398.缶詰コンペ①
アヤノと缶詰の中身を考えた。
コンファのおかげでいろいろ出来そうなことが分かった。
ジャギドシビーのツナ缶・ミノタウロス肉のコンビーフはすぐに決まった。
コーン缶・ミカン缶・モモ缶・パイナップル缶・リンゴ缶もアヤノがシロップを作ると言うのですぐに決まった。
シロップって水と砂糖でできるらしい。
さすがに知らない知識には『料理』は機能しないようだ。
何回か挑戦しないとダメみたいだ。
灰ミソ缶は俺の希望で決定した。
灰ミソの味はカニ味噌だけど、分類は植物だから不安だったが問題ないみたいだ。
コンファ曰く、既に塩漬けのような状態らしい。
それとトマト缶もすぐに決まった。
9枠がこれで決まった。
残りをどうするか。
「アヤノ、なんか思い出せる缶詰ある?」
「うーん。焼き鳥とかカレーとか、あとはスープとかもありませんでした?」
「あーあったかも。それにする?」
「うーん。ありですけど、みんなに考えてもらうのはどうです?」
「あーいいね」
アヤノの案を採用し、明日の夜に缶詰コンペをすることにした。
俺はゴーレに缶切りを作るためにガルスタンを呼び、拙い絵を描いて説明をした。
ガルスタンは頑張って理解してくれたみたいで、作業するためにヤルクに戻って行った。
そして俺はライル商会の料理人を集めた。
料理人はかなり増えたので、ブライズさんとチャールズ兄。
それと鬼将軍の調理場のアルゴットとフィアダ。
マヌセラのモズドとポレット。
期待枠で『神聖料理人』を取得しているシスターカモーエ。
アヤノを含めた8名で行うことにした。
審査員は俺と商人ギルドからアイザックさん、冒険者ギルドからマリーナさん、そして『神舌の獣』を取得しているヨウラを呼ぶことにした。
みんなに缶詰についての説明をし、俺がどういう売り方をしたいかを伝えることになった。
「まずは美味しいのは大前提かな。あとはできるだけ安くしたい」
「安く?」
「うん。新米冒険者とか、あまり裕福ではない家庭とかでも食べれるようにしたい」
「なるほど…」
アイザックさんは考えている。
「とにかくいろんな人が手に取りやすくしたい」
「わかりました。その目線で審査します」
アイザックさんは頷きながら答えた。
「みんなも大丈夫そう?材料でもいいし料理でもいいし、何でもいいから案が欲しいな。なので明日の夜までに色々考えてみて。俺とアヤノで答えられることは答えるから。コンファに聞くのが1番だけどね」
「うん。ちょっと頑張ってみようかな」
「「「「「「がんばります!」」」」」」
ブライズさん達は色々と質問をし、俺とアヤノとコンファが丁寧に答えた。
▽ ▽ ▽
翌日、アヤノとジャギドシビーのツナ缶・ミノタウロス肉のコンビーフ缶コーン缶・ミカン缶・モモ缶・パイナップル缶・リンゴ缶・トマト缶を調理室で作った。
昨日色々話をしてみたが、缶詰とは?というのが多かった。
なので実際に出来上がったものを見てもらうことにした。
ツナ缶とコンビーフ缶とコーン缶とトマト缶はすぐに料理に使えるのでイメージが付きやすいだろう。
あとは調理した料理系の缶詰を1つ作れば缶詰がどういうものかわかるはずだ。
「アヤノ、何を作る?」
「うーん。焼コッコですかね?」
「無難だね。タレも作ってもらったものがあるし」
俺はすぐにコッコ肉を出し、調理を始めた。
少し缶詰を意識してタレを多めにする。
調理をしながらコンファに質問をする。
「このままの調理で平気?」
「問題ありません。最適化しても味が変わることもないです」
「わかった。ありがとう」
俺はそのまま調理をし、ワーカーゴーレムに焼コッコを渡した。
▽ ▽ ▽
夜になった。
作った缶詰を見せたおかげでみんなイメージが出来たみたいだ。
マジック缶詰工場の調理室にみんなが集まる。
「じゃあ始めますか。アイザックさんとマリーナさんとヨウラは大丈夫です?」
「問題ないです」
「いろんな料理を食べるの楽しみにしてきたんだから」
「頑張ります」
ヨウラは少し緊張しているようだ。
みんなは調理を始めた。
色々考えてきたみたいで俺はワクワクしていた。
アルゴットが料理を運んできた。
「パンにもあって、酒のつまみにもなるものを作りました。コッコ肉とニンニクのアヒージョとキノコとニンニクのアヒージョです」
「おー」
ニンニクが大好きなアルゴットらしい料理だ。
「アヒージョはライル商会ではよくあるメニューだしいいかもね」
「はい。缶詰はオイル漬けのようにすることが多いと聞いたのでちょうどいいかと思いました」
俺はアヒージョを一口食べる。
「うん。少し濃いめだけど、味は問題ないかな。コンファ、缶詰は使った後どうなるの?」
「中身が無くなって時間が経つと消滅します」
「じゃあ中身を入れたまま火にかけることは?」
「問題ないです」
缶詰を器代わりにしても問題ないようだ。
俺とコンファの話を聞いていたマリーナさんが口を開く。
「野営でこれが食べれるってこと?」
「はい。鍋などを用意しなくても、蓋を開けて缶詰を直接火にかければアヒージョが食べれます」
「それは冒険者に喜ばれるわ。毎回ライル商会のパンを野営に持って行ける冒険者も少ないから」
「硬いパンでもアヒージョに浸せば食べれますし、売れると思います」
マリーナさんとアイザックさんからは高評価みたいだ。
「ヨウラはどう?」
「えーっとすごくおいしいです。でもすごく美味しそうな匂いがするのは平気なんですか?」
「あー。野営だとモンスターが匂いに誘われる可能性があるのか」
「そうね。言われてみればそうだわ」
ヨウラを審査員に入れてよかった。
「アルゴット、この2つは採用するけど匂いを押さえたコッコとキノコのアヒージョも作って。それを野営用にしよう」
「わかりました!材料がまだあるので今作ってきます」
そう言うとアルゴットは調理場に向かった。
次に料理を持ってきたのはチャールズ兄だ。
「オークの角煮を作ったよ。味は濃いめにしたんだけどどうかな?」
チャールズ兄が持ってきたのは小さめに切られたオークの角煮だ。
俺達は一口食べる。
「うん。美味いね」
「そうですね」
「これが家で簡単に食べれるのはいいかも」
「美味しいです!」
審査員の反応も良かった。
「コンファ、これは缶詰にできそう?」
「はい。問題ありません」
「じゃあ問題なく採用で」
「やった!」
チャールズ兄は喜んでいた。
「パンの缶詰とか無理かな?」
チャールズ兄は俺に問いかけてくる。
元の世界でパンの缶詰はあったけど、あんまり印象に残っていない。
「もしかしたらできるかもね」
俺が答えるとチャールズ兄は嬉しそうにした。




