397.モチとワサビと缶詰
今日は新しい食材のチェックだ。
俺とゴーレは農業区域に来ていた。
農業区域には父さんが作業をしていた。
「おー!水田!!」
「ライル、ワサビってのは上手くいったんだがモヤシ?ってのは中々上手く行かなかった」
「ワサビが上手くいったんだったらよかった!モヤシの作り方は考えるね」
「すまんな」
父さんは獲れたてのワサビを渡してくれた。
「新しい食材はアヤノちゃんが昨日のうちに持って行ったぞ」
「え?じゃあもう食べれる?」
「かもな」
俺はそれを聞き、すぐに[鬼将軍の楽園]に向かった。
「アヤノ!新しい食材を持って行ったって聞いたけど」
「はい!既に調理してます」
「さすが」
「キュウリのキムチはまだ発酵所で作ってます。塩漬けは出来てます」
「おお!他は?」
「ウメとラズベリーとブルーベリーはジャムにしています。ドライフルーツやケーキにもする予定です」
そう言いながらアヤノはジャムが入った瓶を取り出した。
「梅酒も試してます」
「さすがだね。梅酒なら販売できそうだし」
「はい」
アヤノは嬉しそうにしていた。
「ゴボウ・アスパラガス・キュウリはブライズさんに渡しました」
「うん。いいね!それで例のは?」
「はい!たぶん上手くいってると思います」
そう言うとお皿に乗ったモチモチになったモチムチの実を見せてくれた。
「おお!これは」
「はい!完全にお餅です。炊くとこの状態になります」
「もち米みたいな感じ?」
「うーん。丸くて大きい切り餅?このまま焼いても食べれますし」
「なるほど。いいね」
「まだ時間あります?」
「ん?」
「試作品を食べてみますか?」
「食べる!!」
「じゃあすぐに準備します!」
そう言ってアヤノは皿を準備し、マジックバッグから試作品を出した。
「磯辺焼きとあんこのお餅です」
「おおお!!!」
元の世界で正月に数えきれないほど食べた餅が出てきた。
俺はすぐに口に運ぶ。
「うわ!美味い!」
「ですよね。海苔がもう少し安定供給されたらいいんですけど」
「海苔は手作業で作ってるからね」
「ですよね」
海鮮系の食品加工について少し考えてもいいかもしれない。
レアリティがGのカタログもあるから、どうにでもできそうだ。
「おモチは美味しいですけど、料理のメニューにしにくい感じがします」
「あーそうかも。お雑煮とかベーコン巻きとか?なんか家庭ではよく食べたけど、外では食べた記憶がないかも」
「そうなんです。うーん」
アヤノは悩んでいた。
「乾パスタとか乾うどんとか売れてるみたいだし、食べ方を商人ギルドに伝えたら切り餅みたいに売れるんじゃない?」
「なるほど。モチムチの実をそのまま売ればいいんですね」
「そうそう」
「わかりました。その方向で考えてみます」
「うん。よろしくね」
俺はそう言って[鬼将軍の楽園]を後にして、マヌセラに向かった。
▽ ▽ ▽
マヌセラに来た。
前よりも人が増えているように感じた。
[鬼乃屋]に入店する。
中にはモズドが居た。
「ライルさん。いらっしゃいませ」
「モズドにいい物を持ってきたよ」
「いい物?」
「とりあえずおすすめで刺身をお願い」
「はい。お待ちください」
モズドはアイテムボックスから魚を取り出して捌き始めた。
「今日は大きなレッドスナッパーが釣れたみたいでもらってきたんです。他はグリーンサーモンとジャギドシビーでいいですか?」
「うん。俺も準備するね」
俺も厨房に入り、ワサビを洗う。
「それは?」
「ワサビだよ。楽しみにしてて」
俺は前に作ってもらったワサビをおろし金ですりおろす。
「うん!いい感じ」
「こっちも出来ましたよ」
モズドは刺身を綺麗に更に並べていた。
「よし食べよう」
「はい。それでこれは?」
「刺身につけて食べるんだよ」
「はあ」
