389.遠征の約束
夕飯の時間だ。
弟子達はほぼ全員ヤルクに帰っている。
俺からの指示はデスヘルでの活動をするか、ダンジョン攻略をするかだ。
デスヘルに力を入れたい理由は、危険地域にいたサンタを警戒してだ。
そんなに身体能力が高いとは思えないが、スキルの扱いが本当にうまかった。
長い年月使っていないとあそこまで極められないだろう。
王都に残ったのはゴーレとセフィーナさんと準決勝まで残った6人だ。
まあご褒美みたいなもんだ。
客もいる。
ゴトフとクラリとイタロとハンとルサンナだ。
セフィーナがみんなと一気に会えるようにスケジュールを調整してくれた。
俺が料理を運ぶと、みんなは卒業試験の話で盛り上がっている。
ハンはルークにいろいろ聞いている。
試合後にも話していたが、剣を使う者同士なので話が合うのだろう。
イタロは意外にもシャルに色々聞いている。
シャルは近接も魔法もバランスよく、いいアドバイスを聞けるだろう。
クラリはカシムと話している。
理由は言わずもがなだ。
ゴトフとルサンナはセフィーナさんと話している。
遠くから見ても感じられる熱量。
確実にサーカスの話だ。
トカザックで公演が出来るように話しているのだろう。
「ライル。何作る?」
チャールズ兄はいつものように俺と料理だ。
座ってていいと言ったが、一緒に料理を作るのがご褒美らしい。
俺達は話が盛り上がるように全力で料理を作り続けた。
▽ ▽ ▽
料理も出し尽くし、俺とチャールズ兄もゆっくりしていた。
するとイタロがやってきた。
「ライル。今日はありがとう」
「美味かった?」
「うん」
「夏の長期休暇にイタロの国に行く話ってまだ生きてる?」
「いいよ。色々食材を買いたいんだったよね?」
「うん。香辛料とコーヒーと紅茶!あとは砂豆も気になってる」
「コーヒー?」
チャールズ兄が首を傾げる。
「チャールズ兄。パン屋で出すべき飲み物だよ」
「え!!!絶対欲しい!!」
さすがのパン愛だ。
そんな話をしているとハンもやってきた。
「我が国にも来てくれるよな?」
「うん。行きたい!ソバ!ソバが欲しい!」
「任せてくれ」
「でも長期休暇で2か国行けるか?」
「うーん」
2人は黙ってしまった。
「長期休暇は50日程だから難しいかもよ。ライルはいろいろやらなくてはいけないことがあるからすぐに出発できないだろうし」
ゴトフが代わりに答えてくれた。
「だよね。じゃあ今回はイタロの国に行くよ」
「え!」
「ハンの国は冬の長期休みかみんなが卒業してからかな?」
「これはしょうがないか」
ハンは少し落ち込んでいたが、ゴトフがまだ学園に在学するので時々会いに行くと言ったら喜んでくれた。
「2人の国に行ったらさ、小さくてもいいから土地を買いたいんだ」
「え?なんで?」
「うちにはテイムモンスターがいっぱいいるでしょ?だから宿とかだと色々厳しくて。それにスキルで家は作れるからさ」
「「え!」」
2人は驚いていた。
「この家も俺が作ったんだよ」
「すごい」
「なるほど。それなら宿を借りるより、作った方が楽かもな」
「だから買えるように案内してくれる?」
「ああ」
「うん」
まあ嘘は言っていない。
『秘密の通路』の話はできないが。
話を詰めて、国王との謁見が終わり次第向かうことになった。
▽ ▽ ▽
みんなが帰った後、俺は試したいことがあった。
昨日IF決勝戦をしたときに感じた変化。
加護を一時的に授かった影響なのか、魔装と魔力循環が凄くできるようになってた。
そのおかげかIFルートで4回優勝できた。
俺は目を瞑って、魔力循環を試す。
物凄くスムーズに循環できている。
しかも森帝のロッド無しでだ。
「加護が残っているって思えるほど強くはなってないな。加護を受けてるときの経験で身体が覚えたのか?」
俺は色々試した。
森帝のロッドを使うと、魔装と魔力循環を同時に使える。
昨日はこれのおかげでギリギリ勝てた。
今度ヒューズさん達にも聞いてみよう。
▽ ▽ ▽
「ライル」
「ん?誰?」
眠い中俺は返答した。
「俺だよ。ベースラニア」
「え!?ベースラニア様!!」
目を開けると真っ白な謎な空間にいた。
「『ガチャ』治しておいたから」
「え!ありがとうございます!!」
「ただ聖剣の反動は残ってて、ライルからしたらだいぶ改悪かもしれない」
「えーあーわかりました」
「ただ、君のほしいガチャが出やすくはしてるから」
「ありがとうございます」
「じゃあ頑張ってね。改悪な部分はすぐに治せるかはわかんない。反動が完全に無くなったらすぐ改善するようにするから」
「わかりました。あのー」
俺は声をかけるが、再び眠気に襲われた。
▽ ▽ ▽
翌朝、夢を信じてガチャを使ってみることにした。
所持ポイント0
「え?ポイントって使い切ったんだっけ?」
正直あんまり覚えていない。
もし反動でポイントが無くなってるとか考えたくもなかった。
俺は気を取り直して、ガチャのラインナップを確認した。
☆飲食店ガチャ
飲食店経営に必要なアイテムが入っているガチャ!
ほとんどがマジックアイテムだよ。
1連 1,000P 10連 10,000P
☆職業ガチャ(農家)
あなたの職業に関係するガチャだよ!
1連 500P 10連 5,000P
☆魔楽器ガチャ
特殊な効果が付いてる楽器がいっぱい!
1連 2,000P
☆工業ガチャ※1回限り
何かを作りたい、でも作れない貴方のためのガチャ!
1連 10,000P
☆ゴーレムガチャ※1回限り
今あなたが必要としているガチャ!必要だよね?
5連 30,000P
☆前世ガチャ
あなたのためになるガチャだよ!
10連1回限りの限定ガチャ!
10連 50,000P
「は?」
悲しいことに『ガチャ』は大幅な値上げが起きていた。
これが改悪か。
改善しないと引かない!って運営に抗議するべきだ絶対に。
「でも回したい!!!」
うちの倉庫にはこのために魔石を大量に貯めていた。
「ゴーレ!」
「いかがなさいましたか?」
「使わない魔石を全部持ってきてくれ」
「わかりました」
ゴーレはそう言ってヤルクに向かった。
数分後、ゴーレが持ってきた魔石をすべて突っ込んだ。
所持ポイント97,654
「わあ。凄い量だ。みんなありがとう」
寝ている間にみんなが集めてくれていた魔石が凄いポイントになった。




