表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/387

53.解体祭り

解体をやっている広場に着くと、とても賑やかだった。


村人は俺と母さんとアメリア以外の14人が参加。

疾風の斧と合わせると17人で解体をしている。


俺に気づいたヒューズさんが話しかけてきた。

「思ったよりも順調に進んでるぞ」

「よかったー。解体道具こんなに持ってたんですか?」

「俺らのが数本と残りはカリムさんから借りた」

「そうなんですね。それにしても、最年少のニーナちゃんとルークくんも1人でやってるんですか?」

「授業で素材の処理の大切さとかを教えてたせいか、子供達全員作業が丁寧なんだよ。普通あれくらいの歳だと他の子と競って急いでやって雑になるんだけど、あの子達は学んだことをちゃんといかしてる。大人達も少しは解体の経験があるみたいだから、この調子だとあと3日もあれば終わるぞ」

「3日?あの量がですか?」

「カリムさんの奥さんのマールさんがすごすぎる。エクストラスキル『解体人』がすごい。解体と戦闘特化とか羨ましいスキルだよ。俺らや村の人が子供達の2倍の早さで解体してるとしたら、マールさんは3倍だよ。だから上位種をカリムさんと一緒に進めてもらってる」

「疾風の斧のみなさんは混合種?」

「そうだな、ラビット型でこのサイズはやばいからな。こんなサイズのをよく倒したな」

「え?疾風の斧の皆さんは倒せないんですか?」

「そういうことじゃねーよ!説明するのも馬鹿らしくなってきた」

「わかってますよ。からかっただけです」

「お前ってやつは、ほんと異常」


ヒューズさんとも短い期間でものすごく打ち解けた。

ここ数日いろんなことをやったおかげだ。


「そういえば、村人への報酬は1人につきラビットの肉1羽分でいいのか?」

「保存することはできるんですけど、流石にこの量なんで、最終日は2羽分でいいですよ」

「わかった。それで対応しとく」


ヒューズさんと別れ、ゴーレとフリードの元へ向かった。


「おつかれゴーレ。フリードもお疲れ」

「マスター、収穫お疲れ様です」

ヒヒーン


「フリード、これ食べて。前に約束してた、俺の畑で作ったニンジン」

ニンジンをフリード食べさてあげる。


ヒヒーン!!ブルルルルヒヒーン!!

「おいしいか!よかったよかった。まだ数日手伝ってもらうことになるから、よろしくねフリード」

ヒヒーン!


「ゴーレ、進捗はどんなかんじ?」

「このままいけば。今日で4分の1は終わる予定です」

「ヒューズさんの言ってた通りだな。解体した皮ある?一応鑑定で見ておきたくて」

「こちらです」

「ありがと。一応、クリーン!してから、鑑定!」


○ホーンラビットの毛革(中品質)

 ホーンラビットの毛革。

 服や防具に加工することができる。

 

「ゴーレ、これってシモンとキリーに頼んだら服の素材として使えるんじゃない?」

「マスター、モンスターの毛皮は鞣し作業を施さないと加工するのはできません。街で鞣し作業を施せば、シモンとキリーに任せても問題ないかと思います。あと、もしかするとカリム殿ができるかもしれません」

「あー鞣しか。聞いたことあったなー。あとで聞いてみるか。そっちの大きい皮は上位種?」

「そうです。疾風の斧の皆様が解体方法を説明するときに使ったものなので、だいぶ綺麗に出来ております。

「お!じゃあ鑑定!」


○ロングホーンラビットの毛皮(高品質)

 ロングホーンラビットの毛皮。

 鞣し作業を行わなければ、腐敗してしまう。


「高品質!さすが疾風の斧だな。あれ?説明文がちょっと違うな」


俺はさっき鑑定したホーンラビットの毛革と一緒に鑑定をした。


○ホーンラビットの毛革(中品質)

 ホーンラビットの毛革。

 服や防具に加工することができる。


○ロングホーンラビットの毛皮(高品質)

 ロングホーンラビットの毛皮。

 鞣し作業を行わなければ、腐敗してしまう。


「あれ?やっぱり違う。もしかしてクリーン!鑑定!」


○ホーンラビットの毛革(中品質)

 ホーンラビットの毛革。

 服•防具•家具などに加工することができる。


○ロングホーンラビットの毛革(高品質)

 ロングホーンラビットの毛革。

 服•防具•家具などに加工することができる。



「ゴーレ、これ見て!クリーンかけたやつなんだけど」

ゴーレにグリーンをかけた毛革を渡した。


「マスターこれならそのまま加工ができるかもしれません。実際に鞣し作業を施した毛革は見たことがないので確実ではないのですが、この毛革は腐敗する可能性がとても低い様に感じます。あとでヒューズ殿に見せてみましょう」


▽ ▽ ▽


今日の解体は終わり、村のみんなはお肉をもらって帰っていった。


「ヒューズさん、お疲れ様でした」

「おつかれ。予定通りあと3日でいけるな」

「よかったです。それでヒューズさんに見てもらいたいものがあって」


クリーンかけた毛革を取り出した。

「これは今日作業したやつだよな?何がおかしいんだ?」

「説明しますね。まだ誰にもいってないけど、俺は『クリーン』と『鑑定』が使えます」


「は?」

固まるヒューズさん。


「今日解体した毛皮を鑑定で見たんですが。クリーンをかけたものは「加工ができる」と書いてあって、そのままのものは「鞣し作業を行わないと腐敗する」って書いてあったので、ヒューズさんに聞けば何かわかるかなーって思って」

「………」

「ヒューズさん!」

「はぁっ!お前には驚かされてばっかだ。はぁ、毛皮に関しては俺にはわからん。もしかしたら『クリーン』が鞣し作業の代わりになってるのかもしれない。専門的なことはわからないから、カリムさんに聞いたほうがいいかもな」

「あんまり『クリーン』と『鑑定』を広めたくないんですけどどうしたら?」

「俺からもらったってことにして、子供っぽくして、ゴリ押せ」

「子供っぽくって。俺まだ5歳ですけど」

「はいはい!」

ヒューズさんに適当にあしらわれて少しむかついた。

今度何か仕返しをしてやろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