34.パーティ開始
厩舎に到着すると、フリードとノコとシモン達が待っていた。
「ゴーレ、準備してくれてありがとう」
「いえ、マスターのパーティですから」
「シモン達も急にお願い事してごめんね。助かったよ」
チチチチチチチチチチ
シモンが俺の頭の上に乗ってきた。
シモン隊はフリードに乗っている。
「それじゃあ向かいますか」
▽ ▽ ▽
広場に到着した。
村のみんなと疾風の斧の3人は広場にいた。
会場を見ると、アカ・アオ・キー・ドリーは配膳の手伝いをしているようだ。
俺達を見つけたニーナちゃんとルークくんが、走ってこっちにきた。
「ライル!おめでとー」
「ラ、ライルくん、おめでとう」
ニーナちゃんは外だとやっぱり緊張するのかな?
「二人ともありがとう。でもこの前教えたじゃん」
「そうだけどパーティだから!」
「二人とも、村のみんなにフリード達が優しいって教えてあげたいから、フリードに乗ってくれる?」
「「乗る!!!」」
ゴーレは二人を掴んで、フリードに乗せてた。
「うわー!高い!すげぇ」
「ルークくん、フリードすごいね!」
「フリード、落とさないようにゆっくり広場を散歩してくれ」
ヒヒーン!
フリード乗ったニーナちゃんとルークくんは広場の散歩に行った。
「これでフリードへの恐怖心が少しでも無くなればいいんだけど」
どこに行けばいいか分からず、ぼーっとしていたら、お父さんとお母さんが来てくれた。
「ライル、ご招待した冒険者の人にカインとご挨拶してきなさい。私達と冒険者の人達はあそこの1番大きいテーブルだからご案内して。ノコちゃんとシモンちゃん達はこっちおいで」
お母さんはシモンを抱き抱えてテーブルに向かった。
俺とゴーレはお父さんと疾風の斧のもとに向かった。
「皆さん、先程はお手伝いありがとうございました。改めて、ライルの父のカインです」
「お招きありがとうございます。Bランクパーティ疾風の斧のヒューズです。こっちの二人はリリアンとクララです」
リリアンとクララが頭を下げる。
「Bランクですか!!!!なんでまたそんな高ランクの冒険者の方とうちの息子が?」
「えーと、その、あのー」
「今日森でゴーレとフリードと探索してたら、森の中でたまたま会ったの。そうだよね、ヒューズさん」
「そ、そのとおり!意気投合して、パーティで村の方に冒険の話をして欲しいといわれ、お招きいただきました」
「ライル。いいんだな、お父さんが感じたことをそのままお母さんに伝えても」
お父さんは違和感に気付き、問い詰めてくる。
「ごめんなさい!森の中でフリードに乗って移動していたら、俺が乗ってると気づかなかったヒューズさん達がフリードに矢を放って、フリードが弾いて、ギルドに報告しないかわりに、パーティに参加して、村のみんなに冒険の話をしてくれと言いました。本当にごめんなさい。お母さんには言わないでください!」
「やっぱり嘘だったか」
その様子を見ていた疾風の斧の3人が頭を下げた。
「本当に申し訳ありません!!」
「息子さんを危険な目に遭わせたうえ、嘘までつき」
「前半に関しては結果論になってしまいますが、怪我も何にもしてないので今後気をつけていただいて、嘘に関してはうちの息子が元凶ですので気にしないでください。息子との約束通り、村のみんなに話を聞かせてあげてください」
「ありがとうございます!」
疾風の斧とお父さんが無事に揉めずに済んだようだ。
疾風の斧を席に案内しようとしたら、俺はお父さんに確認しなくてはいけないことを思い出した。
「あっ!お父さん。5Aのエリア使っていい?」
「5Aは前の住人の家が残ってたところだよな、何に使うんだ?」
「ヒューズさん達が受けてる依頼を終わらせるまでこの村を拠点にしてやりたいみたいで、泊まるところを探してるんだ。」
「いいけど、あの家はボロボロで使い物に、あ、わかった、村のみんなにも見せたいからタイミングはお父さんに任せてくれるか」
「うん!」
「疾風の斧の皆さん。テーブルにご案内しますよ、わたしの妻も紹介させてください」
お父さんと疾風の斧はテーブルに向かっていった。
「ゴーレ、フリードを連れてきてもらえる?あと、ニーナちゃんとルークくんを家族のところに連れていってあげて」
「承知致しました」
▽ ▽ ▽
「みんな、席についたか?」
ローファス村長が話し始める。
「今日はみんな準備をありがとう。とても豪華な料理をメインで準備してくれたブライズにも感謝しないとな。
今日のパーティの主役は、カイン家のライルだ!5歳になったばかりでエクストラスキルを取得し、聞くところによると農家向きのスキルとのこと。さらに通常スキルでテイムを取得した。
ライル、そのスキルを良ければ村のために使って、この村を発展させてくれ!
ライルだけではなく、子供でエクストラスキルを取得している我が娘アメリアとガートン家チャールズ、二人にも期待しているぞ!それではグラスを持ってくれ、村の繁栄にかんぱーい」
「「かんぱーい」」
 




