393.手作りゴーレム
夜になり、俺は自分の部屋でカードを取り出した。
「ゴーレム手作り製造キットか。本当に作れるのか?」
カードに魔力を込めた。
すると大きな粘土の塊と紙が出てきた。
紙には文字が書いてある。
[ゴーレムの作り方。まずは魔力を込めてゴーレム粘土をこねよう]
俺は指示に従ってやってみることにした。
ゴーレム粘土は硬く、魔力を込めるとどんどん柔らかくなっていく。
[柔らかくなったら、お好みのモンスター素材を粘土に触れさせよう]
「触れさせる?これはこだわるべき?」
俺はこだわってみようと思って、部屋を出た。
まず向かったのは厩舎だ。
「フリード!」
ヒヒーン!
フリードは厩舎で横たわっていた。
「フリードの鬣をもらいたんだけどいい?」
ヒヒーン!!
俺はフリードの鬣を数本抜く。
「他の所にも行くんだけど、行く?」
ヒヒーン!
フリードは嘶いた。
俺はフリードに跨り、ライルダンジョンへ向かった。
ライルダンジョンに着くと、すぐにショーグンがやってきた。
「主君。どうしましたか?また特訓ですか?」
「いや、ショーグンの素材が欲しくて。なんか渡して問題ないものある?」
「それならこれを使ってくだされ」
ショーグンは大きな剣を渡してきた。
「は?大丈夫なの?」
「はい。すぐに元に戻るので問題ないです」
「そうなんだ」
ダンジョンのモンスターだからなのだろうか。
俺は剣を受け取り、次の場所へ向かった。
次の場所は近くの『秘密の通路』ですぐに到着する。
「セイリュー」
「どうした。主よ」
「セイリューの素材が欲しいんだけど」
「素材?鱗などでいいのか?」
「うん」
「ではこれを持って行け」
セイリューはそういうと鱗を1枚剥がして渡してくれた。
「大丈夫なんだよね?痛くないの?」
「主!当たり前だ。すぐに生えてくる」
「ならよかった」
俺はセイリューの鱗をもらって家に帰った。
▽ ▽ ▽
家に帰り、もらった素材を混ぜた。
粘土は素材を飲み込んでいく。
「うわ。すご」
その様子は粘土が素材を食べているようだった。
粘土は勝手に動いている。
徐々に動きが落ちついたと思ったら、どんどん形が成形される。
フリードのような4足歩行の身体にショーグンの上半身が生えている。
手には先ほどもらった剣が握られている。
フリードの胴体にはセイリューのような鱗が生えてきて、ショーグンの鎧からはドラゴンの翼が生えている。
俺と同じくらいのサイズのゴーレムが出来上がった。
「これは手作りと言っていいのか?」
[形が出来上がったら、魔石を嵌めよう。名前はあとからでも付けられるよ]
「これで出来上がり?」
冊子には戦闘もできるゴーレムと書いてある。
これは凄いかもしれない。
戦闘力に不安があるメンバーはあの2人か。
俺はもう1個のキットでも全く同じ素材を混ぜた。
予想通り、同じものが出来た。
「よし。呼び出すか」
▽ ▽ ▽
俺達は夜中にライル様に呼び出された。
卒業試験でふがいない姿を見せてしまってから、顔が合わせずらかった。
「フィン、なんで呼ばれてるんだろう」
「わかんない。怒られる?」
「怒られることはないんじゃないかな」
俺達の頭には不安がよぎりまくっていた。
ライル様の家に着いた。
ゴーレさんに案内され、中に入る。
「おーきた!待ってたよ」
「「はい。どうなさいましたか?」」
ライル様は笑顔だった。
「2人を最初は強弓に入れようとしてたけど、アース達とロサキで活動したいんだよね?」
「はい。両親がいるので、ライル様に許してもらえるのなら」
「でも、ライル様の指示ならどこでも働きます」
「いや、大丈夫。2人でパーティを作ろう」
「え?」
いきなりことで驚いた。
「でも2人だけだと戦力が不安でしょ」
「「……はい」」
卒業試験で痛感した。
自分達が弟子の中でも最弱だと言うことが。
それをライル様に言われると胸が痛い。
「それでこれをあげます!」
「「え?」」
ライル様の指差す先には謎の人形が2体あった。
「これは?」
「ゴーレム。フリードとショーグンとセイリューの素材を使ったゴーレム」
「「え!」」
「卒業試験は2人には向いてない内容だったから気にするな。強くなるには苦手を無くす必要もあるけど、俺は強みを伸ばす方が好き。まあ最低限みたいな基準はあるけどね」
「「はい」」
「まあゴーレム2体作って誰かにあげるかーって考えたら、フィンとフォンが浮かんだだけなんだけどね。この子達ともっと強くなってくれ」
「「わかりました!!」」
俺達はライル様から説明を受け、自分達が持ってる魔石で一番いいのをゴーレムに嵌めた。
するとゴーレムは動き出した。
「うん。いいね」
「「ありがとうございます!」」
「ちゃんとパーティ申請しといてね。国王のあれこれが終わったらロサキを拠点に頑張ってもらうから」
「「はい!」」
俺達はゴーレム達とライル様の家を出た。
▽ ▽ ▽
「うん。いいでしょう」
ゴーレム2体はフィンフォンと一緒に生活することになった。
「あ!パーティ名のこと言い忘れた。まあ今回に関しては諦めるか」
あの2人に鬼将軍をパーティ名に入れちゃダメは酷すぎるか。
「あとガチャ関係だと、飲食店になんのマジックアイテムを置くかだな」
俺はマジック製造機カタログをパラパラと見ていく。
「うーん。お酒なのか?マジックドリンク製造タンクがまだ3つあるけど追加すべき?」
俺は悩んだ。
各店舗でビールを提供できるようにしたい。
わざわざライルレストランから運ぶのではなく。
あと炭酸水とかもあり。
「よし。後悔したら頑張って魔石を貯めるから許して!」
俺はマジックドリンク製造タンク×3を選択した。
「あー失敗したかな。大丈夫かなー」
とりあえず明日、みんなを集めてマジックアイテムの分配を話し合おう。




