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67.商人ギルド

「じゃあリリアンさんクララさん、お願いしますね」


ニーナとカシムと元奴隷のみんなをリリアンさんとクララさんに任せて、商人ギルドへ向かうことに。

ヒューズさんは今日もギルドマスターと話し合いのようだ。


ニーナとカシムには家族へのお土産用と自分へのお土産用で大銀貨を1枚ずつをおこづかいとして渡した。

元奴隷達には1人大銀貨2枚ずつ、ジョシュとベラとララには大銀貨1枚ずつを日用品や服を買うために渡した。

元奴隷達は申し訳なさそうにしたが、無理矢理渡した。



▽ ▽ ▽



俺と父さんとゴーレはフリードに馬車を引いてもらい、商人ギルドに来ていた。

商人ギルドも建物がデカかった。高級感があり、圧がある。


ゴーレと父さんを馬車で待たせ、中に入ると受付があった。

「商人ギルドへようこそ!本日はどのようなご用件でしょう」

「ギルドに登録と、売りたいものがあるのですが」

「了解致しました。登録する方のお名前をお聞かせ願えますか?」

「ライルと申します」

「了解致しました。G5の部屋でお待ちください」



俺は廊下を結構歩きG5の部屋に着いた。

まあまあ高級感のある個室だ。だが気に食わない。

廊下を歩いていて気付いたが、ここの部屋はA-Gでランク分けされているようだ。

俺達が子供で農家だから、受付に碌なものを売らないと思われたということだ。

これはやり方を考えないとな。



数分後、

「あーここの部屋か」

中年が部屋に入ってきた。

「えーっとライルさんだな。商人ギルドのグリモスという。えーっと商人ギルドの登録と販売だな。見た感じ農家みたいだから野菜か?」

(ほんとに子供かよ!担当がいないからってこんなの付けるなよ!)


「はい。そのつもりです。システムを理解していないので説明いただけると助かります」

「わかりました。商人ギルドには4つのグレードがある

上からダイヤ・ゴールド・シルバー・ブロンズ。

ブロンズは、出店や行商人や仕入れのみ行う商会が登録するもので年間費などはいらん。

シルバーは、店舗を持って商売をする商会が登録するものになり、年会費は大銀貨を5枚。

ゴールドは、複数の街に店舗を持っている商会が登録するものになり、年会費は金貨1枚。

ダイヤは、複数の領に店舗を持っている商会が登録するものとなり、年会費は大金貨1枚。


すべてのランクが商会直営の店に商品を卸す審査を受けることができる。

いい商品はランクを問わず、他国への販売や王都への販売させてもらうために商会で購入することもあるが、大半は美術品とかだ。

そのほかにも馬車や馬のレンタルや、購入したいものをギルドで取り寄せたりもできる。

以上だ、わかったか?」

(子供にわかるのか?何回も言わせんなよ)

説明するグリモスの態度はどんどん悪くなっていく。


「聞きたいのですが、村からカラッカの街に来るのが大変で、商人ギルドが仕入れに来てくれることがあると聞いたのですが」

「はぁ?ゴールドとダイヤランクの商会でもほんの一部の商会だけだ。

商人ギルドの担当者が取りに行きたいと思うほどの商品ということだな、つまりワシに仕入れたいと思わせなきゃ無理だ!」

(商人ギルドを舐めるなよ、子供の商会なんかに仕入れに行けるか!)


「大丈夫です。そしたら将来的に店舗を増やしたいと思っているので、金貨5枚でゴールド5年分でいいですか?」

「はい?????」

「金貨5枚でゴールドランク5年分ですけど」

「金払いはいいようだな。じゃあこれをかけ!」



○名前

ライル商会


○場所

ヤルク村


○業務内容

野菜などの販売

飲食店(建築予定)

服・布・糸の店舗販売(建築予定)

モンスター素材の販売


○販売物

野菜・果物・薬草・布・糸・服・モンスターの素材



「商品はあるのか?あるのなら出せ!」


「ありますよ!」

野菜をバッグから出した。


「はぁー。ライルさんこんな野菜をワシがわざわざ仕入れに行くと思うか?」

「そんなにいうのなら、この野菜食べてみてください」

「はぁー。じゃあ1つ」


グリモスはトマトを1口食べた。

「んーーーー!!」

(うますぎる!これは売れる!だけど村なんかに行くのは面倒すぎる)


「どうです?仕入れに来られないですか?」

「こんなもんじゃ無理だな」

「そうですか、じゃあ諦めます!販売の話いいですか?」

「構わん早くしろ!」

(うまく丸め込んで、安く買取って年に2回ほど納品させるのが良さそうだな)


「先程食べていただいた野菜が15箱ですね。時間停止のマジックボックスに入ってるので鮮度抜群です」

「は?15箱?しかも時間停止のマジックボックス?」

(どういうこと?どういうこと?半年分の収穫物をまとめて持ってきたのか?)


