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388.事後処理の日

弟子達は全員卒業せずに退学することが決まった。

みんなで話し合って決めたみたい。

入学当初から卒業しなきゃいけなかったのは俺だけだったし、弟子達も数か月で得れるものがあっただろう。


今日は諸々やることを終わらせるために動く予定だ。

すべてのスケジュールをセフィーナさんが組んでくれていた。

ライル商会の人間じゃないのに。

ほんとすみません。


まずは朝から学園だ。

あまり人目に付かないようにしたいらしく、第3演習場だ。


俺とゴーレが到着すると、ヤイダラール先生と謎の集団こと【ドルビダ一家】がいた。


「ライル。わざわざすまない。それに今回の件、申し訳なかった」

ヤイダラール先生は頭を下げた。


ヤイダラール先生はペパイドを捕まえるために【ドルビダ一家】を泳がせていたらしい。

話を聞いて色々繋がった。

どう考えてもおかしい。

どう見ても学生の見た目じゃない人が何人かいた。


「まあいいですよ。そんなに脅威じゃなかったんで」

俺がそう言うとドルビダ一家は苦い顔をした。


「それでドルビダだっけ?」

「ああ。私がドルビダだ」

「ペパイドに秒でやられたドルビダさん。何か用ですか?」

「くっ!」

先制はこんなもんでいいだろう。


「ヤイダラール先生からは、どんな命令でも聞くって言ってたと聞いてますが」

「ああ。その通りだ」

ドルビダ達は悔しそうな表情をしている。


「冒険者登録はしてます?」

「ナハナで登録をしている。迷宮にしか入っていないからランクは全員Fだ」

「ほー」


ぶっちゃけ戦える人間は結構いる。

ドルビダの力は未知数だが、俺よりは強い気がする。

うーん。

俺は悩んだ。


「謝罪は受け入れるので、命令を出します」

「なんだ?」

「傭兵人生終了。カラッカ領のデスヘルで冒険者ランクをCにすること。Cランクになったら従業員として雇うか考えてあげる」

「め、命令ってそんな長期なものなのか?」

「あ?」

俺はドルビダを睨んだ。


「依頼の裏も確認せずに学生の卒業試験に乗り込み、全員学生にやられたドルビダ一家さん。何か言いましたか?」

「い、いえ」

「傭兵だか何だか知らないけどよ、学生に負けたら引退だろ普通!!え?学生に負ける傭兵を誰が雇うんですか!!」

ドルビダ一家は俺が喋るたびに暗い顔をする。


「だったら迷惑かけたお詫びに尽くすべきなんじゃないのか?あ?謝ってちょっと命令聞いたら、学生にボロ負けした過去は消えるんですか?」

「き、消えないです」

ドルビダの美形の顔が歪んでいく。


「じゃあそういうことで!デスヘルに付いたら【光剣の輝き】から俺に繋いでもらって」

「は、はい」

俺は落ち込んでいるドルビダ一家を無視して、次の目的地に向かった。


▽ ▽ ▽


俺は学園の特別棟に来た。


「ジェネッタ先生!」

「ライルさん。良かったわ元気そうで」

「無事卒業しました。その挨拶をしに来ました」

「そう!それは良かったわ」

「それとジェラルドンさん達がここにいると聞いてきたんですけど」

「奥にいるわ」

俺はジェネッタ先生に案内されて特別棟の奥へ入った。


奥の部屋にはジェラルドンさんとテルマリアさんが居た。

「ライルさん!王都を出る前にお話ししないとと思ってたんです」

「俺もです。次の公演は決まってるんですか?」

「はい!拠点に一度帰って少し休んだら、カラッカでやることになりました」

「え!カラッカでですか」

「はい。セフィーナ様が領主様とお話しする機会をくださって」

「なるほど。ゴトフから話聞きました?」

「え?」

ジェラルドンさんは首を傾げた。


「学園にガト王国の王子とサオラル共和国の元首の息子がいるんです。その2人にサーカスの話をしたので、もしかしたら他国で公演ができるかもです」

「「えええ!!」」

ジェラルドンさんとテルマリアさんは驚いていた。


「そんなことに!」

「はい。国内だとチバラスとかエサトスとかトカザックとかはすぐに出来そうですけどね」

「これは頑張んないといけませんね」

「はい。支援はしますので、頑張ってください」

「「ありがとうございます!」」


俺はジェラルドンさん達の拠点の場所を聞いた。

