6.初めてのモンスター討伐
「よし!今日もいろいろやるぞ」
俺は今日もやる気に満ちていた。
体力が少ないこともあり、半日も作業ができない。
今日は午前も午後も活動をするつもりでいた。
午前は『秘密基地』で作った畑の観察
午後は『風魔法』を使って村の裏の森の探索
一度昼食に家に帰る予定だが、森の探索が両親にバレたら、絶対止められる。
そして悲しませてしまう。
「お父さんとお母さんが午後の作業を始めたタイミングで行くしかないな」
お父さんとお母さんが畑に行ったのを確認して家を出て、スキルで作った畑にやってきた。
「一応マップと見比べてみるか、秘密基地!」
『秘密基地』を使うと畑作成の下に新しい項目ができている。
「おっ!昨日の作業でスキルのレベルが上がったのか?ステータス!!」
【名前】 ライル
【年齢】 5
【職業】 農家
【レベル】 1
【生命力】 60
【魔力】 60
【筋力】 20
【防御力】 10
【俊敏力】 10
【スキル】
○エクストラスキル
ガチャ
○パッシブスキル
スロット1:スキルホルダー
○通常スキル
スロット1:秘密基地 LV2
→畑作成LV1
→柵作成LV1
→小屋作成LV1
→厩舎作成LV1
○スキルホルダー
風魔法LV1
→エアショットLV1
騎乗
「お!作れるの増えてる。柵は予想通りだけど、小屋と厩舎か、牛とか飼えば牛乳でいろんなことできるし、小屋もなんかしら使い道出てくるだろうから一通り作るか」
柵作成を使い、畑を囲うように柵を作った。
「一般的な木の柵だな。ここら辺は滅多にモンスターが出たりしないから、とりあえずはこれで平気だろ」
そして畑の隣のエリアに小屋と厩舎を作成。
厩舎は牛か馬を4頭入れる小さめのサイズのもので、
小屋は木造のワンフロアで物置に近いものが作成された。
「まだ使う予定がないけど、なかなかいい畑になってきたな!秘密基地感は全然ないけど」
スキルで作成した建築物を確認をし、一度昼食を食べに家に戻った。
▽ ▽ ▽
「よし、お父さんもお母さんも仕事に向かったな。今のうちに色々と準備をしとかないと」
村の裏の森までは歩いて30分でいくことができる。
村には柵もないので、畑を作ったエリアから森へ向かうことができる。
「マジックバッグにガチャで出たものをとりあえずいれて持っていけばいいか」
俺はバッグを持ち、森へ向かう。
▽ ▽ ▽
森に到着した。
道中、初めてモンスターと遭遇した。
スライムだ。
異世界転生お馴染みのスライム戦。
可愛らしいスライムなら仲間になりたがってこっちも見る。
気持ち悪いスライムなら身体に埋め込まれてる核を取ると動かなくなる。
できれば前者のスライムが良かったが、
残念ながら後者だった。
「エアショット!エアショット!」
スライムはエアショット一撃で核が身体から離れて倒すことができた。
まさか、森に着くまでに10匹も倒すことになるとは。
「戦闘では全然疲れなかったけど、5歳児の体力じゃ30分歩くだけでしんどいな。まあ引きこもってた時もこれくらいしか体力なかったからな」
さすがに、スライムより強いモンスターに出会ってしまうと危険だと思い、森の前で一旦休憩を取ることにした。
前世の記憶でスライムの核が魔石扱いで売れる可能性があったため、一応回収しといた。
「よし!体力もそれなりに回復したから、そろそろ森に入るか」
俺はやる気満々で森に入っていった。
▽ ▽ ▽
「なんでだーーーー」
俺の周りにはスライムの核が大量に散らばっている。
「なんで、スライムしか出てこないんだ!スライムの森なのか?スライムのスタンピードなのか?キングスライム的なやつが治めてる土地なのか?俺が異世界転生してから倒した魔物1から100まで全部スライムだぞ。おかしいだろ!」
俺が森に入ってから倒したスライムの数は100匹を超えていた。
「はぁー流石に疲れたぞ、レベルも15になったし、魔法使いまくったおかげでMPも上がったし『風魔法』のレベルも上がったぞ」
【名前】 ライル
【年齢】 5
【職業】 農家
【レベル】 15
【生命力】 200
【魔力】 350
【筋力】 30
【防御力】 20
【俊敏力】 15
【スキル】
○エクストラスキル
ガチャ
○パッシブスキル
スロット1:スキルホルダー
○通常スキル
スロット1:風魔法LV3
→エアショットLV2
→ウィンドアローLV1
→エアアームLV1
○スキルホルダー
騎乗
秘密基地 LV2
→畑作成LV1
→柵作成LV1
→小屋作成LV1
→厩舎作成LV1
「MPが異常だよ。なんだよこのシステム。使えば使うほどかよ!MP切れの目眩も数分休めば平気だし、新しい魔法も二つも覚えて最高すぎる」
俺はステータスを見て喜んだ。
前世ではプライドや怠慢で努力をしてこなかったが、目に見えて努力の成果が出ることが心の底から嬉しかった。
「よし、少し休憩したら帰るか」
休憩中、手持ち無沙汰になり、『ガチャ』を使い検証をしてみることにした。
「所持ポイント0のままか、経験値や討伐数じゃないってことか。それなら」
バッグからスライムの魔石を取り出し、ディスプレイ押し付けてみた。
「入った!所持ポイントは3ポイントか。あの極小サイズで3ポイントってことは170個弱入れたら、10連回せるのか。よし、全部入れるぞ!!」
ディスプレイに全ての魔石を入れ、
ディスプレイを見てみる。
所持ポイント450
「足りない。あと17匹。よし、何年ぶりかの残業だ!スライム倒すぞ!」
気合を入れ直し、スライム討伐に向かった。
▽ ▽ ▽
「なんでだ。さっきまで100匹近く現れたのに!なんで10匹しか出てこないんだよ!俺が絶滅させてしまったのか?スタンピード1人で止めた勇者なのか?なんでだー!」
空が赤く染まり始めた。
「流石にお父さんとお母さんに怒られる、今日は諦めて帰るか、くそー」
帰ろうと家に向かって歩き始めたその時
ギャーギャー
ギャーギャー
「鳥型モンスター?これはチャンスなのか!」
俺は鳥の声の方へ向かっていった。