「そうですね、僕のエクストラスキルと父のエクストラスキルを使えば質を落とさず年間10回くらいは今回の量より多く収穫できます」

「は?」

「どうしました?」


(これはチャンスだ。年間10回野菜を持ってこさせて、安く買い叩き、ワシが高く売れば業績が上がるぞ。こんなガキなんて簡単に言いくるめられる!)


「よし!そしたら収穫するたび商人ギルドに持ってこい!ワシが買い取ってやろう」

「できませんよ、さっき言いましたよね。街に来るのが大変だって」

「いいのか?いまここで断るより、どうにか野菜を運ぶをすべを考えたほうが生活が楽になるんじゃないか?

収穫した野菜も腐らせてしまうんじゃないのか?」

「だから、鮮度は落ちませんよ。時間停止のマジックボックスがあるので。今回は他の商品も入れてきたので15箱でしたがもっと入りますし」

「は?ほかにどんな商品を持ってきたんだ?見せろ!」

「仕入れに来てもらえないようなので、売るつもりは無くなったのですが、ホワイトクロススパイダーの布と糸とクロススパイダーの布と糸とそれで作った服です」

「買い取ってやろう!そんな上物を持ってくるとは!さあ!見せてみろ!」

「見せられますけど見せないです。売らないので。野菜の値段だけもらえればいいです」

「いや、見せろ!布もできるたびに納品しにこい!」

「いやです。なんで見せる必要があるかわかりません。なんか怖いんで野菜も売らなくていいです」

「そんなのは許さん!」

「ほんと意味がわからないです。商人ギルドの登録も、もうやめますね。失礼します」

「貴様!」


俺は金貨5枚を持って部屋から出た。

グリモスはずっとテキトーに対応していたのが伝わってきた。

ほかに売るところはいろいろあるしいいや。

後のことは後に考えよ。ムカつくから。


商人ギルドの廊下を歩いていると、グリモスが叫んだ。

「クソガキ!商人ギルドを舐めてるのか!!」


俺は無視して歩いた。


「見せろと言ったら見せろ!ワシになんて態度とってんだ。貧乏村でたまたまいい野菜を作れたからって調子に乗るなよクソガキ!」


カッチーン

俺がキレて言い返そうとした瞬間。

「お前はお客様になんで口を聞いてるんだ!」

グリモスよりも歳をとったおじいちゃんが怒鳴った。


「は!ギルドマスター!」


商人ギルドのギルドマスターか。

なかなか圧があるな、こんなクソなギルドに頼ることなんてしないからどうでもいいが。

無視して歩く俺に気付いたギルドマスターが話しかけてきた。

「そこのお客様、お名前は?」

「ライルと申します」

「なぜ、こんなことになっているか教えてもらえるかね?」


俺は足を止めて、あったことを全部しゃべった。

「本日こちらに伺ったのは、ギルドに登録と商品の販売に来ました。

G5の部屋に通されるとそこのグリモスさんがいらっしゃいました。

僕が子供ということで、終始敬語で話してはいましたが、テキトーな対応をされていると感じました。

ギルドの登録をゴールドで5年分の年会費を払い、村から街に来るのが大変だから仕入れに来て欲しいと頼みましたが無理でした。

実際に売る予定だった野菜が年に10回ほど収穫ができると伝えると、収穫するたびに街に売りにこいと言われました。先ほども申し上げたように、村から街に行くのは大変なので難しいと伝えると、ほかの商品も見せろと言われました。

仕入れに来てもらえない段階で、野菜だけ売って違うところに売ろうと思っていたので拒否すると、何度も見せろと強要してきて、怖くなったので帰っていたら、今のように怒鳴られました」


ギルドマスターは俺の話をしっかり聞いて考え込んでいた。

「商人ギルドが危ないところと理解したので、もう来ることはないでしょう。お騒がせして申し訳ありませんでした」


俺が帰ろうとするとギルドマスターが

「わしが話を聞こう。グリモス!アイザックを呼んでA1の部屋に来い。ライルさん、荷物はどこにあるのかな?」

「馬車に入っていますが?」

「A1には馬車を入れられる。馬車を外から回してもらいなさい」

「まだ僕は見せると言ってませんが?失礼ですが、ギルドマスターもグリモスさんと同じような人と疑っております」

「それもそうじゃの。フォフォフォ!まあ信じてくれとしか言えんの」

「わかりました、とりあえず話だけは聞きます」


馬車に向かい、ゴーレに馬車を回してもらった。




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