晶に触れると、水晶が光った。
「これは珍しい。ライルくんは無属性です」
「無ですか?」
「無ではありません。無属性です。とてもめずらしい属性ですよ。よかったですね」
「ありがとうございます」
水晶の部屋から出ていき、元奴隷達と合流し、帰ろうとした時、思い出した。
「神父様、こちらお布施でございます」
大金貨を1枚渡した。
「ありがとうございます。あなたに神のご加護があらんことを」
俺は教会を出て、宿に戻った。
▽ ▽ ▽
宿に戻るとヒューズさんがいた。
「お疲れ。そろそろ村に帰るから、みんな荷物を馬車に入れておくように」
「「「「はい!」」」」
父さんがヒューズさんに話しかけた。
「ヒューズさん。色々とありがとうございます。私が何も知らないばっかりに、頼りっぱなしになってしまいまして。息子にも頼りっぱなしで」
「カインさん、気にしないでくれ。俺らはちゃんと依頼を受けた。ライルに関しては天才だからしょうがないと割り切ろう。村での生活ではカインさんに頼ることも多くなる。そのときは頼らせてくれ」
「ありがとう。帰りもよろしくお願いします」
「ああ」
そうして俺達は村に向かって出発した。
 




