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51.シモンとキリー

家に帰ると父さんと母さんがリビングで寛いでいた。


「ただいま!」

「「おかえりなさい!」」


いま俺の畑以外は稼働していなく、明日収穫をして、ゴーレを中心に色々検証と採種を行い、おれがカラッカに行っている間にアカ・アオ・キー・ドリーが種まきなどを始めてくれるそうだ。


父さんと母さんは俺の畑を見てくれているみたいだが、アカ・アオ・キー・ドリーがいるおかげで特にやることもないので今は半分休暇のように過ごしているようだ。


「父さんと母さんはいま暇?」

「ひまだなー。午前中は畑に行ってたが、アカ・アオ・キー・ドリーが優秀でやることがなかった」

「お母さんも晩御飯の準備までは暇よ」

「じゃあ、試したいことあるから付き合ってよ。ゴーレ、シモンとキリーを呼んできてもらえる?

あと、出来上がってるシモン布があれば持ってきて」

「承知いたしました」

「父さんと母さんは自分の服を持って、3階のゴーレ達の部屋じゃない方にきて」

「わかったわ。服はなんでもいいの?」

「母さんは何着か種類があればうれしいかな」

「何着か持っていくわ」

「父さんも何着かあれば」

「あんまり持ってないが、持っていくよ」



▽ ▽ ▽



みんなが3階の空き部屋に揃った。

「ゴーレ、その布は黒いってことはシモン隊の布だね!その巻いてあるの何メートルあるの?」

「こちらは、2m×10mです」

「結構多いな。シモン隊も頑張ってくれたんだな」

「母さん。服を借りてもいい?」

「いいわよ。はい」

「シモンとキリーにはこの服を作って欲しいんだけど、作れたりする?切るのはキリーで縫うのがシモンならできると思ったんだけど。ちょっとこの服見てみて」

シモンとキリーは服をしっかり見ていたと思うと、話し合いのようなものを始めた。

チチチ?

シャシャ!

チチ!

シャシャシャシャ!


するとキリーがゴーレから布を預かり布を広げると、鎌がついてる腕を振った。

すると服の形に切り取られた布が何枚もできていた。

その布をシモンが魔糸を操り縫っていく。

糸の先端だけ硬化しているのか、針を使わずに縫っている。

そんなことを考えているうちに、母さんが持っていた服の黒バージョンが出来上がっていた。


「えーすごいわ、シモンちゃんキリーちゃん!!」

「母さん、ちょっと着てきてよ。その間に父さんのを作ってもらうから」

「わかったわちょっと待ってて!」

母さんは興奮しているのか、走って部屋から出て行った。


「じゃあ父さんも服貸して。シモン、キリー次はこれを頼む!」

「わかった」

俺は父さんの服を預かるってシモンとキリ―に渡した。

シモンとキリーはものの3分ほどで1着の服を作ってしまった。


「父さん、これ着てみて」

父さんはその場で服を脱ぎ、シモン布の服を着た。

「肌触りがいいし、動きやすいぞ。こんな上質な服着たことない」

父さんが感想を述べてると、テンションが上がった母さんが部屋に戻ってきた。

「シモンちゃんキリーちゃん!最高よ!この服、他にも作れたりするの?」

チチチ

シャシャシャ

「うーん無理そうってことかな?」

「マスター推測にはなってしまいますが、服を着るという文化がないシモンとキリーは、見本があるものを作るのは簡単だが、デザインをするのは難しいのかと思います」

チチチ!

シャ!

「ゴーレの言う通りみたいだな。デザインかー俺もデザインはわからんなー。とりあえずは、母さんの服が上3パターンの下2パターン、父さんの服が上2パターンの下1パターンか。農民や町民はデザインよりも頑丈かどうかで選ぶと思うから、あまりパターンを増やさなくてもいいかもな」

そういうと母さんは大きく頷いた。


「それならこれでいいか、シモン隊とキリー隊も同じことできる?」

チチチ

シャシャシャ

「できないみたいだな。シモンはこの作業と布づくりは並行してやれる?」

チチチ!!

「できるみたいだね。決めた!服作りはシモンとキリー、服はシモン布の黒だけを使う、キリー隊は端材でキリーと同じことができるように練習。シモン隊は布づくり。シモンは空いた時間にシモン布の白を作って欲しいけどムリせず」

シモン達に指示を出していると母さんが割り込んできた。

「こんな素晴らしい服を作るなんて、お母さんも手伝うわ」

「じゃあ母さんはシモンとキリーのお世話と無理しないように監督して」

「任せて!」

「あ!でも、作るにしても父さんのサイズだとデカすぎて売り物としての需要が少なくなりそうだな。ゴーレがちょうどいいんだけど、ゴーレは忙しいから、ずっとここにはいられないしなー。あっ!名前的にあれ使えるんじゃね?」


マジックバッグからカードを出し魔力を注ぐ。

ポンッ


マジックマネキンが3体、目の前に出てきた。

俺は説明書を読んだ。


○マジックマネキン

マネキンに触れながら魔力を注ぐとその人のそっくりのマネキンになる。

何度でも使用可。


「じゃあ母さんとゴーレ、マネキンに触れて魔力を注いで!」


俺と母さんとゴーレはマネキンに触れて魔力を注いだ。


マネキンがグニョグニョと動いて形を変えていく、その動きが止まる。すると3人に瓜二つのマネキンが仁王立ちしていた。


「え?似すぎじゃない?」

「これすごいわね。ライルはすごいものを持ってるのね」

「たまたま手に入れたんだよ。シモンとキリー。

カラッカの街に行くまでに、

女性物の服 上3パターン 下2パターン

男性物の服 上2パターン 下2パターン

各10着ずつ、シモン布黒で作ってくれ。

あと、疾風の斧にも作ってあげたいから近々連れてくるよ」

「父さんも頼んでいいか?」

「父さんも母さんもシモンとキリーに頼んでもいいけど、その代わり2人の手伝いしてあげること」

「「任せて」」


両親は暇だったのが限界だったのだろう。

何かやれることを見つけられて喜んでるみたいだ。


「シモン、キリー。この部屋は自由に使ってくれていいからな。大変なことを任せて申し訳ないけど、よろしく」

チチチチ!!!

シャシャシャシャ!!


新しい金策が見つけられて良かった。

シモンが欲しがってる花畑もまだできてないから、早く作ってやらないといけないな。あとキリーにも欲しいものを今度聞いておこう。



解散になり、俺はリビングに戻って夕飯ができるのを待つことにした。



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