384.VSドーグラン・ペパイド③
俺達は恐竜の群れと戦っている。
ティラノサウルスにスピノサウルス。
それに大量のラプトルだ。
「ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!」
風の矢がラプトルに突き刺さる。
ラプトルは倒れると煙になって消えた。
これはモンスターじゃない。
死体にならないってことは、誰かのスキルで召喚された可能性が高い。
「ゴーレ。近くに人の気配は?」
「ありません」
「マジか」
俺は武鬼に着替えて、武鬼斧で攻撃をする。
ギャアアアアアオ!
「元の世界だと絶対無理だけど、今なら倒せるんだよね」
俺は武鬼斧をティラノサウルスに振り降ろした。
ギャアアアア!
体を大きく振って俺にぶつけようとするが、すぐに距離を取る。
「ワープ!」
ゴーレはスピノサウルスと戦い、ライムはラプトルの群れと戦っている。
このまま続ければ倒しきれるだろう。
▽ ▽ ▽
痛みで頭が朦朧とする。
目を開けると闘技場が岩の針だらけになっていた。
「みんな大丈夫か?」
「うん。ギリギリー」
「私も」
リリアンとクララは怪我をしているようだが無事みたいだ。
他のみんなはやられたみたいだ。
「あれってペパイド?」
「たぶんな」
俺達の目の前には肉と岩が混ざった身体の人型の何かが居た。
額の魔石と左右が獣の頭の形をしているからペパイドだとギリギリ判断できた。
ポーションや回復魔法で、時間を稼ぐのももう限界みたいだ。
ライルがここに来ないってことは何かに巻き込まれたみたいだ。
一番こいつを殴りたいはずなんだがな。
「グラアアアアア!!」
クララに向かって行くペパイドに合わせて、瞬間移動をする。
「俺を無視するなよ!」
拾った短剣を投げつけるが弾かれる。
まあいい。
こっちに意識が向けば。
「リリアン!俺ごと行け!」
俺がそういうと、リリアンの頭上にあった火の槍と石の槍がペパイドに飛んで行く。
「ぐっ!」
ペパイドは俺のことを掴むと、リリアンが放った魔法に向けて投げた。
クソが。
俺は石の槍と火の槍を食らってしまった。
視界がぼやける。
リリアンが殴られ、クララは地面から突き出された石の槍が刺さった。
「ラアアアアアイイイイイイルウウウオオオオ!!!!!!」
叫びながらリリアンに近づく。
「ドオオオオオコアアアア!!!」
ペパイドはリリアンの顔を踏み潰そうとしている。
俺はリリアンが元に瞬間移動して、ペパイドの脚とリリアンの間に入る。
リリアンが解体用のナイフを持っててくれてよかった。
「ぐっ!」
俺は踏みつけられ、首を掴まれた。
ペパイドの右手がどんどん石に覆われる。
石は鋭くなっていく。
「すまん。ライル後は頼む」
▽ ▽ ▽
恐竜を倒し終わった。
誰かのスキルだからか、普通のモンスターよりも強く感じた。
「ゴーレ、ライム。早くいこう」
「はい」
ポニョン!
俺達はデスヘルに向かおうとすると、何かが遠くの空からこちらに向かって来ていた。
「次はなんだよ」
近づくとソリのようなものが空を飛んでいるのが見えた。
しかもそれには見慣れた人物が乗っていた。
赤い服に白髪で髭。
サンタクロースだ。
「ホーホーホー!」
そのサンタは俺達の前にソリを止めた。
「あれ?かわいい子がいるじゃないですか」
サンタは俺を見て舌なめずりをした。
「お前はなんだ?」
「ホーホーホー!死んでるって聞いたんですが?私へのプレゼントですかね?」
「おい!聞いてんのか!」
サンタは俺を無視する。
「君みたいな生意気な子供が私は大好きなんですよ。殴ってあげると自分が何もできないって理解して可愛らしくなるんです」
このサンタが本当に気色悪い。
「質問に答えろ」
「じゃあ、このプレゼントのお返ししますね」
サンタが白い袋から大量のプレゼントボックスを俺達に投げた。
ドゴン!