ポロデ領というところで、詳しい場所はセフィーナとゴトフが確認済みらしい。

本当に優秀だ。


俺は特別棟を出た。

そしてみんなの退学手続きをして、次の目的地だ。


▽ ▽ ▽


昼過ぎになった。

俺はセフィーナさんとゴーレと黄盾騎士団の訓練所に来た。

王都には王城を囲うような位置に各騎士団の訓練所があるらしい。


中に入ると、騎士が訓練をしていた。

武術の最初の授業で模擬戦をした新人騎士達もいた。


オステオさんの執務室へやってきた。


「おお。来たか」

「はい。色々報告すべきこともあるので」

「私も話したいことがある」


あの日、俺はオステオさんと話した後に危険地域へ飛ばされていたことを伝えた。

そこでものすごく強い赤い服の男が居たことを伝えた。


「なるほど。ライルが居なかったのはそういうことか」

オステオさんはスキルを使ってから動くことができないので、国王席から戦いを終始見ていたらしい。


「赤い服の男も危険ですけど、それよりも俺とゴーレを飛ばしたやつの方が危険です」

「そうだな」

騎士団として国王を守るオステオさんは真剣なまなざしで頷いた。


「たぶんですけど、飛ばされる前に触れられました。それが条件かもしれないです」

「わかった。情報をありがとう。そしてこの国を救ってくれてありがとう」

オステオさんは頭を下げた。


「いえいえ。オステオさんが居なかったら、襲われてたのは闘技場だけじゃなかったですし、あのスキルのおかげでみんな全力で戦えたんです」

「そう言ってもらえると助かる」

オステオさんは申し訳なさそうにしていた。


セフィーナさんが口を開いた。

「国王陛下との謁見はいつになりますか?」

「ああ。まだ連絡してなかったな。国王様は数日後にヤルクへ向かうぞ」

「「は!?」」

俺とセフィーナさんは声が出た。


「いや、アイリーン王女様が是非と言い出して」

「なんでなんですか。そんなヤルクに来ないとダメな理由があるんですか?」

「いやない。英雄の称号を疾風の斧とガッツに授与をする。それとぺパイドの件の褒賞を渡すだけだ」

「は?英雄?」

「ああ」

俺は首を傾げた。


「英雄の称号を持っているのは、この国だと数人だけだと思いましたが」

「そうだな。10人もいないはずだ」

「オステオ様もお持ちでしたよね」

「そうだな。身近な者だと私と赤槍騎士団長のアルルハド団長と灰魔騎士団のメラキッド辺境伯が持っていたはずだ」

「その称号を疾風の斧とガッツ様に与えると」

「そういうことだ」

「しかもヤルクで」

「ああ。アイリーン王女の希望だ」

セフィーナさんはアイリーン王女の名前を聞いて頭を抱えた。


英雄の称号とかよくわからん。

英雄って言われたら、ジェイクのエクストラスキルを思い出す。

あれは名前負けしてるよなー。


関係ないことを考えている俺をセフィーナさんが肘で突く。


「それでヤルクにはどれくらいの規模でいらっしゃるんですか?」

「国王様とアイリーン王女。そして護衛に黄盾騎士団が5名と赤槍騎士団から10名行くことになると思う」

「わかりました。準備をしないとですね」

セフィーナさんは少しめんどくさそうな顔をしていた。


「オステオさんも来るんですか?」

「ああ。行くつもりだ」

「赤槍騎士団ってさっき名前が出てませんでした?」

「英雄の称号を授与された1人だ」

「まじか。それはちょっと楽しみかも」

オステオさんと同じくらい強い人は少し興味があった。


「オステオさん。騎士団の宿泊と食事をうちで提供しますよ」

「いいのか?」

「はい。その代わり弟子達と模擬戦してもらえます?」

「あーなるほど」

オステオさんは俺の考えがわかったようだ。


「授業の時みたいにしてほしいってことだな」

「はい」

「問題ないが、そうなると連れて行く奴を考え直さないと」

「赤槍騎士団の方にも伝えてもらえますか?」

「わかった。アルルハドと相談しないといけないな」

オステオさんは少し悩んだように答えた。


「国王様と王女殿下は領主代行館に泊めますので」

「わかった。伝えておこう」


俺はめんどくさそうなことになったと悩んでいるセフィーナさんと共に家へ帰った。


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