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327.教会事業

今日は教会でやる事業の相談だ。


動き出そうと思ったきっかけは、シスターミアナがポーション作りを成功させたと報告があったからだ。

水魔法と聖魔法で作った聖水とうちの最高品質のヒール草の相性は抜群で、初めてできたポーションが上級だったみたいだ。

聖水で薄めれば低級と中級も作れるらしい。

スキルのレベルも上がり、丸薬も1種類作れたそうだ。


その薬類を商人ギルドで買い取り、そのお金を資金にして事業を始めようと思う。



集めたメンバーは、教会と孤児院の5人とアヤノとブライズさん。

それに木工のケルバン夫妻だ。

それに商人ギルドのアイザックさん、リーラさん、フィーゴさん、シェリィさんだ。

当然ゴーレもいる。


「今日は教会内での事業を進めたくて集めました。教会関係者が売り上げをあげた場合、必要な支払い以外はすべて本部に渡すという話になっていて、利益というよりかは少しでも教会と孤児院が自立できるような事業をしようと思います」

「わかりました。まずは予算はどこから出しますか?」

「予算はシスターミアナが作ったポーションです」

俺がそういうと、シスターミアナがポーションを机に並べた。

マジック容器製造機で作った100mlボトルに入っていた。


「私が作ったポーションです。ライル商会のヒール草が良かったせいか、スキルのレベルが低い私が作っても品質が高級になりました。聖水で薄めて低級と中級も作ってきました」

「薄めて作った?ってことは結構な数の納品ができるということですか?」

「はい。聖水は魔法で作っているので、多く納品できると思います」

リーラさんはデスヘルの副ギルドマスターになることが決まったため、ポーションの在庫は多ければおい方がいいと思っているみたいだ。


「俺的にはライル商会ではポーションを取り扱わないつもりです。商人ギルドが買い取って、各地で売ってもらえるのが理想です」

「いいんですか?」

「うん。デスヘルとかで、うちの店舗と商人ギルドが売ってたら変な感じになるじゃん。それにいろんなところで名前さえ売ってくれればそれでいいんだよね」

「わかりました。シスターミアナが作ったポーション類はギルドですべて買い取ります」

「ありがとう。アイザックさん」

「いえいえ」


「あと丸薬もあるんだよね?」

「はい。こちらです」

布を開くとそこには苦そうな丸薬が入っていた。

俺は『鑑定』を使った。



〇シドル丸薬

 飲むと30分の間、1度だけ肉体へのダメージを受けない。

 飲んだ後1分後から効果が出る。

 とても苦い。



「ん?なんだこれ」

俺はシドル丸薬を飲んだ。


「ゴーレ」

「はい」

「なんかちょうどいい武器ある?」

「武器ですか土帝の大剣がありますが」

「それをアイザックさんに渡して」

「わかりました」

ゴーレは土帝の大剣をアイザックさんに渡した。


「1分後、俺をそれで斬りつけてください」

「え!」

「なんか1度だけ肉体への攻撃を受けないみたいです」

「ほ、本当ですか」

「本当だと思いますよ」


1分経ち、アイザックさんは恐る恐る斬りつける。

しかし全く痛みがなかった。


「うん。使えますね」

「「「「おー!」」」」

会議室は盛り上がった。


「これはどうですかね?飲んでから1分後に効果が出て、効果は30分の間1度だけ身体に受けないみたいです」

「うーん。頻繁に使うものになりそうなので、値段による感じですね」

「これの材料は?」

「ライル商会のシドル草とリンゴのハチミツです」

「え?ハチミツ使ってあの苦さなの」

シドル草は聞いたことがなかったが、迷宮国で買ってきたものの1つだろう。


「それならそんなに高くなく売れるよ」

「細かい値段はあとで相談ということで、そちらもすべて買い取ります」

「ありがとう」


これで事業の資金には十分だろう。


「まずは孤児院の子供達でまだ小さい子にはポーションをボトルに詰めるのをお手伝いとしてやらせてください。ちゃんと1本につきいくらかは支払ってあげて」

「「わかりました」」

シスターユーアとシスターミアナは返事をした。


「大きな子供には屋台をやらせたくて、ケルバン夫妻を呼んだのは屋台を作ってほしい。その屋台は値段を決めて、ポーションを売った代金から差し引いて。そこら辺の経理はシスターミアナにお願いしてもいい?」

「はい。問題ないです」


「屋台は今後ヤルクで商売したい人にも売りたいから、ある程度しっかりしたものをお願い」

「「わかりました」」

ケルバン夫妻は頷いた。


「商人ギルドの方でも屋台で商売したい人が居たら、管理とケルバンの店への誘導をお願いね」

「「「「はい」」」」


「ブライズさんとアヤノには何を作ればいいか案をもらいたくて。子供が作るからあんまり難しくないものがいいんだけど」

「うーん」

「子供が作れる。屋台・・・」

2人は悩んでいた。


「実は火を使わなきゃだけど、コッコ肉を串にさして焼いたものは売りたいんだよね」

俺がそういうとアヤノがこっちをみた。

焼鳥だとすぐ気づいたのだろう。


「それなら子供達に教えやすいし、野菜も使えるしいいね」

「じゃあ焼コッコは決定で。レシピとか値段はブライズさんとシスターカモーエで考えてみて。うちから食材は出すけど、仕入れ値も考えながらやってね」

「わかったよ」

「が、頑張ります」

ブライズさんの安心感はさすがだった。


「甘い物はアヤノの宿題でいい?」

「はい。考えておきます」

アヤノは少し悔しそうにしていた。


「いままでの事業と違って、仕入れ値とか売値をしっかり定めないといけないので、シスターユーアは総括として商人ギルドと相談して進めてください」

「え!私が総括ですか!」

「はい!あと教会での治療を少額の寄付でやったりしてもいいですよ。ナノンとミジュマナもいるんで、入りやすい教会を目指してください」

「は、はい」

シスターユーアは焦っていたが、これは無視だ。


王都に行く前に屋台計画とポーション事業を始められてよかった。


俺は会議室を出ようとするが、みんなは各々相談を始めた。


▽ ▽ ▽


俺は鍛冶屋に来ていた。

ガルスタンとマデリンとイルデンに用があった。


ガルスタンとマデリンには焼コッコの調理器具の作成。

ガルスタンは武器とかを作るよりも、俺が作ってといきなり言ってくるものの方が楽しいらしい。

気合が入っているガルスタンを見て、マデリンは飽きれていた。


イルデンには王族に献上するいい感じのものを頼んだ。

いい感じのものって言った瞬間、顔が青ざめてたが見てないことにした。

値段は問わないとは言っておいたので、宝石をガンガンに使うだろう。


今日の午前にゴトフが店に来たらしい。

グリフォンの鞍を欲しいみたいだが、キンググリフォンの鞍は自分で作りたいと言ってきたらしい。

せっかく革細工を少し教わったので最後までやりたいそうだ。

夜に店を閉めたら教えてあげるそうだ。

ガルスタンも意外と先生に向いている。


明日辺りにゴトフの様子でも見に行くか。




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