382.VSドーグラン・ペパイド①
ヒューズさんとガッツさんを先頭にペパイドに向かって行く。
ガッツさんは『雷虎纏い』の状態でペパイドに殴りかかる。
ヒューズさんも島砕を振り降ろす。
しかし2人の攻撃はペパイドに当たる前に弾き飛ばされた。
「ライルくん手伝って」
リリアンさんは大量のフレイムアローを頭上に作り出していた。
「わかりました。ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!ウィンドアロー!」
「いける?」
「はい!」
返事をした瞬間、頭上で爆発が起きてフレイムアローもウィンドアローも消えた。
「は?」
ペパイドがこちらに手のひらを向けている。
何か魔法を放って、俺らの魔法を消したみたいだ。
「なんなの、あの魔力量」
リリアンさんは苦笑いしている。
「「「ラアアアアイイイイルウウウウオオオオ!!!!!」」」
ペパイドは叫びながら俺に向かってくる。
リリアンさんがストーンウォールを何枚も俺の目の前に出すが、ペパイドは気にせず突っ込んでくる。
俺は鬼潰棒を構える。
「「「ジャアアアマアアアデアアアアア!!」」」
ペパイドは膨れ上がった腕で俺を殴ってくる。
俺は鬼潰棒で防ぐが吹き飛ばされる。
闘技場の壁に当たる寸前で、ノヴァがキャッチしてくれた。
「観客と怪我をしてる弟子達の避難は終わったよ」
「あ、ありがとうございます」
ペパイドを見ると、巨人化したガボガとミゲミとネゾネが押さえこんでいた。
ガボガは巨大な獣、ミゲミは岩の身体、ネゾネは武器の身体になってペパイドを攻撃する。
「「「ガアアアアアア!ジャアアアアマアアアダアア!!!」」」
ペパイドは跳び上がり、巨大な石の手を出して3人を地面叩きつけた。
「ぐっ!」
「何やってんだあいつら」
ノヴァはそう言ってガボガ達の加勢に向かう。
俺も向かおうとすると声を掛けられる。
「私達も戦えるよ」
そう言ったのはアメリアだった。
アメリアの後ろには剛角と強弓と重鎧のメンバーが居た。
「ごめん。倒す方法を考えるから、ヒューズさん達と協力して」
「うん。任せて!」
「「「「「「わかりました」」」」」」
剛角と強弓と重鎧はペパイドに向かって行った。
▽ ▽ ▽
ペパイドの襲撃に気付き、すぐにスキルを使った。
国王様と王女殿下達を守るためだ。
この場にヒューズとガッツ、それにライル商会の冒険者が居たのは助かった。
しかし戦況はやや劣勢。
国王だけでも無事に逃がさないとならない。
「オステオさーん!」
声をかけてきたのはライルだった。
「おい。大丈夫なのか?」
「いや、やばいです」
ライルには珍しく弱気な発言だった。
「観客はうちの従業員が逃がしたそうです!国王様も今なら避難できるかと」
「そうか」
「避難させたら、スキルで俺達を囲ってください」
「は?」
「とにかくお願いします。ソブラの時と似てる状況です。ペパイドが王都の人を襲わないためにも俺達ごと囲ってください」
私が返答しようとすると、国王様が口を開いた。
「ライル。勝てるか?」
「うーん。勝てないかもしれないですが、あいつが好き勝手出来ないようにはします」
「わかった。信じてるぞ」
国王様の口元が少し笑ったように見えた。
「おい。すぐに避難だ。私はさっきの話の通り、ここに残る」
「私達も!」
「国王様を安全な場所にお連れするのが先だ!バカなことを言う前に動け!」
「はい!!」
私は部下に指示を出して、スキルを解除した。
▽ ▽ ▽
「よし」
俺はステータスを確認するが、『ガチャ』は復活していない。
「どうするか」
俺は戦場を見た。
戦闘できそうなのは疾風の斧・雷虎の拳・海獣の高波・戦場の毒花・剛角・強弓・重鎧。
鬼将軍の剱は卒業試験でほぼ動けず避難。
鋭牙とフィンフォンも同じく避難。
俺がドルビダと戦ってたらやばかったかもな。
俺の予想ではいつかはわからないが、最終的には自滅すると思う。
ソブラと似ている状況だが、意識がしっかりしていない。
ソブラと共に襲撃しに来た貴族の様子に似ている。
「時間稼ぎがメインかな。倒すのはあわよくばになりそう」
意識がしっかりしてないが、ソブラよりもだいぶ強く感じる。
「まあ、やれることをやりますか!」
俺は鬼速に着替え、森帝のロッドを握る。
「マスター」
振り返るとゴーレとライムと知らない男が居た。
「え?その人は?」
「その人?」
ゴーレは首を傾げた。
「私はですねー」
男は俺とゴーレに触れた。
「送信!」
「は?」
▽ ▽ ▽
「おい!リリアン!全部投げてくれ」
「わかったわ。増殖」
リリアンはマジックバッグから大量の武器を散らばらせて増殖させた。
俺のエクストラスキルは『武器拾い』。
戦争孤児の時に戦場で武器を拾って売っていたからかこんなエクストラスキルだ。
俺はペパイドの背後の剣へ瞬間移動をする。
「さすがに食らってくれよ!」
俺は剣を振るが、ペパイドの横の顔と目が合う。
そして足元からの石の柱が出てきて吹き飛ばされる。
「くっ!なんだよそれ!」
受け身を取ると、闘技場が透明な壁に覆われた。
これはオステオさんのスキルか?
