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276.扉の階層

地下15階層は洞窟になっていた。


「やっと天候を気にしなくて済むのかー」

ガッツさんは解放されたと喜んでいた。


地下15階層には数匹のゴブリンしかいなかった。

「ライル。めんどくさいモンスターも居なそうだから、今日はここで休もう」

「ライムも本調子じゃないのでそうしましょう」


俺達は野営の準備を始めた。


▽ ▽ ▽


「やっぱりライル商会に入ってよかったわー」

ガッツさんは嬉しそうに肉うどんをすすっていた。


ヒューズさんは珍しく黙っていた。

「どうしたんですか?」

「ああ。今後のことをな。バブルドームを3つ使ったから残り3つ。この先バブルドームを使う可能性がある階層だったら、一旦攻略を諦めるべきだなと思ってな」

「そうですね。寒さ以外は無敵だと思ってたライムも毒にやられちゃいましたし……」

「まあこの下の階層次第だな」

「はい」



食事もとり、体力と気力が少し回復した。


「まさか割られてた卵のせいで、こんなにめんどうなダンジョンになってるとはなー」

「すべて魔力が込められたと考えると、初期のヤルクダンジョンより深い可能性はありますね。でも魔力が深さよりもめんどくささに影響を及ぼしてる気がしますね。ライルダンジョンもヤルクダンジョンも天候をランダムで変えたりできないですし」

「さすがダンジョンマスターだな」

「それなりダンジョンの改造はしてますからね」


俺達はそんなことを話しながら交代で仮眠をとった。


▽ ▽ ▽


しっかり休憩を取った俺達は地下16階層を目指した。

ライムもいつもの調子に戻っているので安心だ。


階段を見つけた。

降りると行き止まりにぶつかった。


行き止まりの壁には大きな魔石が埋まっていた。

「なんだろこれ、ダンジョンコアじゃないしな


魔石に触れてみるが何も起こらない。

試しに魔力を込めてみた。

するとドンドン魔力が入っていく。

手を離すと目の前の壁が音を鳴らしながらゆっくりと開いていった。

ゴゴゴゴゴゴゴ


「何したんだ?」

「魔力を込めただけですけど」

ヒューズさんはなぜか俺を冷たい目で見ている。

俺がやらかしたと思っているのだろう。


壁が開いた先には大量の扉が並んでいた。


「なんだこれ」

ヒューズさんは首を傾げていた。


扉は50個ほど壁に張り付いていた。


「おいおい。これ全部入らなきゃいけないやつか」

ガッツさんはめんどくさそうに頭を掻いた。


「ハズレの扉を開けると罠が発動する可能性も……」

「ほんとこのダンジョンはめんどくさいな!」

「とりあえずどの扉に入るか慎重に決めましょう」

「そうだな」


ガチャ!

俺とヒューズさんが扉について話していると、扉が開く音がした。


「え?」

音がした方を見ると、ガッツさんが扉を開けていた。


「何やってるんですか!」

「もうめんどいから全部確認してくる」

「危険ですよ!」

ガッツさんはそのまま扉の中へ入った。


するとガッツさんが入った扉が目の前から消えた。


「ほらな、めんどくさいことになった」

ヒューズさんは頭を抱えた。


「ガッツが心配だ。追うぞ。どっかで合流するはずだ」

「そうしましょ」

ヒューズさんは扉を開いた。


「先に俺が入るからな」

「わかりました」


ヒューズさんが扉の中に入る。

俺達もあとに続こうとするが扉が消え、壁にぶつかった。


「痛っ!また扉が消えたよ」

ゴーレが口を開いた。

「もしかしたら1人ずつしか入れないのかもしれませんね」

「ノコもライムもかな?」

「わかりませんがその可能性がありますね」

「まじかー。もう行くしかないな」


ノコとライムを見た。

「ノコとライムはどこに入りたい?」


俺はノコとライムの要望を聞き、扉を開けてあげた。

2人は開けられた扉の中に入っていった。



「ゴーレはどれにする?」

「私は最後に入ります。マスターが先に入ってください」

「わかった」

「気を付けてください」

「ゴーレも」


俺は扉を開け、中に入った。



目の前は大空が広がっていて、足元は大きな崖になっていた。

覗いてみるが底が見えない。


空中にはバスケットボールサイズの岩が何個も浮いて続いていた。

「まさかこれを渡るって事か?」


他に移動できる方法はないか探してみたが、やはり宙に浮く岩を足場にして移動する以外なさそうだ。

「これ俺じゃなかったら大変だったろうな。ワープ」


ワープの範囲ギリギリの岩までワープをした。

風が強く、バランスを崩しそうになった。

「いったいどこまで続いてんだよ……」


俺は無限に続いている岩をワープを使って渡っていった。


ギャー!ギャー!


岩を渡っていると鳥型のモンスターが数匹、奥の方に見えた。

「モンスターもいるのはきついなー」


ワープを続けているが、鳥型のモンスターは俺の上空で飛んでいるだけだった。

「それにしても数が多いから、襲われたくないな」



上空の鳥型のモンスター100羽を超えた。

「気味悪いな」


ボチョ!

「ん?」


俺の方に鳥型のモンスターの糞が落ちた。

上を見ると大量の糞が落ちてくる。


「こういうめんどくささかよ!ワープ!ワープ!」

俺はワープを使い、糞が追い付かないように急いで移動した。


ワープを使うが鳥型のモンスターの数が多いせいで、ワープ先にも糞が降り注いだ。

「ワープ!クリーン!ワープ!クリーン!クリーン」


糞まみれになりながら岩を渡っていくと、宙に浮いている島があった。

俺は急いでその島にワープした。


島の中央には扉がぽつんと置いてあった。

「やっとゴールか?」


俺はすぐに扉を開け、中に入った。



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