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339.チバラス領

出発してから6日経った。


セフィーナさんとカレンさんの訓練は順調だ。

セフィーナさんの魔力は増えたし、魔力操作もそれなりにできるようになった。

カレンさんの『水洗い』はモップから水を出せることがわかり、やってもらったがもはや水魔法だった。


メイスは棍術で箒とモップは棍術か棒術なので、『双棍術』と『棒術』を取得している俺が戦い方を見せたりした。

そのおかげかぎこちなかった動きがちょっとぎこちない程度にはなった。


「マスター。正面に建物が」

「なんだろ」

馬車から身を乗り出して見てみると、街道を挟んで建物が2つあった。


「とりあえず行ってみよう」

「わかりました」

ここら辺はチバラスとの領境らしいから、検問所や関所のようなものだろう。


近づくと武装した兵士が出てきた。

「ライル商会のライル商会長の馬車でしょうか?」

「はい。そのとおりです」

ゴーレが答えた。


兵士は馬車や弟子達をジロジロ見ていた。

「確かに。ゴトフ様から伝言を預かっています。こちらの場所に来てほしい」

そう言って兵士は地図をゴーレに渡した。

「ありがとうございます」

「こちらは通っていただいて大丈夫なので。お気をつけて」

フリードはそれを聞いて進み始めた。


「マスター。地図の場所へ向かいますがいいですか?」

「うん。お願い」

わざわざ呼び出すということは、地図の場所の土地をもらえたんだろう。


俺達は無事にチバラス領に入ることができた。


▽ ▽ ▽


数時間後、大きな山に近づいてきた。


「ゴーレ。目的地は山?」

「そうですね。山の麓辺りです。地図にはワカチ山って書いてあります」

「ワカチ山ね」


馬車が進んでいくと、遠くの空に何かが見える。

たぶんあれはグリフォンだ。


数分後、大量のグリフォンの中心にはゴトフ達が居た。

知らない人も10人くらいいる。


「ゴトフ!」

「あーライル。思ったよりも早かったね。よかったー伝言聞いてくれて」

ゴトフは嬉しそうにしていた。


「なんでこんなところに呼んだんだ?」

「ああ。ここが父上からもらった土地なんだ」

「おー」

予想通りだった。


「しかもライルの渡してくれたお土産のおかげでタダでいいって」

「え?まじか。あげてみるもんだな」

ゴトフの交渉がスムーズにいくように持たせたものだったが、うまくいきすぎだ。


「えーっとこれにサインをお願いしてもいい?」

「あーちょっと待って一応確認をしてもらう」

俺は魔法の放ちすぎで休んでいたセフィーナさんを呼んだ。


「えーもう到着したんですか?ああゴトフ様」

「セフィーナ様、おはようございます」

「あ!失礼しました。えーっとライル様、私は何をすれば」

「ここの土地をもらえるんだけど、契約書の確認を」

「わかりました」

セフィーナさんはライル商会ではない。

だけどこういう時は全面的に助けてもらう。


「はい。問題ありません。ただゴトフ様が関与する事業を目的とした利用のみ可となってます」

「問題ないですかね?」

「はい。街や店舗などを作らなければいいと思います」

「ありがとうございます」

俺はすぐにサインをした。


「じゃあ早速やっちゃうね」

「うん。お願いします」

「秘密基地!」


中々広めの土地だが、山に掛かっているせいで高低差がある。

これは利用するしかないな。


バッフン!バッフン!