ドゴン!
ドゴン!
プレゼントボックスは爆発した。
ライムが守ってくれなかったら、たぶん死んでいた。
「ホーホーホー!そこのジジイとスライムは殺せると思ったんですけどね。直接殺せばいいですよね」
サンタは大きな棒状のキャンディーを取り出して俺達に向かってきた。
サンタは棒型キャンディで俺とゴーレに攻撃をしてくる。
「ホーホーホー。なかなか戦えますね。あいつが邪魔だと感じるのも納得いきます」
「おい!あいつって誰だ!」
「やっぱり子供は可愛いですね。そんなに怒った顔をしないで。泣き顔が一番可愛いんですから」
本当に胸糞悪い奴だ。
「ワープ」
「はい!プレゼント!」
サンタが出したプレゼントが不自然な動きで俺の目の前に飛んできた。
ボゴン!
「ぐわっ!」
俺は爆発を食らった。
「ホーホーホー!プレゼントは子供には勝手に届くものなんですよ。あっ!」
「マスターに手は出さないでいただけますか」
隙をついたゴーレがサンタを斬りつけていた。
サンタは小刻みに震えだした。
しかしサンタ服の中に何かを着ているのか、サンタ服しか斬れなかった。
ダメージを追ったわけではないみたいだ。
震えていたサンタがピタッと止まると大声で叫んだ。
「てめぇ!!!俺の服に何してんだ!!これがねーと子供が寄ってこないだろおおおがああああ!!!」
サンタは怒り狂っていた。
「ジジイとそこの気持ち悪いスライムはこいつらが相手するから。俺はあのガキの全身を愛でてやりてぇんだよ」
サンタがそういうと、細身の雪だるまが2体召喚された。
「凍え殺せ」
雪だるまはゴーレとライムに向かっていた。
「ジジイ!てめえは凍え死ぬだけじゃねーからな。轢き殺せええええ!!」
サンタが乗っていたそりがゴーレに向かって飛んで行き、猛スピードでぶつかった。
その衝撃でゴーレは吹き飛ばされた。
その様子を見たサンタは俺の方を見た。
「さあさあ。いっぱいプレゼントをあげるからね。名前はなんていうのかな?今日は忘れられない日にしてあげるからね」
「ワープ!」
「逃げるなあああ!!」
プレゼントが俺を目掛けて飛んでくる。
「ワープ!ワープ!ワープ!」
俺は追ってくるプレゼントを避け続けるが、止まらずに追ってくる。
俺は諦めた。
「魔装!」
ドゴン!ドゴン!ドゴン!
プレゼントは爆発した。
魔装のおかげでダメージは少なくなったはずだ。
その様子を見ていたサンタはにやりと笑った。
「君はいっぱい遊べそうだね」
▽ ▽ ▽
ヤルクの教会に到着した。
5人はすぐに九神の像の前に跪いてお祈りを始めた。
「九神様。お言葉通り、教会で祈りをささげようと思います」
シスターユーア様がそういうと、教会の床や壁が光り出した。
私はその状況に息をのんだ。
「俺は九神のベースラニア」
「え!」
私は急いで口を塞いだ。
まさか私は神様の声を聞いてるんですか。
「そうだ。緊急事態のため、シスター達だけではなくセフィーナにも声を届ける」
「はい!ありがたき幸せ」
私はすぐに跪いた。
「現在、お前達も知っているように大変なことが起きている。それを解決するために、お前達が望む者に加護を与える」
「私達が望む者?」
「ああ。お前達が望む5人に一時的な加護を与えよう。だが加護が無くなると体に負担がかかり、3日は目覚めないだろう。さあ加護を与える者を決めろ」
シスター達は一斉に私を見た。
「では・・・」