モズドは不思議そうにしていた。
「醤油に溶かしちゃいけないとか色々あるみたいだけど、試してみて好きな食べ方してみて」
俺はそう言って、刺身を端でつかみ醤油をつける。
そしてワサビを少量乗っけて口に運ぶ。
「んーーー!!いい!!」
モズドは俺を見て、同じように刺身を食べる。
「ん!!これは辛みと鼻に刺激がきますね」
「うん。慣れてくると癖になるよ」
「あーこれはいい」
モズドもワサビを気に入ったみたいだ。
「お肉もワサビと醤油で食べたりもできるから試してみて」
「調味料ってことですかね?」
「うん。そうだね」
「わかりました。みんなで共有して食べ方を模索します」
「よろしく」
俺はモズドの話を聞きながら刺身を食べ進めた。
▽ ▽ ▽
ゴーレと合流し、マヌセラの『秘密基地』の範囲内を見て回る。
意外と未開拓の場所が多い。
「うーん。カタログ使うか?使って後悔したくないんだよな」
俺はマジック製造工場カタログ(神級)を使うか悩んでいた。
「今まで見たことないランクだから絶対上振れするはずなんだよな」
俺はカタログをパラパラめくる。
「6マスは使う工場ばっかり。加工肉製造工場もいいし、マヌセラなら練り物製造工場もありだ」
俺は悩んだ。
「うーん。冒険者以外にも売れそうな物がいいから、これが無難か?」
俺は覚悟を決め、施設を選んだ。
バッフン!
未開拓の地に大きな工場が現れた。
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― +
「うん。使っちゃった」
「同期してみました」
「どう?」
「少しすれば完全に把握できます」
「わかった。とりあえず入ろう。マジック缶詰工場に」
俺とゴーレはマジック缶詰工場に入った。
中に入るとまず『クリーン』をされた。
そして1体のゴーレムが出迎えてくれた。
「マネージャーゴーレムのコンファと申します。宜しくお願い致します」
「よろしくね」
「はい。ではマジック缶詰工場の案内をしてもよろしいですか?」
「うん。お願い」
俺とゴーレはコンファの後を付いて行くと、見たことのない形の人型ゴーレムが大量にいた。
「マジック缶詰工場には30体のワーカーゴーレムが居ます。マジック缶詰は1体に付き1品製造することが可能です」
「ということは30種類の缶詰しか作れないの?」
「同時には30種類までです。変更することも可能ですが、前に作っていたものに戻すには再登録が必要です」
「再登録?登録が必要?」
「はい」
ワインや発酵所は設定して材料を入れるだけだったが、マジック缶詰工場は少し違うみたいだ。
「ワーカーゴーレムに缶詰にしたいものを渡すことを登録と言います」
「調理したものを渡すってこと?」
「はい。その通りです」
「渡していただいたものを、缶詰に最適な状態にして缶詰を作ります」
「ん?どういうことだ?」
「長期保存のために塩分を増やしたり、オイルや液につけたりなどを行います」
「あーなるほど」
料理をそのまま缶詰には出来なそうだ。
元の世界の缶詰基準で考えた方が良さそうだ。
「登録した後は、材料を渡していただくだけで大丈夫です。こちらで調理します」
「なるほど」
コンファの説明で大体は理解できた。
「調理室がありますが、ご案内しますか?」
「うん。お願いしようかな。ゴーレ、アヤノを呼んで」
「承知しました」
ゴーレはヤルクにいるゴーレムに指示を出した。
調理室に到着する。
「コンファはアドバイスとかできるの?」
「同期をしていますので可能です」
「色々試したいから、缶詰に最適化した時に味がかなり変わる者とかがあったら教えてほしい」
「承知しました」
俺はコンファにうちにある食材でできそうな缶詰の案を聞きながらアヤノの到着を待った。