▽ ▽ ▽


中々良い拠点ができた。



壁壁壁壁壁門壁壁壁壁壁 I

壁家家▢▢▢芝芝従従壁 H

壁家庭庭坂▢芝芝従従壁 G

壁庭庭庭坂▢倉従従従壁 F

壁坂坂坂坂▢坂坂坂坂壁 E

壁厩厩厩厩▢厩厩厩厩壁 D

壁芝芝芝芝▢芝芝芝芝壁 C

壁芝芝芝芝▢芝芝芝芝壁 B

壁壁壁壁壁門壁壁壁壁壁 A

012345678910



坂が多かったため、3段の拠点にした。

グリフォン達が生活する1段目。

従業員が暮らす所と倉庫がある2段目

ゴトフがの家兼『秘密の通路』を設置予定の場所を3段目にした。


高低差があるので城壁を重ねる必要があったがうまくいってよかった。

道も坂の部分は馬車が通れるようにスロープにしてある。

平地側の門と山側の門の2つを作ったので出入りも問題ないだろう。


後は細かい修正だけだ。


「「「「「おおおお!!!」」」」」

後ろから歓声が上がった。

ゴトフと一緒に居た知らない人達だ。


「ライル!ありがとう」

「あとは細かい所を修正していくから言って」

「うん」

「ところであの人達は?」

「あれは僕についてくることになった、元使用人やメイドや兵士だよ」

「え!従業員ってこと」

「うん。父上が付いて行きたいとやつは連れて行っていいって」

「まじか。よかったな。六男なのに」

「七男ね」

俺は門に入り、ゴトフと話しながら修正をしていった。


「てかなんでこんな場所なの?」

「ここら辺は全然街がなかったんだ」

「へーなんで?」

「父上がソブラを信用してなくて、ソブラと隣接しているところには街や村を作らなかったんだ」

「なるほどね」

「伝言を渡した関所、あそこはソブラ領警戒するために作ったんだ」

チバラス公爵はだいぶ優秀なようだ。


「父上もソブラを怪しんでたけど立場的に動けなかったみたいで」

「公爵だから?」

「ああ。ライルは知らないのか。父上は国王様の弟なんだよ。あと騎士団長もやってる」

「え!」

まさかの事実だった。

国王の弟の息子が目の前にいる。


「父上は国王様と仲が良いんだけど、やっぱり父上を使って王家を乗っ取ろうとするやつらが居たんだって。そういうのがめんどくさいから王にはならないと表明し、国王を守るための騎士になり、王国に隣接する領地をもらったんだ」

「ほーなるほど」

これはめんどくさいことにならないか不安だ。


「話を戻すけど、ソブラ領が無くなったことで父上はこの地にも街を作ることにしたんだ」

「近くに街が?」

「五男の兄上が管理している街が馬車で2時間くらいの所にあるよ。その街の発展も考えて、ここに拠点を作る許可を出したんだと思う」

「理解した」

街の発展も考えてると思うけど、領境にグリフォンが居たら警戒になる。

それにライル商会がカラッカにあるから、カラッカ寄りにしてくれたのだろう。


「厩舎はこんな感じでいいかな?」

「うん。良さそう」

グリリが既に芝に寝転がっていた。


「次は従業員の家なんだけど、まだ従業員達には『秘密の通路』のこと隠してていい?」

「うん。問題ないよ」

「食料とかの買い出しは五男の街に行くの?」

「そうだね」

「じゃあ馬車が通りやすいようにするか」

俺は従業員の家の前を修正していく。


「あとはゴトフの家だけだから、従業員の人を入れてもいいよ」

「うん。わかった」

ゴトフは従業員を呼びに行った。


▽ ▽ ▽


家の修正も終わり、今日はゴトフの家に泊まる。


「ライル達はそのまま王都に向かう?」

「明日も泊まらせてもらおうかな。この山を見て周りたいし」

「わかった」


ゴトフに色々聞いたが、メイドのターティーが『騎乗』を無事取得したらしい。

新しい従業員達もライル式で『騎乗』の取得を目指すらしい。


「ゴトフはいつ出発するの?」

「うーん。準備も終わってるからギリギリまではここにいるかな」

「そうなんだ。ここを出発したら次に会うのは学園かな?」

「そうだね。入学式だね」

年下ばかりの入学式は居づらそうだな。


「あのさ弟子のみんなにどうやってスキルを取ったかとか聞いてみてもいい?」

「全然いいよ」

俺がそういうと、ゴトフは弟子達の所へ行った。




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