ライルがさっき話しかけてたからあいつの指示だろう。
「いい判断だが、俺達だけで倒すってことだな鬼将軍」
ガッツやリリアンもライルの意図に気付いたみたいだ。
2年前はお前1人にやらせたからな。
大人の力も見せてやる。
俺は再びペパイドの近くにある剣に瞬間移動して、剣を突き刺す。
しかし石で纏った腕に防がれる。
「ヒューズさんスキル借りました!」
ペパイドの後ろに現れたのはゾーイだった。
ゾーイは大槌を拾って振り降ろした。
ペパイドは両手で大槌を防ぐ。
ゾーイは『スキルコピー』で俺の『武器拾い』を使っているみたいだ。
俺とゾーイは移動と攻撃を繰り返す。
「「「ラアアアアイイイイイルオオオ!!!」」」
剣や斧がペパイドの身体に刺さってはいるが、効いてはいないみたいだ。
「ヒューズさん!ゾーイ!避けて!」
遠くの方から声が聞こえ、『武器拾い』で少し離れようとするがペパイドが地面から出した石の槍が当たる。
「くっ!」
俺とゾーイはアメリアの元へ『武器拾い』で移動した。
「悪い。結構抉られた」
「わ、私もです」
「大丈夫です。すぐに治します!ヒール!」
俺とゾーイの回復の間、ガッツが『雷虎纏い』でペパイドと戦っていた。
「おい!どこ攻撃するのがいいんだっけ?」
「額の魔石だよー!ガッツ!ちゃんと避けて!」
「は?」
ガッツが振り向くと、クララと強弓が矢を放った。
「あぶねーよ!」
4本の矢が額の魔石に向かって飛ぶ。
「「「ジャアアアアマアアアダアアア!!」」」
ペパイドは左右の頭で矢を弾く。
そしてペパイドは矢を放った強弓に向かって走り出す。
コルカーがそれに気づき2人の前に出る。
「岩纏!!」
「「「ドオオオゲエエエ!!!」」」
コルカーはペパイドを掴んで持ち上げる。
「今だあああ!額の魔石を狙え」
「コルカー!ありがとう」
アルナは弓を引き、ペパイドの額に向かって矢を放つ。
「ギャララアアアアア!!」
矢が当たる瞬間、左右の顔が爆音で雄たけびを上げる。
空気が揺れて矢がそれた。
そしてゴキッという音が聞こえる。
コルカーの岩を纏った腕が変な方向に曲がっていた。
「ぐああああ」
腕が折れたコルカーの頭を掴み、ペパイドはアルナに投げつけた。
アルナはものすごい速さで飛んでくるコルカーに当たって気絶をしてしまう。
「「「ラアアアアイイイイイルオオオ!!!」」」
ペパイドはそのままナーリアに向かって行く。
「アクアシールド!!」
ナーリアのアクアシールドはペパイドに破壊され、首を掴まれる。
「ぐぐ、エ、エアロアロー」
ナーリアのエアロアローを食らってもペパイドは微動だにしない。
ナーリアの首を掴む力がどんどん増していく。
ナーリアは気絶をした。
「その手を放してねー」
宙を浮く大槌がナーリアを掴んでいる腕を弾き、バリスタから次々と矢が放たれる。
クララがナーリアを救出しペパイドから離れる。
バリスタと大槌の攻撃は止まらない。
「ガアアアアアア!!!」
ペパイドは叫ぶ。
少しはダメージを食らっているみたいだ。
大槌はペパイドの足元に入り、宙に打ち上げた。
宙に浮いたペパイドに大きな釣り針が引っかかる。
「1かー。本当運がないな。さっきの分を取り返しに行くよ」
ノヴァが釣竿を振って、引っかかったペパイドを地面に叩きつけた。




